アイコン 蔚珍-三陟の山火事勢い衰えず 別の放火山火事が東海市に迫る 手付けられない状態


隣国東部・太白山脈で発生している山火事では、軍も出動して懸命な消火作業が続けられているが、おりからの強風、乾燥、晴天続き、冬の枯草や落葉に拡大し続けている。

慶尚北道蔚珍郡北面斗川里で4日午前11時ころ発生した山火事は、最大瞬間風速20mの強風にあおられて蔚珍郡の北にある江原道三陟市にまで燃え広がるなど、隣国東部の3ヶ所で大規模山火事が発生している。

蔚珍の山火事はその後、強風にあおられて近くにあるハンウル原子力発電所2号機と3号機近くの山や、さらに北側の江原道三陟市の液化天然ガス(LNG)のプラント近くまで広がっている。

森林庁によると山火事の被害面積は5日午後6時現在、1万145㏊(蔚珍9489㏊、三陟市656㏊)に昨日の3倍増となっている。
5日午後3時現在、消防士3,700人、消火ヘリ51機、消防車353台を配備して消火活動に当たっているという。
5日17時現在、この山火事で住民6126人が避難し、まだ673人は帰宅できず、住宅193棟、ペンション、集会所、作業小屋などの施設281ヶ所が焼失するなどの被害が出ているという。

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ただ、ヘリでの消火活動は強い風、一帯を覆う濃い煙に視界を遮られ、高圧線鉄塔や高圧線も至所に通っており、消火活動に難儀しているという。

火の勢いは、4日は蔚珍から北の三陟市方面へ移行していたが、5日は北からの強い風か、再び蔚珍方面へスピードを増し向かっているといい、蔚珍には原発もあり、森林庁は6日朝から総力戦で南への延焼を食い止めるという。
朝鮮固有の銘木である蔚珍郡の金剛松保護区(北面斗川里地区)の松にも燃え広がっているという。

<別途、江陵・東海市で大規模山火事発生>放火事件
一方、別途、江原道江陵市(日本海側)や江原道寧越郡(太白山脈山中)でも山火事が相次いで発生している(報道によると、隣国での山火事は5日、全国8ヶ所で発生、釜山とソウルは鎮火、記事以外の山火事は不知)。

江陵市の山火事は大規模に拡大している。
同市南部の玉渓面南営里で発生、白鳳嶺・梅峰山に燃え広がり、さらに南部の東海市へ火は至っている。
火災原因は60代男性の村人が5日午前1時半ころ、松明を持ち、自宅などに火をつけたことから、火が山へ飛び火し山火事に、男性は逮捕されている。
男性は「住民が長年にわたって私を無視、怒りから犯行を犯した」と述べたと伝えられている。この男性の高齢の母親は住宅から逃げる際、道路で健康を悪化させ死亡しているのが住民により発見されている。途中で歩けなくなり低温症で亡くなった可能性もある。

強い風に煽られた火は、火元の玉渓から南へ5~10キロ離れた江原道東海市の山林へ広がり、東海市側の山間部約600ヘクタールがすでに焼失、火は市街地のムクホドン地区へ迫り、山に近い住宅はすでに燃えている。
2000人あまりが消火活動に当たっているが、市街地に迫る火の範囲が広く消火活動に手間取っている。

<別途、寧越郡の火災>ビニールハウスのボイラーの火が・・・
江原道の南西に位置する山岳地帯の寧越郡(平昌の南に位置する)の火災は4日昼12時45分ごろ発生、現在は海抜922mの雲峡山頂まで広がり、火は反対側(西側)へ拡がっているという。
山火事の発生原因は、山裾野のビニールハウスに設置された木材ボイラーの火が飛び火して発生したという。
以上、隣国報道参照、蔚珍・三陟・東海・江陵玉渓・寧越郡

