アイコン アンジェス 第1四半期決算 新コロナワクチン開発状況等


同社は、新型コロナウイルス感染症に対する予防用ワクチンと治療薬の二軸で、国内外で開発を進めている。
HGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」は適用拡大及び米国での承認を目指して、国内外で臨床試験を進めている。
また新規ゲノム編集技術を有するEmendoBioInc.(Emendo社)を完全子会社化し、戦略的提携先との共同開発を進めて開発パイプラインの拡充を図り、遺伝子医薬のグローバルリーダーを目指した事業を推進している。

2020年12月に子会社化したEmendo社の業績は当第1四半期連結累計期間より連結損益計算書に含めている。当第1四半期連結累計期間の事業収益は11百万円(前年同期比5百万円(+101.4%)の増収)となった。
同社グループでは、HGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®筋注用4mg(コラテジェン®)」の販売収入については、製品売上高に計上している。
また、提携企業からの契約一時金、マイルストーンを、研究開発事業収益に計上している。
当第1四半期連結累計期間において、製品売上高は11百万円(前年同期比5百万円(+101.4)の増収)を計上した。研究開発事業収益の計上はなかった。
当第1四半期連結累計期間における事業費用は、36億39百万円(前年同期比26億59百万円(+271.5%)の増加)となった。
研究開発費は24億16百万円(前年同期比17億87百万円(+284.5%)の増加)となった。

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当第1四半期連結累計期間において、主に新型コロナウイルス感染症予防DNAワクチンの原材料を臨床及び非臨床試験へ使用したことにより、研究用材料費が5億75百万円増加した。
新コロナ感染症予防DNAワクチンの臨床試験及び非臨床試験の進展により、外注費が7億48百万円増加した。
新コロナ感染症予防DNAワクチンの研究用試薬・消耗品の購入及び衛生検査所開設に伴う測定機器・試薬等の購入により、消耗品費が2億55百万円増加した。

主にEmendo社を新規連結したことにより、給料手当が1億3百万円増加した。
当社グループのような研究開発型バイオベンチャー企業は先行投資が続くが、提携戦略などにより財務リスクの低減を図りながら、今後も研究開発投資を行っていく予定。
Ⅰ、研究開発中の医薬品
1、<新型コロナウイルス感染症予防DNAワクチン(自社品)>
同社は、プラスミドDNAの技術を用いて2020年3月より大阪大学と共同で新型コロナウイルス感染症に対する予防用ワクチンの開発を開始し、現在実施中の第II/III相臨床試験において、2021年3月に500症例の接種を完了した。

2、<新型コロナウイルス感染症治療薬(共同開発品)>
カナダのバイオ医薬品企業であるVasomune社と急性呼吸不全など血管の不全を原因とする疾患を対象とした医薬品に関する共同開発契約を締結した。
現在AV-001を新型コロナウイルス感染症治療薬として、2020年12月より健康成人を対象とした第I相臨床試験を米国において実施し、安全性と忍容性を認め、良好な結果を確認した。続く第II相臨床試験では、米国とカナダの2ヶ国での実施として準備を進めている。

3、<HGF遺伝子治療用製品>(一般名:ベペルミノゲンペルプラスミド)(自社品)対象疾患:慢性動脈閉塞症
4、<NF-κBデコイオリゴDNA>対象疾患:椎間板性腰痛症(自社品)
5、<高血圧治療用DNAワクチン>(自社品)
Ⅱ、新規研究開発プロジェクト及び新規事業プロジェクト
1、<ゲノム編集技術による遺伝子治療用製品開発>
2、<マイクロバイオームを用いた疾患予防・健康維持>
3、<抗がん剤診断事業への参入>
4、<米BrickellBiotech,Inc.(旧:バイカル社)との戦略的な開発協力。

同社は大阪大医学部の森下竜一教授創業の創薬ベンチャー。遺伝子治療薬を核に核酸医薬など開発多彩。設立は1999年12月。
同社は大学である程度商品価値のある研究をしてから独立したはずだか、設立して20年経過している。資本として同社はこれまでに530億円を集めており、その期待も大きく、財務面には問題ない。ただ、研究内容はすばらしいだろうが、20年間収入が桁違いに少なく経過しており、企業として見通しはあるのだろうか。今回の新コロナワクチンにすべてかけているのだろうか。DNA型で承認された新コロナワクチンはこれまでにない。
日本では感染拡大まっ最中、大規模臨床試験も可能な状態にある。報道では年内に緊急承認とも掲載されているが、途中経過の報告が待たれる。塩野義製も年内に承認とされている。
ただ、来年まで既存の購入契約ワクチンで間に合っており、両社等の国産ワクチンは数万人規模の大規模臨床試験を行った上で、承認するかどうか決定すべきできないだろうか。早期に政治的に判断するものではないだろう。


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アンジェス

/百万円

売上高

営業利益

経常利益

当期利益

20Q1

5

-974

-922

-919

21Q1

11

-3,628

-3,361

-3,314

 同前期比

 

 

 

 

20/12

39

-5,599

-6,618

-4,209

19/12

326

-3,270

-3,293

-3,750

18/12

610

-3,065

-3,096

-2,996

21Q1財務内容

総資産

純資産

自己資本率 

40,858

35,160

85.7%

資本金

資本剰余金

利益剰余金

27,512

25,656

-17,958

 

[ 2021年5月11日 ]

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