アイコン 原油価格暴騰に一貫性ゼロのバイデン政権 なんとベネズエラに泣きつく 米では相手されず


ロシア産原油の禁輸を決めた米バイデン政権は、産油国に接触するなど代替調達先の確保に奔走している。
だが、ロシア経済の孤立化を図る目的とはいえ、なりふり構わないバイデン米大統領の姿勢に批判の声も上がっている。
米メディアによると、米政府高官が先週、ベネズエラを訪問し、マドゥロ大統領と経済制裁緩和について協議している。バイデン氏は8日、ベネズエラで拘束されていた米国民2人の解放を発表するなど、両国が急速に接近している。

また、ネットメディア「アクシオス」は6日、バイデン氏が人権侵害などを批判してきたサウジへの訪問を検討していると報じた。
バイデン政権はイラン核合意の再建交渉を早期に妥結し、トランプ前政権が再発動したイラン産原油禁輸の解除も見込んでいる。

バイデン政権が産油国との距離を縮めるのは、各国に増産を促すことでガソリン価格の上昇を抑制し、物価高に苦しむ国民の批判をかわすため。

米欧経済へのダメージを抑える一方、ロシア経済を締め付けることで、ウクライナ侵攻を早期中止へと追い込みたい思惑もある。

だが、米国は2019年、マドゥロ政権の人権侵害を理由に中央銀行や国営石油会社などを制裁対象に指定し、原油輸出を事実上禁じた経緯がある。
また、サウジについても、イエメン内戦介入での民間人犠牲者の増大や、サウジ人記者殺害事件をめぐり厳しい態度を取ってきた。

 

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このため、身内の民主党議員からも「(ベネズエラの)拷問と殺人の統治を延命させるべきではない」(メネンデス上院外交委員長)などの声が上がり、バイデン氏の強引な姿勢に批判が強まっている。

人権重視や専制主義国との対決を掲げてきたバイデン氏、ベネズエラなどとの妥協は苦渋の選択。
バイデン氏は8日、ガソリン価格上昇への対応策は限られていることを率直に認めるとともに「ロシアの責任だ」と語っていら立ちを隠していない。
以上、

<ベネズエラとは>
原油を生産するベネズエラは貧富の差が極端、社会主義政権が誕生し、米企業の原油生産施設も接収して国有化、しかし、強力な米制裁を受け、資金もなく改修工事もできず施設老朽化により生産量が大幅に減少し続けていた。当然経済も破綻状態となっていた。
そこに中国が愛の手を差し伸べ、施設の改修工事を大規模に行い、生産量をある程度回復させている。しかし、中国へは莫大な借金となり、中国へ原油を輸出することで借金返済に充てている。当然、原油価格暴落では再び国家経済は破綻した状態が続いていた。

同国では米国がお膳立てした政権と2つの政権が一時誕生したが、マドゥロ政権が力で抑え込んでいる。ここにきて原油価格の高騰にマドゥロ政権は大喜びしているはずだ。しかし、米国が制裁しており、輸出先は限られている。OPEC加盟国でもある。また、同国は原油のほかシェールオイル・ガスの埋蔵量も膨大とされている。

<OPEC>
サウジを筆頭とするOPEC+α(αはロシア)は新コロナによる2020年4月の原油価格の暴落から生産調整(減産)しており、この間、少しずつ供給量を増加させているものの、元に回復するのは今年9月ころだろうとしている。

<世界最大の採油国=米国>
一方、世界最大の原油生産国である米国の原油生産会社は、化石燃料を目の敵にしているバイデンを嫌い、こちらも少しずつ増産過程にあるものの、まだ暴落以前に回復させておらず、価格暴騰の利益を享受している。

敵に回した国内原油生産会社
バイデンは大統領に就任日の2021年1月20日に、カナダからメキシコ湾岸の石油精製施設までの原油を輸送するための「キーストーンXLパイプライン」の認可を取り消し、石油・ガス生産のための連邦政府の土地の新規リースも停止した。
当パイプラインはトランプ前大統領が認可していた。湾岸の石油精製会社の大将はティーパーティ「フリーダム・コーカス(自由議員連盟/共和党保守派)」のスポンサーでもあるコーク・インダストリーズを経営し莫大な資産を有し、巨額政治献金者として知られるコーク兄弟・業界の元締め的存在/中西部のシェールオイル生産会社もパイプライン開設に大きく期待を寄せていた)。

足元の米国の原油生産をコロナ以前に回復させて増産させるには、バイデン大統領がトランプ前大統領にお願いするしかない。到底無理な話のようだ。

バイデン政権の誕生で、電力会社は石炭燃焼から天然ガス燃焼に変えていたが、昨秋からの天然ガスの暴騰に大赤字、再び石炭燃焼に切り替えている。石炭はCO2の排出量が天然ガスの倍、ほか酸性雨の原因になる硫黄酸化物も放出する。

トランプ政権の後半は、保守経済学者や政策の重鎮を各ポジションに配し、政策の一貫性があったが、バイデン政権は環境派ばかりで、ロシア問題でも感情的に対応し、経済政策の重鎮もいないことから多層的な判断ができなくなっている。

↓原油生産量/米EIA発表値(BBL/D/1K)
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スクロール→

米国の原油掘削リグ稼動数の推移

米ベーカーヒューズ社版/原油とシェールオイルのリグ数

各月末基準

稼動数

原油価格

備考

2019/12

677

59.80ドル

新コロナ前

2020/8

172

4月新コロナ大暴落/16.71ドル

2020/12

267

47.09

新コロナ経済回復

2021/6

372

71.40ドル

 

2021/12

467

71.53ドル

 

2022/1

495

82.86ドル

 

2022/2

522

92.05ドル

ウクライナ問題

22/3/9

519

118.44ドル

8日一時130ドル突破

 

[ 2022年3月10日 ]

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