アイコン サムスン電子・LG電子ともに第4四半期決算 営業利益激減


<LG電子第4四半期>
韓国のLG電子が6日発表した2022年10~12月期の連結決算(速報値)によると、売上高は前年同期比5.2%増の21兆8597億ウォン(2.3兆円/0.1056円)で、四半期として過去最高を記録したものの、本業の儲けを示す営業利益は同比▲91.2%減の655億ウォン(約69億円)だった。
10~12月期の業績は、金融経済情報メディアの聯合インフォマックスが集計した営業利益の市場予想3193億ウォンを79.5%下回り、前期比(7~9月)でも▲91.2%急減した。

 LG電子の四半期ベースの営業利益が1000億ウォンを割り込んだのは、2018年10~12月期(757億ウォン)以来4年ぶり。
原因は、新コロナ特需が消えた上に世界的な景気低迷で製品需要が全般的に委縮したためと見られている。
<2022年通期決算>
LG電子の2022年通期の売上高は83兆4695億ウォンで、21年に記録した過去最高額の73兆9000億ウォンを更新した。年間売上高が80兆ウォンを上回ったのは初。2022年通期の営業利益は3兆5472億ウォンで、前年比▲12.6%減少した。
以上、LG

 

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<サムスン電子第4四半期>
サムスン電子の2022年10~12月期の連結決算は、売上高は前年同期比▲8.6%減の70兆ウォン。本業の儲けを示す営業利益は同比▲69.0%減の4兆3000億ウォン(約4500億円)で、8年ぶりに5兆ウォンを下回った。前期比でも▲60.4%減少した。
 同期の業績不振は、新コロナ特需が消えた上にインフレと高金利で家計の実質所得も減り、完成品、半導体ともに需要が減少したことが影響したとみられる。
<2022年通期決算>
 一方、2022年通期の売上高は前年比7.9%増の301兆7700億ウォンと、過去最高を記録した。年間の売上高が300兆ウォンを超えるのは初めて。上半期の半導体市場の好調が追い風になった。上半期は晴れ、下半期は雨という営業環境により、通期の営業利益は前年比▲16.0%減の43兆3700億ウォンにとどまった。
以上、サムスン電子

高インフル・インフレ退治の高金利による景気悪化で、世界の半導体・家電市場が急激に悪化していることが窺い知れる。
それに加え、欧州はエネルギー問題を抱え、家電製品(大型TV、冷蔵庫、洗濯機等)の消費電力規制をはかる予定、同社の利益を牽引している大型化、高機能化製品は、価格の上昇とともに消費電力は大きくなり続けており、こうした政策が執行されれば、同社やサムスン製の家電製品に与える影響は大きい。

すでに普及型は中国勢がシェアを拡大させており、韓国勢は付加価値製品の開発により、中国勢とは一線を画していた。
第3四半期末でも製品在庫が膨れ上がっており、第4四半期もさらに在庫が増加しているものと見られ、在庫処分で卸し価格を下げれば、今後も同社の利益を損なうことになる。

世界的な金利上昇により、購入ローン金利も上昇している点も今後の高額商品の展開にマイナスとなり、金利上昇による景気後退も影響する。

<在庫>
LG電子は2021年末9兆7,540億ウォンだった在庫資産が、昨年9月末(第3四半期)に1兆4,531億ウォン、率にして15%増え、11兆2,071億ウォンになっていた。
サムスン電子の在庫資産は、2021年末の47兆5,658億ウォンから9兆7,540億ウォン、率にして20%増え、22年9月末は57兆3,198億ウォン(約5兆8,897億円)だった。

韓国最大の石油精製会社のSKイノベーションは、2021年末に7兆8,491億ウォンだった在庫が22年9月末には74%増加して13兆6,471億ウォンだった。(バッテリーのSKオンはSKイノから分離独立した会社で、SKイノが最大株主)

現在、メモリ半導体勢は死闘を繰り広げている。
SKハイニックスや米マイクロンは生産調整して在庫減らしに懸命となっている一方、最強のサムスンは減産せず在庫を安価に販売しながらSKやマイクロンの顧客を奪う戦略を講じている。
しかし、サムスン自身、スマホ(高価格帯になるほど半導体の使用量は増加する)が売れておらず、内部・外部ともに需要減退により、生産過多の分が積みあがり続け、安価に在庫処理を続けている。
こうしたサムスンの動きにSKハイニックスや米マイクロンの在庫は減産しているにもかかわらず、在庫減らしが遅滞、価格下落が長期化し、経営にも大きな影響をもたらしている。

あらゆる産業で韓国勢は互いにライバル関係にあり、「協調」という言葉は存在しない。
リーマンショック後、韓国の3大造船会社は世界中で互いにダンピング受注を繰り返し、2015年になると3社とも大赤字を露呈、3社とも一時、銀行が管理する事態に至っていた。
2017年に左派の文政権が誕生し、失業問題から、選別受注を強化させていた銀行管理を止めさせ、再び、安値受注しまくり、完成期に入った昨年は3社とも造船部門で大赤字、2022年12月期はどうなることやら・・・。

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[ 2023年1月 7日 ]

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