アイコン 前科者と取引した野村證券の巨額損失 アルケゴス代表の韓国人、ファンとは・・・


米国で活動する韓国系投資家のビル・ファン(ファン・ソングク)が起こした波紋が米国の証券市場を揺るがしている。
ファン・ソングクが運営するヘッジファンド「アルケゴス・キャピタル・マネジメント」のマージンコール(追加取引保証金の要求)事態。
スイスの2大銀行クレディ・スイスは29日、今回の事態が今後四半期の業績に「非常に顕著に」影響を与える可能性があると発表した。野村も、このヘッジファンド事態で20億ドルの損失を被りかねないと明らかにした。
クレディ・スイスの▲株価は14%、野村證券は▲16%暴落した。両社の時価総額は1日で70億ドルほど減少した。

ウォール街の銀行最大手、「JPモルガン」や「ゴールドマン・サックス」だけでなく、「UBS AG」、「ドイツ銀行」などウォール街の銀行10行余りがアルケゴスに約500億ドルもの取引があると、フィナンシャル・タイムズは報じた。

アルケゴスは26日、バイアコムCBSなど計300億ドル規模の株を大量に売却した。アルケゴスが投資した資産の損失が取引証拠金を超過したことを受け、取引銀行がマージンコールを発動し、大規模なブロック取引が行われた。ブロック取引の対象になった株式は、「バイアコムCBS」の他にも「ディスカバリー」など米国メディア株や「テンセント」と「百度(バイドゥ)」など中国技術株、英国オンライン・ショッピングモールの「ファーフェッチ」など。

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この事態を受け、「バイアコムCBS」と「ディスカバリー」の株式は26日、それぞれ▲27%暴落した。

ブロック取引のニュースが流れたことを受け、投資家らはアルケゴスと関連した投資銀行の株も大量に投売りした。
ファンが運営するアルケゴスキャピタルが大規模投資損失によりウォール街の投資銀行で追加証拠金納付要求を通知されたためだ。

アルケゴスが証拠金を払えず「ゴールドマン・サックス」、「モルガン・スタンレー」、「クレディ・スイス」、「野村証券」などが強制的に処分した株式は300億ドルに達する。リーンマンショックを経験した「ゴールドマン・サックス」、「モルガン・スタンレー」は早々に処分して難を免れた。しかし、処分が遅れた「クレディ・スイス」、「野村証券」は巨額損失を招いた。

強制処分は、投資家が投資銀行などに担保として提示した株式などの価値が一定水準以下に落ちた時に行われる。
投資銀行はひとまず電話をかけ担保価値が不足するので担保を補充するよう要求する。

アルケゴスが追加証拠金納付に応じられず、ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーは26日から先を争ってアルケゴスが担保として提供した株式を売却、被害を最小に食い止めた。
しかし、野村証券(推定損失20億ドル)とクレディスイス(推定損失30億ドル)は相対的に対応が遅れ大規模損失を出したと推定されている。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、アルケゴスはビル・フアンの家族財産を運営する個人ファンドの形を取っているが、規模は100億ドルに達するという。ウォール街の大手銀行らは、アルケゴスの取引規模を拡大するレバレッジを提供する一方、損失を防止する合意をしたと、ブルームバーグが報じた。
ウォール街の大手銀行の支援を受けたアルケゴスは、複雑かつ不透明な金融派生商品への投資を通じて、関連会社の株式を実質的に所有していないにもかかわらず、法的には巨額の投資家となった。
アルケゴスのこうした投資手法により、バイアコムCBSの株は今年に入り170%も高騰したが、結局暴落し、今回の事態につながった。

フィナンシャル・タイムズとブルームバーグなどによると、ファンは最高5倍のレバレッジを利用して積極的投資をしてきた。
こうして投資した資産の価格が上がれば最高5倍の収益率を狙うことができる。だが投資した資産の価格が下がれば損失も5倍となる。

ファンの実際の資産規模は50億~100億ドルと推定される。ところがアルケゴスが投資した企業の株価が最近急落しファン氏の投資損失も雪だるま式に増えた。
米国のメディア企業「バイオコムCBS」と中国「バイドゥ」などが代表。22日のニューヨーク証券市場で100ドルを超えていたバイオコムCBSの株価は29日に47ドルまで下落した。

野村證券は「ある米国顧客との取引で20億ドルの損害が生じる可能性がある」と公開した。
野村はこの顧客がアルケゴスと明らかにしてはいないが、ウォール・ストリート・ジャーナルは匿名の関係者の話としてアルケゴスと関連していると伝えた。

ウォール街では旧タイガー・マネジメント出身であるファンの投資スタイルが、現在の金融システムの弱点を示すものという点で緊張している。

バイデン米大統領就任後で初めて、米財務省と米連邦準備制度理事会(FRB)などが参加する金融安定監視委員会(FSOC)は31日に会議を招集した。

主要議題は新型コロナウイルス以降のヘッジファンドの動きなどだ。今回の会議日程は事前に予定されていたものだが、アルケゴス問題と金融会社の損失も議論対象に上がる可能性がある。

ファンは昨年初めまで金融取引をできない身分だった。

アルケゴスのように特定のファミリーが設立し、個人的な投資だけを担当する「ファミリーオフィス」は現在、世界で1万以上存在するとロイターが報じた。
彼らが運用する資産は、2019年基準で6兆ドルと、プライベートファンドやベンチャーキャピタルの資産の合計よりさらに規模が大きい。
今回の事態で、規制の対象外になっている「ファミリーオフィス」が証券市場全体を揺さぶりかねないという懸念から、「規制強化」の声が高まる可能性もある。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、彼は2012年に内部情報を利用した取引をしたという容疑で有罪判決を受け、米市場と香港市場でブラックリストに入った。
当時1600万ドルを没収され4400万ドルの賠償金を支払った。
その後昨年4月に米国証券取引委員会(SEC)が金融取引制限措置を解除し、ウォール街に再登場した。

ファンは、韓国に生まれ高校3年生の時に米国に移住、カリフォルニア大学ロサンゼルス校を卒業後、カーネギーメロン大学で経営学修士学位(MBA)を取得した。
現代証券を経てかつて世界最大のヘッジファンドだったタイガー・マネジメントのジュリアン・ロバートソン最高経営責任者(CEO)の下で働いた。
その後アジア市場に主に投資するタイガーアジアファンドを運営し「タイガーカブ(子トラ)」と呼ばれたりもした。
以上、韓国紙参考



 

[ 2021年3月31日 ]

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