アイコン 西鉄 西新パレス売却 今川橋の福岡記念病院が取得・増設へ


西鉄は今年3月閉館した「西新パレス」一帯の不動産を社会医療法人大成会「福岡記念病院」に売却する。売却額は非公開、売却日は4月1日を予定している。
所在地は、福岡市早良区西新2-10-1、敷地面積は約2,215坪。
西新パレスは敷地を西鉄子会社の西鉄不動産(株)が、建物を西鉄が所有。隣接の住まいのギャラリー西新店は不動産を西鉄が所有している。西鉄は約65億円(連結)の譲渡益を予定している。

西新パレス一帯の敷地は、道路側は容積率400%の商業地域だが商業区域の奥行きは狭く、敷地奥(北側)は容積率200%、建蔽率60%の第一種住宅区域に指定されている。このままだと西鉄がマンション開発するにも全体の容積率が小さく、自社開発を断念したようだ。これまで西鉄が開発や売却をしなかったのもこうした問題が作用したものと見られる。高島福岡市長の経済特区の神通力も西新地区にはおよばないようだ。

 

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指定地域
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一方、幹線道路の南側、樋井川河口の今川橋そばにある福岡記念病院は今回の買収予定地とは目と鼻の先、これまで増築を繰り返し、老朽化建物の耐震化工事で凌いできている。現在の病院棟の一つでも建て替えることも困難な敷地事情にあり、更なる大病院に変貌させるにも限界がある。現在、本館(7階建)・南館棟(5階建)・リハビリ棟(8階建)、リニアック棟(5階建)で構成されている。浜の町病院のように全面移転を考えなかったようだ。

ただ、今回の買収予定地でも現在の病院のような高さの病院は、幹線道路北側に位置するものの、過半が第一種住宅地に指定されており、北側になる住宅の日照権問題にも関係して無理、低層の病院棟しか建設できず、同病院は低層階の病院棟を建て、既存の病院の老朽化した棟を改築のため一時移転させ、改築後に移転させた科を再度戻し、空いた低層階棟を診療棟もしくは入院棟などに変更し、最終的には全体で現在の239床を450床以上に増床させるものと見られる(ただし増床には保守的な医師会の認可が必要)

なお、病院が使用する敷地の建設条件は緩和されるが、同一敷地内の建て替えが前提であり、新たな敷地取得での緩和は政治的に動かない限り無理。今川橋に長年在する福岡記念病院、地域住民の反対を押しのけてまで、西新パレス跡地に高層病棟を建てることはないと見られる。現在、記念病院がある幹線道路(明治通り)の南側は、奥行きのある商業地域に指定されている。

<福岡記念病院>
総合病院:239床
同一敷地内に4病棟構成:215床/ICU・CCU:6床/HCU:12床・6床)
地域医療支援病院


1659年:大塚外科医院開設
1964年:医療法人大成会設立
1965年:福岡記念病院に名称変更
病床数156床に、
1976年:④第2期増築着工=: 現、リニアック棟
鉄筋コンクリート造地下1階地上5階建、
総延床面積6,734㎡、

病床数220床に
1993年:①本館完成
鉄筋コンクリート造7階建、
総延床面積6,454㎡

②南館改築
総延床面積10,921㎡、
立体駐車場40台

2008年:③管理棟(兼リハビリ棟)
鉄筋コンクリート造8階建、
延床面積2,693㎡建設
社会医療法人認定

2009年:厚生労働大臣指定「臨床修練指定病院」認定
ICU・CCU(南館へ6床)を開設
レディースフロア(南館5階、15床)開設
百道寮(看護師寮 24室)完成
救急車待機場所施工
2012年:南館耐震補強工事
2014年:病床数239床に増床
2019年:南棟4階病棟を改修し「循環器センター」開設
令和2年:上野高史院長就任

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[ 2022年12月 6日 ]

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