アイコン EVの不信感 衝突火災 逃げ出す暇ない5秒炎上


米国では1月からEVに対して政府補助金が支給されるが、これまで販売されているEVはリコールの多さに消費者はHVにシフトしているという。
韓国では、走行中のEVが構造物に衝突し、あっという間に炎に包まれて人命被害が発生する事故が相次いでいることから、EVの安全性に対する懸念が高まっているという。
 
慶尚北道の栄州警察署の7日の発表によると、5日午後9時30分ごろ、栄州市下望洞付近を走行していたタクシー(車種はアイオニック5)が、スピードを保ったまま建物の角に衝突した。衝突からわずか5秒後には炎が上がって車両全体に広がり、70代の運転手は近くの病院に運ばれたが死亡した。
(車両株に電池は設置されており、バッテリー火災では全体へ燃え広がる時間が一瞬)

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<EVは2時間炎上する>
 EVのバッテリーから火災が発生すると、少なくとも2時間以上続く。水では鎮火できないため、バッテリーが燃え尽きるまで待つしかない。
バッテリーパックが損傷すれば、内部の温度はあっという間に800度まで上昇して火がつく「熱暴走」が発生する。この日の事故でも、車両火災は1時間50分間続いた。

 韓国の自動車メーカーは、これまでEVの火災発生率は内燃機関車のそれに比べて低いと主張してきた。(韓国の車両火災はエンジン車でも日本よりはるかに多い)

しかし、EVは火災発生による被害が致命的なものになる。
EVのドライバーが車両火災を恐れる理由はここにある。
今年6月に釜山で発生したアイオニック5の火災が代表的な例。
アイオニック5が高速道路の料金所の衝撃緩衝施設に衝突した直後に炎に包まれ、ドライバーを含む2人が死亡した。
 専門家は、EVのドライバーはブレーキ故障やスリップなどの事故発生時の対応では、その要領を熟知しておくべきだと助言する。

<障害物の角に衝突、火災高リスク>
釜山と栄州のEV火災では、ある共通点が発見されている。
両車両とも左右の幅が狭い垂直の障害物の角に衝突していた。
釜山の事故では、料金所の衝撃緩衝施設、栄州の事故は建物の角だった。
垂直構造物の角と衝突すると一ヶ所にエネルギーが集中してバッテリーに加わる衝撃が大きくなり、火災につながる可能性が高い。

漢拏大学のチェ・ヨンソク教授(未来モビリティ工学)は「急発進などの事故が起きた際には電柱のような構造物は避けなければならず、平らな壁や駐車してある車両にぶつけるのが最も安全」だと語っている。

<EVでなくなったドアノブ>
現場の複数の目撃者が車のドアノブに言及したことで、一部のEVに導入されている埋め込み式ハンドル(ヒドゥン・ドア/隠しノブ)も問題になっている。

ある目撃者は、メディアの取材に対し「EVは横にドアノブがないし、ガラスを割ろうとしても割れにくい」と語っている。
事故のEV車両のドアノブは、前の部分を押すと後ろの部分がテコのようにとび出すようになっている。
EVメーカーが善戦しているのは、このような先進のデザインのおかげでもある。
最近の車両は空気力学とデザインを考慮してヒドゥン・ドアを採用しているが、目撃者がこのようなドアノブに初めて接する可能性は今も高い。
 このようなドアノブに慣れていない人は、火災以外の緊急時においても、車のドアを開けるなどの救助へのかかわりが難しい可能性がある。

<緊急ドアノブ機能しないことも>
大林大学のキム・ピルス教授(自動車工学)は「空気抵抗、デザインを考えて埋め込み式ノブが多く採用されているが、冬には凍ってとび出してこないなど、問題が多い」とし、「事故車は衝突するとドアノブが飛び出るようになっているが、この部分が作動しなかったようだ」と述べた。

 これを受け、EVの特性を反映した専用の安全基準を設けるべきだという声が高まっている。
とりわけ、デザイン採用の際には安全性を考慮すべきだと指摘されている。
韓国では、EVは内燃機関車と同様に時速56~64キロで正面、部分正面、側面衝突試験を行う。
政府の関係者は「(電気自動車用の衝突基準は)国際的に議論しなければならず、韓国政府だけでできるものではないため、共に検討している段階だ」と述べている。
(韓国独自の安全基準と欧米基準を満たせばよく、当該の政府関係者は企業寄りの人なのだろう。)
 また、ヒドゥン・ドアが機能しなければ、即対応しなければならない外部からの救助活動は間に合わない。運転手にしても衝突ショック・シートベルとはずし・脱出、時間の猶予は衝突してから5秒しかない。
いずれ大問題になるか、リコールされるものと見られる。ただ、韓国勢はなかなかリコールしないことでも有名。

なお、「アイオニック5」は12月8日、日本のカーオブイヤーのインポート部門のベストカーに選出されている。
審査員たちは大枚のロビー活動費をもらったのだろうか。
車両はデザインや機能より安全が最優先審査事項ではないだろうか。順番を間違えている。
日本の審査員たちは6月の事故暦を調べたのだろうか。

米国ではEVをバイデン政権がいくら奨励したとしても、問題が生じれば、弁護士事務所がユーザーにけしかけ集団訴訟に発展する。問題提起されれば米NHTSAも調査することになる。
シータ2エンジン火災の大量リコールは、現代自は問題を見つけることができず、NHTSAの調査により明らかにされた。同じ問題で3回目のリコールだった。

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[ 2022年12月 9日 ]

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