この船舶は２０２１年５月１１日、香港企業「アジア・オーシャン・シッピング」の船舶によってけん引され、隣国・釜山港を出発。その後、５月２４～３０日の間に北朝鮮の「リョンソン貿易会社」に運送されたと専門家パネルが指摘している。

専門家パネルは、船舶の位置を示す自動船舶識別装置（AIS）を逆追跡し、衛星写真資料を分析して、同船舶がシエラレオネの旗をつけ、名前も「オーシャン・スカイ号」に変えたことを確認した。
昨年３月、中国と香港で活動するブローカーが、隣国のチャンという姓を持つブローカーと接触して船舶売買契約を締結したという。

専門家パネルはまた、かつて隣国船籍だった別のタンカー「ウジョン号」が、北朝鮮の旗をつけていることも確認し、調査を進めていることを明らかにした。
「ウジョン号」は２０１９年７月に中国・山東省の石島港に行く直前まで隣国・釜山を母港にしていた隣国船だったが、２０１９年７月にブローカーを通じて中国企業に売却された後、２０２０年１０月には北朝鮮船舶の「シンピョン５号」として利用されているという。

シンピョン５号は昨年８月８・９・１０日の３回にわたって違法な船舶間積み替え方式によりパラオ船籍のタンカーから油類を瀬取りする様子がとらえられている。

国連安保理は２０１６年に採択した対北朝鮮決議第２３２１号に基づき、国連加盟国が北朝鮮に船舶を販売したり、北朝鮮の船舶を購入したりできないようにしている。
また、安保理決議とは別に、隣国と米国は北朝鮮との船舶取引を原則的に禁止している。

２０１９年に対北朝鮮制裁違反の疑いで米政府に抑留・没収され、米国で売却処理された北朝鮮船舶「ワイズ・オネスト号」もかつて隣国船籍だったことが明らかになっている。「ワイズ・オネスト号」、長さ１７７メートル、１万７０００トン級の大型バルク船（バラ積船＝石炭運搬船）。
以上、報道参照

隣国の人たちは、中国へ売却したら、それ以上知らんと言いたいようだ。トレサビリティなどまったくないのだろう。
そうした問題がないように日本から問題提起され、隣国では陣容も拡大して追跡調査する方式を採用したはがだが、いつものポーズだけだったようだ。
それとも計画的に中国経由で北朝鮮に格安で売却したのだろうか。ブルームバーグから北の報道官といわれた人がトップのお国、いろいろ言われても仕方あるまい。
準国営企業の隣国電力の傘下発電所が北朝鮮の石炭を購入していたことなど、通常考えられないことが、隣国では行われている。初めて入札に参加したブローカーの石炭、産地証明にロシア産と偽装されていたが、購入側は、発行機関に確認もせず、購入していたというめでたい話。それも格安で良質の石炭、ロシア産ならばありえない価格で入札していたという。意識して疑わなかったのかもしれない。何でもあり。めでたいこっちゃ。