アイコン 金融不安、米国から欧州へ UBSがクレディ・スイス銀を4200億円で買収


スイス最大手行のUBS銀行は3月19日、経営不安が生じているクレディ・スイス銀行を30億スイスフラン(32.2億ドル/1.074ドル/4250億円/132円)で買収すると発表した
1856年 - クレディ・スイスがチューリッヒで設立。
1869年、 チューリッヒ保険の前身、スイス運送保険会社の設立主導
1988年、- 米大手投資銀行ザ・ファースト・ボストンCo.買収、ブラックロック創立参
  画。
2007年~10年 - 連邦準備制度から2620億ドルのベイルアウト(金融財政支援)を受ける。
2014年、米国人顧客による所得税の脱税をほう助のために共謀した罪で略式起訴される。
2015年、HSBC 他多数の大金融機関と共に貴金属取引における価格カルテルの疑いで米司法省などから捜査受ける。
2017年、危険な住宅ローン証券を証券化・商品化および発行・流通させた責任で米司法省と和解し58億ドルの支払に同意。 リーマンショックのサブプライムローン問題。

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金融不安、米国から欧州へ UBSがクレディ・スイス銀を4200億円で買収2021年3月、英金融ベンチャーのグリーンシル・キャピタルと提携して運用するファンドを運用資産の価値が不透明になったとして閉鎖した。

グリーンシルは経営破綻してクレディは融資の一部が焦げ付いた。

3月下旬に米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントの運用失敗で44億スイスフラン(当時約5200億円)の損失が生じ、経営幹部辞任。
グリーンシルにはソフトバンクも出資し、東京海上HDも取引があった。

2023年2月28日、スイス連邦金融市場監督機構(FINMA)は、「クレディ・スイスがリスク管理および適切な組織構造に関して、資産家レックス・グリーンシル氏と同氏が設立したグリーンシル・キャピタルとの関係において、監督上の義務に著しく違反した」と指摘し、是正措置を命じた。

2023年3月、財務報告で内部管理問題報道され、株価が▲31%下落して信用不安に陥る。

3月15日、クレディの筆頭株主(9.9%)のサウジ政府系投資銀行は追加出資しないと表明。
FINMAが介入し、クリディ(スイス№2銀行)をUBS(№1銀行)に事業の一部、もしくは全部を売却する方針と報道、
3月16日、スイス中銀が最大500億スイスフラン(約7.15兆円)の与信枠を提供すると発表。
3月19日、UBSがクレディ買収に合意と報道される。

ここ30年、ジャンク債で事業拡大してきたクレディ、どこまで壊れていたのか、その後の会長たちもそれを引き釣り、どっぷり漬かりこんだ結末だろう。
アルケゴスに巨額の不良資産が生じた野村證券など、日本の金融監督庁も調査に入ったが、制裁もなく問題ないとしているようだが、金融ほどグローバル化している産業はない。日本では一流、世界では三流では話にならない。株価操作やインサイダーには煩いがそれ以外は罪悪な金融工学のノウハウもなさそうだ。
クレディの資産の目減りが急激、引き出しが膨大になっているようだ。
最悪、同社が発行したジャンク債のほとんどは紙切れとなる可能性がある。日本の年金機構を含めた金融機関は、クレディに対して大きな不良債権が発生する可能性もある。
 

スイス2大銀行の株価

クレティ・スイス株価

UBS

21/12/27.

9.64

17.87

22/6/27.

5.70

16.13

22/12/30.

3.04

18.67

23/1/31.

3.51

21.45

23/2/28.

3.07

21.78

23/3/15.

2.16

18.73

総資産

0.57兆ドル

1.1兆ドル

 

[ 2023年3月20日 ]

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