アイコン 総額7500億円のリコール費用 早期リコールをしなかった現代自動車G シータ2GDiエンジン


米国で2008~2012年まで問題となった実質、捏造されたトヨタ・プリウスの異常急発進問題(市販マットなどがズレてブレーキ下に移動、ブレーキが効かなくなった例はあるが、ほかはほとんど米マスコミのトヨタたたきの高速道音声ヤラセ報道などだった)、(豊田社長は2010年2月米議会公聴会に召還され・技術的に問題ないと一貫して発言)、
トヨタは公聴会後、米運輸安全局(NHTSA)や安全調査委員会などと合同して問題車両等の調査を行い、米当局も問題がないことを確認した。
しかし、米マスコミのトヨタたたきは続き、トヨタ車は売れず、変わりに韓国車の販売が激増、現代自はその間に開発した馬力のある新エンジン(シータ2GDi)を搭載して快進撃を遂げた。

シータ2GDiエンジン
しかし、2015年になるとその新開発エンジンが異常停止や火災問題に直面、ただ、現代自は2015年と2017年に限定された車種だけしかリコールせず、搭載エンジン車の販売も続けた。
ところが、2019年夏になると当エンジン搭載車が再び火を噴き始めた(100台以上火吹く)。

現代G は、こうした火災問題を受けての訴訟でも、原告も火災を自動車の性能問題だと証明できず、現代側の「原因はユーザー側の車両の使用方法や車両管理にある」との主張により勝利するなど現代側に有利に動いた。当然リコールもしなかった。

しかし、米運輸安全局(NHTSA)は大量火災発生の原因を突き止めた。現代側に強制リコールさせ、制裁も課した。
当エンジン問題のリコールにおける損害額は、2015年、2017年、2020年の米国でのリコールおよびそのほかの韓国含む外国でのリコール分の費用もかかっている。

 

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2017年には現代自動車の内部告発を受けた韓国運輸当局は、問題車両を調査した結果、24万台あまりのリコールを現代自に要請した。しかし、現代自はこれを拒否、当局は怒り狂い強制リコールさせ、検察に告発していた(告発には当エンジン搭載車問題も入っていた)。
内部告発は同時に米当局に対しても行っていた。これを受け、火災も相次いでおり米当局でも本格的に調査に乗り出していた。

当エンジン問題では、現代Gは2019年には米国で多くの裁判を抱えたため、リコールでのエンジン積み替えのほか、中古車査定劣化保証、故障した場合の修理保証など、当エンジンを搭載し米国で販売した全車の469万台(米で販売されたシータ2GDiエンジン搭載全車)の「永久保証プログラム」(2019年4月裁判一括和解)により目先の問題を解決させた。

米当局は2020年11月、現代自は安全検査能力に欠けていると認定、制裁金とは別に安全検査の測定装置(一式100億円相当)を米国と韓国に設置するように命じた。


スクロール→

米国における韓国勢の自動車販売台数

現代+起亜の現代グループ計

 

/千台

前年比

2007

772

 

2008

674

-12.7

2009

735

9.1

2010

894

21.6

2011

1057

18.2

2012

1,260

19.2

2013

1,255

-0.4

2014

1,305

4.0

2015

1,387

6.2

2016

1,422

2.5

2017

1,275

-10.4

2018

1,267

-0.6

2019

1,325

4.6

2020

1,224

-7.6

2021

1,489

21.6

22年も好調を維持している。

シータ2GDiエンジン問題、7500億円以上の損害(1ウォン0.1円で計算)
現代自動車と起亜自動車の現代自動車グループは10月18日、「シータ( Theta )2GDiエンジン」関連で、2020年に約3400億円(約3兆4千億ウォン)あまりの引当金を積んでいたが、2022年第3四半期(7~9月)にも追加して、約2900億円を引き当てると発表した。
「シータ( Theta )2GDiエンジン」問題では2015年から米国でリコールを開始していた。

これまでの引当金計上は(現代G)
2018年に460億円、
2019年に920億円、
2020年に3,400億円。
2022年第3四半期、2,900億円

現代グループ車は世界販売されており、米国のほか、特に欧州販売も多く、シータ2GDi問題ではリコール・和解等による品質コスト費用は今回も入れ6,500億円以上の巨額に及んでいる。

今回の引当金の内訳は現代が約1,360億円、起亜が1,544億円となっている。

2015年に発覚した当エンジンのエンジンストップ問題・火災問題に関し、積極的な対応をせず、問題が生じた対象車両のみリコール、その後、ほかの車種でも発生して2017年に再リコール、2019年夏には多くの車種の100台あまりが火災を生じ、エンジンの製造工程上の問題だと米当局が結論付け、搭載車両が全部その対象になった。

また、和解後にエンジンの取替えの申し出が多く発生し、現代自動車は費用が大幅に増加したとしている。

最近のリコール
年初の現代車のバッテリー火災問題でのEVリコール8.7万台分も、総費用1000億円、うち3割は現代負担となっていた(LGが7割負担)。

今年2月には、米国ではABSモジュール(ブレーキ安定化装置)の不良から火災が発生、約50万台リコール、改修していない現代・起亜製のサンタフェなどのSUVは屋外に駐車するよう米当局から所有者に注意喚起がなされている。

カナダでは、年初の今冬、現代車のスピードメーター等のデジタル表示板が、極寒になると上下が反転する現象が生じ、リコール(何キロのスピードで走っているのかわからない状態)されていた。

現代車は2013年ころからデザイン最優先策に乗り出し、BMWやaudi、ランボルギーニなどのチーフデザイナーらをひっこ抜き、欧米車に遜色のないデザインとなり、内装や見かけのデザインで購入する人たちも世の中には多く、販売台数を大きく伸ばしてきた。

しかし、品質問題では、米当局が2020年の制裁内容に入れるまで安全検査測定装置も持たず、韓国当局からリコール要請を受けても断るほど治外法権的な経営を続けていた。
結果、当局から検察に告発されたり、莫大な品質費用を支払う羽目に陥っている。

収益構造
現代自動車の利益の源泉は、系列化された下請企業への安値発注にあり、下請企業の平均給与は現代労組の6割水準とされている。それも利益が少ないときには、さらに下請企業に協力させている。
二次下請けではほとんど利益が出ず、現代自が好調でも苦しい経営が続いている。ゾンビ企業(営業利益で借入の金利を支払えない企業))が多いとも指摘されている。
現在の諸材料の値上がりや運送コスト増、借入コストの上昇では、2次下請け以下はさらに苦しい経営状態になっているものと見られる。

現代車は内装なども充実し、それなりにコストはかかっているものの、販売価格は同程度の車両では他社より安く設定、コストパフォーマンスの車両として人気が高い。
しかし、貴族労組と呼ばれる現代労組の高賃金、さらに安価に販売するインセンティブ販売やホールセールを多用しても営業利益が多いのは、そうした2次以下の下請協力企業に対する安値発注によるものと見られる。

経営戦略も、半導体不足では、高額車の生産に集中、それも輸出車に用いており、韓国内向けは生産量を落とし、米国より長期の納品待ちとなっているという。
韓国における最低賃金の急上昇は、生産コスト増、物流経費増を招いており、何れ、納品価格において調整されることになろうか。

 

[ 2022年10月19日 ]

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