富士フイルムHD 3月決算 減収増益 米でノババックス製ワクチン受託製造
同社は今や主力となっている医薬品事業の当期について、COVID-19治療薬としての承認が期待されている抗インフルエンザウイルス薬「アビガン®錠」(一般名:ファビピラビル)の増産に向けて、富士フイルム和光純薬や国内外の協力企業と新たなサプライチェーンを構築した。
日本政府から要請のあった国家備蓄の積み増し(164百万錠)や、提携先であるインド大手製薬企業Dr. Reddy’s Laboratories Ltd.、及び世界的な医療物資・医薬品提供会社Global Response Aidからのライセンス収入、海外への提供などにより、売上は増加した。
同社グループは、高付加価値な医薬品の提供していくとしている。
バイオCDMO事業では、バイオ医薬品のプロセス開発受託及び製造受託が好調に推移し、売上が増加した。事業成長を一段と加速させるため、2020年6月には、約1,000億円を投じてデンマーク拠点に製造設備を増強することを発表した。2021年1月には、米国ノースカロライナの第2サイトとしてバイオ医薬品の大型製造拠点を新設するため、2,000億円を超える大規模投資を行うことを発表した。
原薬の大量製造受託のみならず、製剤・包装までワンサイト・ワンストップで対応できる体制を米国に構築し、2025年春に稼働させる予定。
また、今後の市場拡大が見込まれている遺伝子治療分野において、米国ボストンに約40億円を投じて遺伝子治療薬のプロセス開発・原薬製造受託拠点を新設し、2021年秋より順次稼働させる予定。
今後も、高品質な医薬品の安定供給を通じて顧客の新薬創出をサポートし、アンメットメディカルニーズへの対応など社会課題の解決、及びヘルスケア産業の発展に貢献する。
再生医療事業では、FUJIFILM Irvine Scientific, Inc.(米国)が展開するバイオ医薬品製造用途の培地販売が好調に推移し、売上が増加した。
また、FUJIFILM Ce llular Dynamics, Inc.(米国)が展開する医薬品候補化合物の評価試験などに使用するiPS細胞由来分化細胞を、製薬企業やアカデミアに提供する創薬支援事業、及び次世代がん免疫治療薬に使用する他家iPS細胞の開発受託事業が好調だった。
2021年3月には、バイオ医療領域の事業ポートフォリオ最適化の一環として、(株)ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングの全保有株式を、帝人へ譲渡した。自社の強みを最大化できる細胞・培地にフォーカスして、創薬支援事業のさらなる強化を図るとともに、今後、市場が立ち上がり大きな成長が見込まれる細胞治療薬において、パートナーと連携した効率的な研究開発や、開発受託事業の拡大を進めていくとしている。
以上、
医薬品原薬は今や中国の独壇場、新コロナで浮き彫りになった医療薬・ワクチン安保、同社の米国でのこうした動きは今後光ろう。
スクロール→
2021年3月期 米方式 |
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連結/百万円 |
売上高 |
営業利益 |
←率 |
税前利益 |
株主利益 |
|
18/3期 |
2,433,365 |
130,679 |
5.4% |
197,807 |
140,694 |
|
19/3期 |
2,431,489 |
209,827 |
8.6% |
212,762 |
138,106 |
|
20/3期 |
2,315,141 |
186,570 |
8.1% |
173,071 |
124,987 |
|
21/3期 |
2,192,519 |
165,473 |
7.5% |
235,870 |
181,205 |
|
21/20比 |
-5.3% |
-11.3% |
|
36.3% |
45.0% |
|
22/3期予想 |
2,440,000 |
180,000 |
7.4% |
185,000 |
130,000 |
|
22予/21期比 |
11.3% |
8.8% |
|
-21.6% |
-28.3% |
|
2021/3期 部門別 売上高と営業利益 |
||||||
連結/億円 |
売上高 |
営業利益 |
||||
事業分野 |
当期 |
前期比 |
当期 |
前期比 |
営利率 |
|
イメージング |
2,852 |
-14.2% |
156 |
-37.8% |
5.5% |
|
ヘルスケア&マテリアル |
10,526 |
2.8% |
1,075 |
16.3% |
10.2% |
|
ドキュメント |
8,547 |
-10.8% |
733 |
-30.2% |
8.6% |
|
調整 |
|
|
-309 |
|
|
|
合計 |
21,925 |
-5.3% |
1,655 |
-11.3% |
7.5% |
|