アイコン 韓国債権市場の流動性枯渇  ロッテ 大丈夫か


1997年のアジア通貨危機では、韓国特有の事業拡大路線が災いしていくつもの財閥グループが解体され売却されてきた。
当時のような状況ではないが、韓国の債券市場で一定のシェアを占めていた外資が米金利高で市場から撤退、債権市場は流動性がなくなり、資金枯渇状態に見舞われている。

端を発したのは9月、江原道が債務保証した江原道レゴランドの開発資金調達のため発行した債券、江原道が保証しないと表明、借り替え債の引き受け手がなく、発行していた私募債も不渡り、投資家もリスク回避に動き、市場の流動性が大きく毀損した。
中央銀行は流動性確保に3兆ウォンを投入、さらに5兆ウォンを緊急注入、企業の資金調達のための債券市場の流動性確保に動いている。

さらに政府は国債発行を繰り延べ、予定されていた電力などの公社債発行も中止させ、金融機関からの借入に切り替えさせるなど、金融当局上げて債権市場の流動性に腐心している。

江原道レゴランド問題以来、 財閥系企業であっても債権市場から資金調達が困難になっており、金利も7%以上に引き上がっている。それでも消化されない私募債も生じ、予定していた発行を中止する企業も出ている。

ロッテタワーを建設するなど韓国第5位の「ロッテ建設」は、資金調達のため私募債を発行したが、市場消化されず資金調達に失敗、資金難に陥り、財閥中核の「ロッテ持株」の主導により資金手当てがなされた。

 

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<<ロッテ建設>>
<有償増資による調達>2,000億ウォン(約200億円)
引き受け「ロッテケミカル」が879億ウォン、
引き受け「ロッテホテル」が861億ウォン、
引き受け「ロッテアルミニウム」が199億ウォン
<借り入れによる調達>1兆2,500億ウォン
「ロッテケミカル」からの借入により5,000億ウォン
「ロッテ精密化学」からの借入により3,000億ウォン
「ロッテホームショッピング」からの借入により1,000億ウォン
「ハナ銀行」からの借入により2,000億ウォン
「韓国スタンダードチャード銀行」(英銀行系)からの借入により1,500億ウォン
以上合計、1兆4,500億ウォンを調達した。

金融機関からの借り入れについては、「ロッテ建設」がデフォルトを起こした場合、ロッテのグループ企業が連帯保証する約定も取り交わされているという。
ただ、ロッテ建設の必要資金に対する財務内容は明らかになっていない。ベトナムで9億ドルの不動産開発事業を推進している(担当部門社不明/ロッテ建設かもしれない)。

<<ロッテケミカル>>
ロッテグループ基幹の「ロッテケミカル」も資金需要旺盛
1、米事業、31ドル投資エチレンプラントが2019年5月運転開始
2、インドネシア、石油化学コンビナートへ33億ドル投資、
3、銅箔会社「イルジン・マテリアルズ」を2.7兆ウォンで買収
4、ハンガリー等正極材生産拡大を現地で表明
ロッテ全体
5、ベトナム超高層ビル開発事業、投資額約9億ドル
6、中国事業、完全撤退完了へ 成都ロッテ百貨店撤退決定   

2019年5月、米ルイジアナ州に31億ドルを投じ石油化学プラント(エチレン)を落成させたロッテケミカル、辛東彬会長と幼少期から家族付き合いだったABCのお膳立てと推定されたトランプ大統領によるホワイトハウスへの招待もあった。

また、ロッテケミカルはインドネシア・レゴン地区での石油化学団地造成事業「ラインプロジェクト」を進行中、総事業費は39億ドル規模。

辛会長は今年6月、ハンガリーとアイルランドなどを訪問し、欧州の電気自動車市場向けに正極箔生産規模を大幅に増やすと表明している。

ロッテ辛東彬会長は今年8月、ベトナム・ハノイ市近郊での地上60階建の「トゥーティエム・エコスマートシティプロジェクト」を発表、総投資額9億ドルという。9月2日にロッテ建設による着工式も行われている。ロッテ建設はこうした先行資金も必要になっていた。

さらに、ロッテケミカルは、世界第4位の銅箔メーカー「イルジン・マテリアルズ」を2兆7千億ウォンでの買収を決定している。EV車両用電池の素材事業に展開しようとしているロッテケミカルにとって期待以上のものがあるが、資金調達面では、増資により1兆1千億ウォンを調達、残る1兆6千億ウォンは外部借入により調達する予定だとしている(11/18日発表)。資金需要旺盛で内部留保金の取り崩す財源もないようだ。

市場調査のSNEリサーチは、銅箔の世界市場規模は2021年が約26万トン(5兆ウォン)⇒2025年には75万ドン(14兆ウォン)規模に飛躍的に増加すると予測している。当然、EVが2021年並みに急増し続けることを前提としているようだ。

 ロッテの辛現会長で気になるのは、THAAD制裁前、ロッテ百貨店中国事業で膨大な赤字を出していたにもかかわらず、当時の辛格浩会長に報告していなかったとし、総帥の辛格浩氏が激怒した話が伝わっていた。そうした問題を問題とせずイケイケドンドン過ぎれば、何かがあった場合、抵抗力もなく、経営問題が浮上してくる可能性がある。

 今回の資金調達難・格付機関による格下げは、新コロナ異常事態という世界環境下にあるものの何かの警鐘かも知れない。

先日は韓国ロッテではこんなことも、
韓国のコンビニでクレヨンしんちゃんのシール入り菓子を箱ごと購入した消費者、お目当てのシールがまったく入っておらず、消費者がロッテ菓子(韓国)に連絡、ロッテは当該の消費者にご仏前用の封筒に、当該のシールを入れ送付、消費者が「殺す気か」とさらに激怒。
ロッテ側は、単に確認せず、間違ってご仏前用の白地の封筒に入れ送ってしまったと罪、ロッテ側はさらに消費者宅を訪問して謝罪したという。
シール入り菓子は人気で販売終了、コンビニが勝手にほかのロッテ品を箱に詰め販売していたことからこうした問題が生じたという。
ロッテのクレーム処理係の部署には、葬式用の封筒しかないようだ。

<THAAD制裁、ロッテ百貨店最終処分へ>
ロッテは中国のTHAAD制裁(基地設置場所がロッテの元ゴルフ場/朴政権により強制的に等価交換で手放なされていた)により、2016年秋からロッテは習近平政権から晒し首にされ、ロッテが中国で行っていた巨大複合開発案件2件が頓挫、ロッテショッピングの百貨店事業およびスーパーマーケット事業(100店舗以上)などすべての中国事業が制裁に合い、事業ができなくなり、二束三文で叩き売り数千億円の撤退損などが生じたものと見られている(売れず最後まで残っていたロッテ成都百貨店も最近撤退を決議している)。
韓国では日本で成功した在日企業に対しては嫉妬心が強く、本国では差別意識が極めて強い民族内での葛藤の現実がある。
以上、


 

[ 2022年11月30日 ]

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