韓国 1日からの規制緩和 首都圏延期
韓国の中央災害安全対策本部は30日、4段階に区分した新たな新型コロナウイルス感染防止策「社会的距離の確保」が7月1日から適用されることに関連し、首都圏(ソウル市、京畿道、仁川市)では下から2番目の第2段階とする新レベルの適用を1週間延期すると発表した。
韓国では6月28日501人、29日595人、30日794人、7月1日764人と下記表の感染推移でもわかるとおり増加傾向が明確になっている。
特に首都圏は感染者が集中しており、今回の先送りは妥当と見られる。ただ、海外からの受け入れを一部の感染国を除き、大幅に緩和する措置は執行されるようだ。
デルタ株はすでに80ヶ国以上に広がり、イギリス、ロシア、マレーシア、インドネシア等でも猛威を振るっており、政治優先策を取るべき時期ではないだろう。
韓国も罰則付きという厳しい中でも、韓国人の入国者は入国時に感染が確認されなければ自宅隔離に入ることから、自宅での感染拡大が懸念される。
入国者のモノに付着したウイルスによる間接感染には韓国も含め世界中の当局がまったく問題視していない。
今回の上昇では、デルタ株がすでに市中で広がっているものと見られる。
ワクチン接種が進んでいる英国を見る限り、徐々に感染者が増加し、その後、短期間に感染者数は急上昇している。
デルタ株はこれまでのアルファ株=英国株よりさらに感染力が強く、重症化率も高く、免疫逃避もあり、注意を要する。
韓国では7割近くがAZ製ワクチンであり、デルタ株では2回接種完了+2週間でファイザー製の88%に比べ60%まで有効性が落ち、1回接種だけではともに33%とされ、一方で規制による防疫対策をとるしかない。増加傾向にある中、規制を緩和する韓国政府の気が知れない。
7月1日から中国からの入国者についても接種完了証明書で入国審査を簡略化すると発表し、中国当局は、韓国が中国製ワクチンを認めたと大喜びした記事を掲載していた。
韓国はこれまで、持ち前の罰則付きの規制と先手を打った感染検査で封じ込めてきた新コロナウイルス、その規制の一部を解除することで、現在までの最強とされる変異株のデルタ株ウイルスに対応できるのか、文大統領自ら大宣言しまくるK-防疫の真価が問われることになる。
スクロール→
韓国のワクチン接種状況 |
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アワーワールドインデータ版 |
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7月1日更新分 |
減少過程へ |
集団免疫構成 |
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ワクチン種 |
AZ+Pf+ |
40% |
70% |
人口(人) |
51,700,000 |
20,680,000 |
36,190,000 |
接種件数 |
19,100,000 |
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百人当り |
36.9回 |
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1回以上接種者数 |
15,320,000 |
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人口比 |
29.63% |
達成率 |
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2回完了者数 |
4,910,000 |
23.74% |
13.57% |
人口比 |
9.50% |
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感染者数の状況 |
直近感染者数 |
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累計感染数 |
157,723 |
6月29日 |
595 |
累計死亡数 |
2,021 |
6月30日 |
794 |
致死率 |
1.28% |
7月1日 |
764 |