アイコン 中国 4月は小売も工業生産もマイナスに 上海ロックダウンがすべて


中国国家統計局が発表した4月の小売売上高と鉱工業生産は、いずれも前年を下回り、経済悪化が一段と鮮明になった。

小売売上高
1~4月までの消費財の総小売売上高は前年同期比▲0.2%減の13兆8,142億元だった。その中で、自動車以外の消費財の小売売上高は0.8%増の1兆2480億元だった。
4月の消費財小売売上高は前年同月比▲11.1%減の22兆9,483億元だった。その中で自動車以外の消費財の小売売上高は▲8.4%減の2兆6,916億元だった。

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鉱工業生産
1~4月にかけて、指定規模を超える工業企業の付加価値は実質で前年比4.0%増加した。4月は指定規模を超える工業企業の付加価値が前年比▲2.9%減少した。
月々の観点から、4月の指定規模を超える工業企業の付加価値は前月比で▲7.08%減少した。
業種別では、4月の主要41業種のうち18業種の付加価値が前年同月を上回った。その中で、石炭は13.2%増加、石油および天然ガスは7.2%増加している。

両指標がともに前年同月割れとなるのはコロナ流行初期の2020年3月以来2年1ヶ月ぶり。
自動車生産台数が落ち込み、日用品や宝飾品の販売が減少するなど、影響が経済全体に及んだ。

上海のロックダウンは、内陸部の工業地帯への輸入原料や資材を荷揚げ、海外へ部品や製品を輸出する一大港湾があり、その荷揚げ・陸送、積み込みが大遅滞、1週間以上遅れ、国内企業の生産に大幅な遅れが生じている。

中国では3月に入り新コロナが急拡大し、吉林省のロックダウンに始まり、上海市など主要都市で相次いでロックダウン(都市封鎖)が導入された。
4月下旬以降は首都の北京市でも外出規制が強まっており、5月以降に景気がさらに悪化するとの見方も出ている。

習国家主席が「ゼロコロナ策」を唱えており、当局が政策転換に動く可能性は極めて低く、当面、感染抑制に向けて人流抑制策をさらに強化するとともに、インフラ整備といった経済政策などをフル活用し、さらなる景気の悪化を食い止める「二正面作戦」を展開していくものとみられる。
これまで、こうした不況の景気刺激策には、必ず経済波及効果の高いマンション開発のタガを緩めてきたが、今回は共同富裕論から民間デベロッパーを今日も締め付けており、インフラ整備だけの政策となり、回復には時間がかかるものと見られる。

不動産市場の締め付けはこれまでに民間の不動産デベロッパーの多くを倒産に追い込み、バブルの鎮静化を図らせたものの、地方都市の経済は不動産市場に依存する割合が高いため、市場低迷は中国全体の経済成長の足かせとなる恐れが出てきている。
このため中国政府は「住宅購入者の合理的ニーズを満たす」と繰り返し強調し、各都市の住宅購入促進策を後押ししている。
一方で不動産への投機熱が再び高まりバブルが再燃することも警戒しており、難しい舵取りを迫られている。
以上、

中国景気が回復すれば、資源・エネルギー・穀物など食料の国際相場がさらに高騰することから、眠れる獅子であり続けてほしいものだ。

追、上海の新コロナロックダウン解除
中国・上海市は17日、市内16地区すべてで、新型コロナウイルスの感染を完全に抑え込む「ゼロコロナ」を達成したと宣言した。
だが、市民数百万人にはいまだ外出制限が課されており、ソーシャルメディアでは宣言をあざける声が上がっている。
市当局は企業活動規制を徐々に解除していく方針だが、具体的には示されていないという。
『ゼロコロナ策』は感染者が出た場合、家族など濃厚接触者全員を隔離施設に隔離し、感染拡大を阻止する政策、隔離施設内で感染が広がっても許容し、市中では感染が広がらず、ゼロにするというもの。
当日も1000人の感染者が発生しているが、外出禁止令も継続されている地域がある中、どこで発生したのかは不明で、市中なのか、隔離施設内なのか発表されていない。

↓小売総売上高
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↓鉱工業生産指数

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[ 2022年5月18日 ]

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