アイコン 続、黒田騒動 134円の壁も突破 原油は122ドル台まで再暴騰


NY外為市場では、円が安値圏でもみ合っている。燃料価格高騰が日本経済のさらなる足かせになるとの警戒感も強まっているという。

燃料の今後、
EUが露産原油の輸入停止(9割)によりほかの産油国からの購入に実際動く。
ロックダウン解除の中国の需要も増加する。
夏の冷房用電力の需要も増加する季節である。
8日の米市場のWTI価格は122.59ドルまで暴騰している。6月1日は115.26ドルだった。
10年物の米国債の利回りは3.032%、日本国債は0.243%、金利差が拡大している。日本の生保等の機関投資家の心理としては米国債を買い漁りたい心境ではないだろうか。買えば円安に拍車がかかる。日本の国債の利回りは日銀が介入することから一定以上には上昇しない。
ユーロの基準金利は0%(米1.0%、日本はマイナス▲0.1%)、ユーロのドイツ国債の利回りは1.361%まで上昇している。介入していないことの表れだろう。EU当局は基準金利を上げる動きにある。
中央銀行が国債の発行残の半分以上を保有している国など日本以外どこにもない。日銀の保有日本国債は5月31日現在538兆円、おまけに上場株式を36兆円分保有し、日本最大の大株主でもある。国債の利率の調整はいくらでも可能な保有額となっている。

 

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そんなこんなで、
対ドル円は、朝方134円47銭まで上昇し、2002年来2年ぶりの円安を更新後も安値圏で推移している。9日15時20分現在133.84円前後。
対ユーロ円も、欧州中銀(ECB)の早期利上げ観測を受けたユーロ買いで一時144円25銭まで上昇し、2015年3月以来の高値を更新後、円売り一服も143円63銭で推移した。ユーロは9日15時20分現在143.369円前後で動いている。
対英ポンド円は168円53銭まで上昇し、2016年以来の高値更新している。ポンドは15時20分現在167.47ドル前後となっている。基準金利は今年に入り、0.1%から1.0%まで引き上げ対ドルに対応している。
現在の状況では、米金利上昇に対応できない、対応しない日銀の政策では、米国のインフレが沈静化しない限り、円安はさらに加速することになる。
以上、

円安では、燃料価格の高騰相場が輸入価格ではさらに高騰することになる。昨年6月比で円安だけで20%円安=輸入価格高となっている。原油は昨年6月のWTIは69ドル、現在122ドル、相場だけでも76%上昇している。

黒田騒動の2つのポイントがあった。
「家計の値上げ許容度も高まってきている」
デフレからの完全脱却を図るため大規模緩和を継続

1については、批判が相次ぎ発言を撤回したものの、発言した内容を修正または間違いであったとは述べていない。発言の調査報告書は東大の教授らが毎年調査しているもので、価格が上がったらこれまでと同じ店で購入するかの質問で、昨年より同じ店で購入する人の割合が過半を超え多かったことによるもの。ところが、同じ店で購入すると回答した人たちの6割以上が、これまでより購入量を減らす、購入頻度を減らすと回答していた。

2については、為替相場を動かしている投機ファンドの円安売りに拍車をかけ、131円の壁を突き破り、3日間で134円の壁も崩した。
本来、日銀や財務の責任者らは、円安で疲弊している為替に油を注ぐような発言は慎むべきであり、逆にあったとしてもこれ以上円安にならないように「口先介入」すべきこと。
目立ちかり屋で3500万円以上の年収を誇る日銀総裁に庶民の声は聞こえるはずもない。すでにその耳も老害から聞き取りにくくなっている。老人の鈴木財務大臣、日銀総裁の「円安は経済にとって良いことだ」というお上の御言葉がこの國のすべてを物語っている。

原油はIEAが国家備蓄を放出させたことにより、一時の原油価格暴騰から、少しは落ち着いていたが、EUの露産原油の禁輸措置(9割)が年内までに行われ、EU各国は露から輸入の260万バレルを露以外の産油国から購入しなければならず、世界の原油生産量は露制裁前から、新コロナからの経済回復により需要が高まり逼迫状態が続いている。

そうした中でEUがロシアから購入している分の9割260万バレルのインパクトは、イランとの核の再合意でも早期にしなければ、満たされるものではない。これまでの状況からして早期に核合意に至る可能性もほとんどない。

また、国家備蓄原油の放出後は、購入して穴埋めすることになる。
中国もロックダウン解除の6月から徐々に経済が動き出し、燃料需要は大幅に増加することになる。外出禁止令であり、それが解除とねなれば大量の車両がいっせいに動き出す。

天然ガスは原油のような国家備蓄がないため、相場の動きが一方通行になりやすく、9日午前0時04分には9.600を一時超えるまで上昇したが、同日15時11分現在8.280まで下げている。仮想通貨並みの上げ下げとなっている。これも原油と同じくEUが具体的な禁輸合意に達すれば跳ね上がる。また、露のウクライナ戦争が長期化すれば目先の需要期の夏(電力用)と冬(暖房+電力)には上昇することになる。
口先介入できないような人は・・・、逆に円安を煽る人は・・・。

↓商品先物相場と円安
19年12月は109.099円、21年6月は110.136円、6月1日130.110円


スクロール→

国際先物相場比較 1年前と新コロナ前

61日の相場と1年前(21/5/31)と新コロナ前(19/12)の比較

基点:100

 

国際相場(ドル等)

円換算

前年比

19/12

前年比

19/12

対ドル円

119.50%

119.10%

 

 発電用火力資源

原油WTI

174.5%

184.0%

207.7%

218.9%

天然ガス

280.9%

400.9%

334.3%

477.1%

石炭

351.6%

638.2%

418.4%

759.4%

 

 

 

 

 

ナフサ

158.7%

162.1%

188.8%

192.9%

鉄鉱石

68.6%

151.2%

81.6%

179.9%

スチール

92.2%

118.3%

109.7%

140.8%

木材

46.7%

150.8%

55.5%

179.5%

食料関係

小麦

156.9%

185.9%

186.8%

221.3%

大豆

110.5%

184.9%

131.4%

220.0%

トウモロコシ

111.0%

190.9%

132.1%

227.2%

コーヒー

185.7%

181.5%

221.0%

216.0%

ヤシ油

162.1%

208.1%

192.8%

247.6%

キュノーラ油

130.0%

247.0%

154.6%

294.0%

菜種油

155.4%

195.6%

184.9%

232.8%

牛肉

102.4%

141.4%

121.9%

168.3%

家禽(鶏肉)

109.1%

143.6%

129.8%

170.8%

豚赤肉

93.6%

155.0%

111.4%

184.5%

129.7%

131.3%

154.3%

156.3%

尿素

194.8%

274.0%

231.8%

326.1%

産業資源

アルミ

116.9%

153.4%

139.1%

182.5%

102.4%

153.8%

121.9%

183.0%

亜鉛

134.9%

170.0%

160.5%

202.3%

マンガン

110.7%

106.3%

131.8%

126.6%

ニッケル

173.7%

203.2%

206.7%

241.8%

リチウム

520.6%

937.0%

619.5%

1115.0%

コバルト

148.7%

226.0%

177.0%

268.9%

パラジウム

71.4%

103.3%

84.9%

123.0%

マグネシウム

180.9%

195.1%

215.2%

232.1%

ネオジウム

161.5%

327.8%

192.2%

390.1%

海運指数バルチック

123.8%

235.4%

147.4%

280.1%

半導体指数

98.2%

169.1%

116.9%

201.2%

 

[ 2022年6月 9日 ]

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