アイコン SK崔泰源会長「今は利益と経営効率よりも生き残りが最優先だ」 非常事態経営


韓国経済新聞は、韓国2位の大手コングロマリット(複合企業)であるSKグループは、東南アジア資産の一部を売却し、ベトナムを含む同地域の国々のその他企業に再投資することを検討していると報じた。

SK幹部は「定期的なポートフォリオ変更の一環として、いくつかの資産の調整を検討しているが、まだ何も確定していない。一部の資産が調整されるとしても、ベトナムの他の成長分野への再投資に充てるだろう」と述べた。
同紙の25日付報道によると、SKは買い手の申し出に応じて売却する資産を決定する計画で、売却で得た資金の一部を地元企業への再投資に充てることを検討している。

金融分析会社大手のリフィニティブによると、SKは投資会社を通じ、ベトナム最大のコングロマリットである「ビングループ」の6.1%を保有する4番目に大きな出資者となっている。また、同国2位コングロマリットの「マサン・グループ」への出資額(持株比率9.4%)も合わせると10億ドル以上になる。

 

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26日にビングループの株価は▲4%下落して終了。マサン株も▲3.7%値を下げた。
ビングループの広報担当者は、同社の株式を売却する意図はSKにないと説明。SKと話し合ったとした上で、「SKは投資を継続し、ベトナムのパートナーと協力して投資を伸ばすことを計画している」と述べた。

同紙によると、SKの東南アジア投資会社が保有する売却可能資産にはこのほか、ベトナムの小売薬局チェーン「ファーマシティ」の14.5%、
小売業「ビンコマース」、16.3%
コンシューマーリテールプラットフォーム「ザ・クラウンX」の株式4.9%
マレーシアのフィンテック企業「ビッグペイ」の株式も含まれる。

SKグループの崔泰源会長は社内会議で、「今は利益と経営効率よりも生き残りが最優先である」と述べている。
以上、

現金化し、手元資金を最大化させる動きのようだ。

SKグループの持株会社であるSK Inc.の借入高は2018年末の6.8兆ウォンから今年第3四半期末には10.8兆ウォンに増加している。それぞれの系列企業の借り入れを合計すれば莫大な額となる。

車両用バッテリーのSK-Onは、12月に韓国投資プライベートエクイティおよびその他のプライベートエクイティ会社に償還可能な優先株(RPS)を発行し1.3兆ウォン調達。(米国でバッテリーの自社の大工場とFORDとの合弁の大工場を建設中)

また、SK-Onの親会社で韓国最大の石油精製会社のSKイノベーションに対して2.8兆ウォンの新株引受権付社債を発行、イノベーションは2兆ウォンを12月と1月に1兆ウォンずつ払い込み、残りを韓国の金融投資家グループから調達するという。

SK-Onは米国で莫大な工場投資を行っており、いくらあっても足りない状況、2026年に株式公開して株主還元する予定。

石油精製業界は今般の原油価格の暴騰で大儲けしているはずだが、現在、イノベーションの換金可能資産は1.4兆ウォンにとどまるという。そうしたことから、1月との分割になったと見られる。

LNGなどエネルギー会社のSK E&S も釜山都市ガスの償還転換優先株 (RCPS) 0.7兆ウォンを発行、本社を0.6兆ウォンで売却し、計1.3兆ウォン調達している。

SKグループのSKハイニックスは、インテルから90億ドルで中国大連のウェハ・NAND工場・SSD事業を2020年10月に買収契約、70億ドルを今年11月に支払った。残りは2025年支払う予定。しかし、この買収、完全にバァバァをつかまされたと報じられている。
それは、米政府が10月7日、中国へはインテルだろうとSKだろうとサムスンだろうと中国の半導体工場へは製造機械の輸出を禁止したことにある(NANDの場合128層以上製造できる製造装置の輸出禁止/ただし外資は猶予期間1年間)。

半導体は、昨年11月が価格の最高潮、その後メモリ半導体は下落を続け、SKは在庫が積みあがり、現在、生産調整している有様。欧米の高インフレと中国経済の低迷、欧米のウィズコロナ策によりパソコンやサーバーがテレワーク需要一巡、スマホも売れなくなっていることに起因している。

過去最高は14.5億台、すでにピークアウトし、メーカーは高プレミアム価格帯のスマホ販売により売上高を増加させてきたが、不景気では買替期間が長期化し、需要低迷となっている。

SKは中国無錫工場も新しく開発された産業団地に大規模工場を増設する話もあり、米政府の対中国に対する半導体製造装置の輸出規制が直撃している。
無錫工場はDRAMを生産しており、米輸出規制は、技術14/16nmプロセス以下のロジック半導体、ハーフピッチ18nm以下のDRAMを製造できる製造装置の対中国輸出を禁止している(これも猶予期間1年)。

いがぐり頭の崔泰源会長は離婚訴訟で666億ウォンの支払いが確定。個人的にもお金が必要なようだ。嫁さんは盧泰愚元大統領の長女、3人の子供がいるが熟年離婚、財産分与で両方から訴訟沙汰になっていた。



 

[ 2022年12月27日 ]

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