太白山脈(隣国東部を南は釜山付近から北朝鮮・金剛山の先まで/1000級の山々が連なり、最高峰は江原道の雪岳山の1,708m))は、花崗岩質の山脈、樹木は古来よりよく燃える松が多いが、朝鮮戦争で北朝鮮軍が太白山脈を南下して荒廃、戦後、大規模に植林されたものの、間伐を自然破壊だとして許さない国民性ゆえ、保護管理地区以外は松を主体とした雑木林並みで、燃えやすい山の環境にあるという。

松は松脂を持ち、なかなか消火できず、現地でも消えても再び燃え上がったりしているという。また地面の松葉も乾燥し非常に燃えやすくなっている。

ただ、江陵市の山火事は、火の怖さを一番知っている山間部の村人が自宅に火を放つなど、蔚珍で大規模火災が発生しているさなか、それも真夜中、何を考えているのだろうか。この火災ですでに数軒の住宅が焼失し、現在、東海市の住民を恐怖に陥れている。

隣国東海岸を浦項から北上する国道7号や高速道は通行止めになっているところも多く、東海市では逃げ出す車で大渋滞になっているという、なかにはフェリーで逃げ出す人も多く満載状態の運航が続いているという。

すでに消防車の多くを山火事の直接対応や原発・LNG貯蔵基地に割り当て、特に原発は緩衝地帯を急遽作り、ほぼ安全になったという・・・。
消火ヘリも軍機も含め消火活動を行っているが、新たに発生した江陵-東海市の大規模山火事などで、消火機材も限られ、消火活動が分散遅延する恐れも高くなってきている。

現地、江陵市の週間天気予報では、春一番の西南西の強い風が吹いており、12日まで晴れが続く予報、それ以降は不明。現在、中国北京市付近に等圧線の幅が広い1024hPaの高気圧があり、今後、ゆっくり西に向かうと見られるが、しばらく雨の降る気配はない。湿度は40%前後でカラカラ状態。一帯は、昨秋から現在に至るまで干ばつに見舞われているという。

適地を見つけ緊急伐採し緩衝地帯を設けるほかないのかもしれない。

現在、消火活動が行われているのは、海岸沿いにある町や市・各種施設への延焼を食い止める作業であり、山火事の西側・奥には1000メートル級の太白山脈の山々が連なり、そうした山への延焼を食い止める作業はほとんど行われていない。この季節、東風は吹かないが、乾燥しており自然に燃え広がる可能性は大でもある。

当局はドローンを飛ばして山火事の実態把握に務めているが、強風・煙、範囲も広く容易ではないようだ。

隣国では、新コロナ下、キャンプが大流行、暖かくなってきたことからキャンプ者も多くなってきていると見られる。冬の原野や山野では「火が走る」と言われ、瞬く間に火が広がり、手がつけられなくなる。
そうしたところでの火の使用は厳禁、また、広い空き地で大丈夫と見られる場所でも強風下では、火の粉が飛び、瞬く間に周囲に燃え広がる。
火災を考慮すれば、特に冬から春先にかけては公的管理のキャンプ場以外でのキャンプは危険。初心者のキャンプ者は特に火の取り扱いに厳重な注意が必要だ。タバコのポイ捨ても厳禁。

地域や村民たちによる野良焼きも風に関係なく予定日優先により火の管理に失敗し、よく周辺山林を焼失させている。冬の火は慣れた人たちでもこの始末だ。それでなくとも火が回れば強い上昇気流が発生、周囲から吸い込み旋風が生じ、野良焼きの人たちの服に火が付き焼死することもある。山で火を使わないこと。

↓東海市に迫る山火事(3月5日昼)、放火が原因の山火事
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↓5日昼、東海市ムクホ洞地区で延焼する山裾野の住宅
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↓別途の江原道・寧越郡の山火事の5日夜の状況
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5日夜、蔚珍郡、山火事と道路を通る車両
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[ 2022年3月 6日 ]

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