アイコン 高齢者感染が何故止まらないのか/韓国/イスラエルの追加接種効果


韓国当局は高齢者の感染の増加と重症化に対する対策として、クラスターが発生しやすい高齢者が多く入所する療養病院や高齢者施設の全従事者に対して、ワクチンの接種有無にかかわらず週一度のPCR検査を義務付け、さらに週2回の検査に切り替えている。
もうそろそろその効果が出てもおかしくない期間に入っているが、感染者の増加が止まらない。
 
高齢者の感染者が全体に占める割合が30%以上と高く、重症用病床を利用している高齢者は全体の8割に達しているという。
そのため高齢者の追加接種を推進している。11月28日更新分で284万人が追加接種、ただ、これには医療関係者が含まれており、高齢者がどれほど追加接種したのかは見えてこない。全部高齢者だとすれば高齢者人口の21.5%(全体では5.5%)に達し、対策を重症対策に切り替えているようだ。
 
韓国は高い接種率にあるが、
ワクチンには、
① メーカー有効率のほか
② 年齢からくる有効率があり、高齢になるほど有効率は下がる。それに加え、
③ 有効期間がある。
しかし、何故か、今だ、そうした標本をメーカーや研究機関が公表していないところに、防疫対策に誤謬が生じ、欧州や韓国などの感染拡大がもたらしている。

イスラエルは、当初ワクチン接種の見本国と称せられたが、宗教上接種しない人たちも多く、接種率は頭打ちになり、ワクチン接種の有効期間が過ぎ、結果、再び大幅な感染増をもたした。そのため追加接種を急ぎ押さえ込みに成功している。

韓国もイスラエル型に転換したようだ。

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どこの国も感染には何度も山谷があり、これまで規制強化により山を谷にしてきた。その規制を放棄すれば、イギリス(7月19日からWithCorona政策/26日現在接種完了率67.8%、追加接種率24.6%/人口比)のように4ヶ月経過しても4万人前後の感染者が発生し続けることになる。

人の行動範囲・行動パターンは通常限られており、一定空間なり地域でのウイルスは、その空間でしか伝播せず、感染しての防御、規制強化、自己防疫による伝播阻止により、その活性期間を失し、これまで山から谷に移行してきた。

それが完全になくなれば終息だろうが、人の数パーセントは広範囲に活動していることから、火種は残り、規制緩和などとともに防疫力が落ち、再び感染が拡大している。その繰り返しでもあった。

その切り札としてワクチンが登場したが、有効率や有効期間の問題が、感染力を増したデルタ株にはその効力を減少させ、追加接種が必要となっている。

これからは、ウイルスの寿命が長くなる季節的な要因も含め感染力は増す。一方、防疫体制は、政治経済、規制・防疫力・ワクチン効果・追加接収効果などが複雑に絡み合いながら推移する。

ワクチンは感染しての防御と同じ効果を持ち、一定空間内おいて、より多くの中和抗体保有者により、ウイルスのヒトからヒトへの伝播を限りなく減少させ、感染者を減少させることになる。
ただ、中和抗体でウイルスを防御する期間(有効期間) があり、伝染力の強いデルタ株では、感染者が多数生じる中での規制緩和は、感染を拡大させる原因となっている。

ワクチンに有効期間と有効率の問題がある以上、ワクチンではなく、ヒトの行動規制こそ唯一のウイルスに対する防御であろうが、経済もあり、それを両立させるぎりぎりのところで国民生活を運営するしかない。

隣国のように感染者が拡大している中での政府主導の全国観光割引キャンペーンなどウイルスをわざわざ全国に撒き散らすようなものではないだろうか。やるにしても域内限定の観光キャンペーンに留めることもできる。

 


スクロール→

隣国

全国 

首都圏

地方ほか

11月 

日平均

前週比

日平均

前週比

日平均

前週比

4

3,524

128.0%

2,786

127.5%

738

129.8%

3

2,754

125.7%

2,185

127.0%

569

120.7%

2

2,191

101.8%

1,720

101.4%

471

103.1%

1

2,153

100

1,695

100

457

100

4/1

 

163.7%

 

164.4%

 

161.5%

日本でも感染者が急増するときには必ず高齢者施設でクラスターも発生していたが、感染減少とともに減少した。日本のこうした施設の多くが外部者立ち入り禁止にしており、従事者も生活面から防疫意識を高めてきた。

韓国も同じと思われるが、高齢者の感染者が出続けている。部外者立ち入り禁止だとしていも、感染者増ではウイルスがモノに付着して、内部者に感染する確率が高くなってしまう。

ワクチン効果以前の問題だろうが、日本の減少には規制効果とワクチン効果が同時に現れその相乗効果により減少している。

韓国の場合は、まだ多くが発生している時に規制を解除し、その解除時期がワクチン効果が薄れている時期と重なってしまい、ワクチン接種完了者も含めて感染者が急増している。

感染リスク者は、
高齢者は60歳以上1132万人
92%の接種完了率で1109人、
高齢者のほとんどは優先接種によりAZ製クチン接種を前提に、
現在の高齢者の推定感染リスク者数
① 未接種者113万人
② AZ製有効率70%で305万人
③ 有効期間により半減として356万人
①~③の高齢者の感染リスク者合計数は774万人
結果、高齢者人口に対する感染リスク者割合は68%、ワクチンで保護されている人は32%の358万人に過ぎないことになる。
幻想でもなんでもなく、これが真実ではないのだろうか。
ただし、追加接種者数は27日更新分で276万人、うち高齢者接種分は有効性が再確立されている・・・結果、現在最大500万人あまりの高齢者が感染リスク者となっている)

18歳以上は91%と非常に高い韓国の接種完了率、それも高齢者は92.2%。療養病院などの施設のほか家庭内、教会などコミュニティでの感染が拡大している。
接種開始が遅れた12~17歳までの接種率(20.2%)の大幅上昇が今後の対策の鍵ともなる。学校も塾も日常に戻り、未接種の感染確率が高くなり、実際感染し全体比率も高くなってきている。

全体の感染が増加すればするほど家庭内に誰が持ち込むか分からず、感染リスクの高い生活空間ともなる。家庭内感染⇒近所、職場、学校、教会等集団活動など外部へウイルスを伝播させる。

韓国では、今では政府もマスコミも5000人程度の感染者の発生は想定内という論調が多くなっており、問題は重症者の多さより病床不足のようだ。病床を急遽、増加させることで対応する動きになっている。

まだ、高齢者以外の18歳以上はワクチン効果期間であり、有効期間との戦いにもなっており、追加接種のスピードアップと、12~17歳の接種完了率(28日発表分で22.0%)の増加が望まれる。

問題は、現在感染者の8割近くが首都圏であるにもかかわらず、政府主導で観光割引キャンペーンを実施しており、感染者は地方へ拡散させ、首都圏で露見している高齢者施設への感染が地方へ広がる火種を増加させ続けている。すでにクリスマスやカウントダウンの大規模イベントも計画されている。

27日は、重症者数は634人と前日から17人増加しているが、一方で52人が亡くなっている。
28日は、重症者数は13人増の647人、死亡者がさらに増加し56人となっている。

こうしてみても重症者を発生させない取り込みが必要だろうが、政治が優先し当局が対策するにも限度があるようだ。
やはり、感染者の絶対数を減らさない限り、対策の打ちようがなく、規制強化しない限り、感染拡大は続き、多くの人たちが亡くなっていくことになる。

英国のように国民が日々数百人亡くなろうと意に解さないならば、このままの状態を続けるしかない。
本来、選択するのは国民であるが、ロウソク民心の火が消えた政府の主導により規制は大幅緩和され続けている。

韓国では感染者が7月7日から1000人以上が続いているが、デルタ株下、最強規制に入っても酒あり午後10時までの営業だったことから、感染者は減らず、そのまま規制を解除し11月からWithCorona策に入り、飲食店では酒あり24時間営業可能となっている。これでは感染者の増加は当然のことではないだろうか。

ワクチン効果時期と感染者減を一致させなかったことに、現在の感染者数と重症者と死亡者の増加が生じているものと見られる。

韓国国内における最近1週間の新規感染者のうち、60歳以上が占める割合は35.7%に達し、重症者に占める割合も60代以上が83.7%を占めているという。


スクロール→

隣国のワクチン接種完了者数と率および月別

2/26開始

累計接種完了数

完了率

月接種完了数

経過月

3月末

24,421

0.1%

24,421

8ヶ月

4月末

257,212

0.5%

232,791

7ヶ月

5月末

2,220,000

4.3%

1,962,788

6ヶ月

6月末

5,140,000

10.0%

2,920,000

5ヶ月

7月末

7,230,000

14.1%

2,090,000

4ヶ月

8月末

15,850,000

30.9%

8,620,000

3ヶ月

9月末

25,760,000

50.2%

9,910,000

2ヶ月

10月末

38,700,000

75.4%

12,940,000

1ヶ月

11/27現在

40,852,206

79.6%

2,152,206

 

18歳以上

90.4%

 

 

未完了者数

10,517,794

 

人口⇒

51,349,000

 

[ 2021年11月29日 ]

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