アイコン 中国EV 韓国を襲う トヨタが胡坐をかいている間に日本市場も・・・


中国のEV業界第1位BYDの1トンEVトラックが、韓国政府の牽制政策を超え、韓国製と同じ補助金を受けることになったと韓国紙が報じている。
BYDは補助金100%を受けるため、GSグローバル、カカオモビリティなど韓国企業と協業して走行性能・燃費・事後管理をすべて備えた韓国型専用モデルを別途開発するなど、韓国市場を蚕食するという意志を強く示している。

今年から中国車の空襲が本格的に始まると予想される中、米国のように部品国産化率、衝突安全性などを考慮して補助金の敷居をさらに高めなければ、韓国市場が中国EVに奪われかねないという懸念が出ている。

 BYDのEVトラックT4Kスーパーキャップロングレンジのプレミアム価格は4669万ウォンであり、ライバル車種の現代自動車のポーターEV(4375万~4554万ウォン)と起亜ボンゴ(4365万~4550万ウォン)より高い。
 しかし、BYD-T4Kが現代と起亜(現代G)と同様な補助金を得られれば、115万~300万ウォンの差となる。しかもT4Kは1回充電すれば現代Gより走行距離が35㎞長く、韓国市場を掌握する競争力を確保することになる。

 

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中韓は2015年にFTAを締結しており、中国企業の製品の参入を規制する動きをすれば、韓国は報復にあう可能性が高い。
かつて中国は韓国製バッテリーを火災からの安全性が低いとして認証せず、2019年まで参入できなくしていた。しかし、その後、韓国製バッテリーに起因した火災が世界中で多発したことも事実であり、その報復として蒸し返すこともできない。

 韓国政府は今年初め、中国製車両を牽制する目的で補助金改編案を出した。環境部によると、EVトラック補助金の最大上限は1200万ウォン。
政府は当初、小型EVトラック基本補助金500万ウォンと1回の充電で走行距離200㎞まで差をつけた性能補助金900万ウォンを支援した。

 それが今年の改編後は、1回の充電時の走行距離を250㎞に伸ばし性能差別支援と直営・協力ASセンター(アフターサービス)運営可否、整備履歴電算管理システムの有無によって最大1200万ウォンまで補助金を支給することにした。
当然、中国勢の参入を意識したものだった。中国車はアフターサービス問題が挙げられるが、このような改編案を出したと見られている。
しかし、BYDは適合する韓国仕様車を開発、またアフター問題も韓国企業と提携してクリアする離れ技を披露している。AS問題も提携の韓国企業と全国構築に向け、動いており、補助金最大1200万ウォンを受け取れる性能とサービスを具備することになる。

 また、別途、個人事業者や中小企業対象の補助金算定額30%の追加支援もBYDは現代Gとともに360万ウォンを受けることが可能となる。

政府は今回の改編案で補助金規模を10%から30%に増やしただけで、中国製モデルを牽制するだけの条件を掲げなかった。

 韓国政府の政策が価格だけでなく技術力まで備えた中国製車両を牽制できず、韓国自動車市場での中国勢の参入の脅威が現実のものになる。
すでに中国製EVはバス市場で可能性を示している。韓国自動車産業協会によると、中国製EVバスのシェアは2019年の24%から昨年42%へと2倍近く増えている。

 車両と部品の原産地を考慮せず、補助金を一括的に支給したことによるもの。中国のEVバスは韓国製より最大1億5000万ウォン(1500万円)以上安く購入できる。
通常、庶民の足である小型商用車は、コストパフォーマンスの高い車という口コミが広がれば、飛ぶように売れていくモデルであるだけに、BYDのEVトラックの市場掌握速度も速くなるとみられる。

 BYDは、今年3000台の販売を目標にしているが、市場の反応と中国工場の生産スケジュールによって物量を徐々に増やしていく見込み。
補助金が付き実買価格は1660万ウォン水準の中国DFSK(東風風光)のMASADAは昨年、韓国市場で1500台以上販売している。

BYDだけでなく、多くの中国製EVが韓国市場に参入しようとしている。今年から中国自動車による韓国空襲が本格的に始まると予想される。
JMC(江鈴汽車股份有限公司・Jiangling Motors Corporation)と奇瑞自動車(Chery Automobile)は5月、EV3(旧ヴィッツそっくりさんとEQ1、EQ1プロ、QQなどを韓国内で発売する。
これらのモデルは1000万ウォン台前半~2000万ウォン台半ば(100万円台から250万円台まで)に価格が設定される見通しとなっている。
BYDは今年下半期にEV乗用車の発売も予定している。

韓国の自動車メーカーのミョンシン(Myungsin)は、韓国GM が閉鎖した工場を買収し、中国のEVベンチャーのフューチャー・モビリティ・コーポレーション(FMC)と提携して、年間5万台生産する。韓国市場で5月から小型EVトラック「セア」を販売する。

韓国の自動車市場はトラック・バスも含めて80%あまりを現代Gが占めており、占有率が高いだけに牙城を崩される可能性もある。

トヨタは、トラックやバスで日野自動車をEVや水素の商用車開発を戦略的に動かしていたが、日野の不正がすべてをお釈迦にしている。
豊田社長もHVの頑固頭はEV革命を受け止めず、自らの勝手な判断の結果、時代から取り残されている。結果、社長の座から降りたが、遅きに失している。巨額を蓄えているトヨタ自動車銀行、EV開発を並行的に行う軍資金はいくらでもあった。今ではトヨタ直系会社まで不正にあえいでいる。
EVにはいすゞもまだ参入していない。
日本のバスや商用車メーカーは後述する「EVモーターズ・ジャパン」社を買収するくらいの器量がなければ、日本市場を中国勢に食われてしまう可能性もある。

日本政府は、EV普及の本格的な補助金設定では、間違えば半導体やソーラー、液晶同様、車両も世界市場から駆逐される可能性すらある。
政治が水素やモビリティで遊んだ分、アベノミクスで未曾有の企業利益を出させたにもかかわらず、企業は生産性向上にも投資しなかったノータリンばかり、不正ばかりでは駆逐されるのも必然かもしれない。

現在、日本のEVバス量産メーカーは福岡県北九州市の「EVモーターズ・ジャパン」(設立:2019年4月/代表は30年間、リチウムイオン電池を開発研究してきた人)で小型EVバスを日本で設計、中国で製造している。販売価格は充電290キロ走行車で2600万円(搭載電池量による走行距離は回路制御で世界最高水準だという)。普通バスも今後製造、22年までの受注台数は100台あるという。北九州市若松区に走行テスト場と最終組立工場を開発する。

また、これまでのバスをEV化する手法のバス会社もある。福岡県の西日本鉄道=西鉄の子会社、西日本車体がEV改修している。台湾最大手の電気バスメーカーRAC社のノウハウを導入し、自社のバスをEVに改修するという。西鉄はすでにRAC社でEV改修したバスを運行しており、その実績に基づき、自社系列会社で改修する。費用は1台当たり2700万円だという。

ちなみにBYDの小型バス「J6」(定員25~31人)は1台1950万円、大型の「K8」(定員75~81人)でも3850万円だという(為替変動で高くなっている可能性あり)。ただ、螺子類にさび防止用の六化クロムを使用、日本の自動車工業会では禁止されており、購入したバス会社は運行停止や運行開始を見送っている問題も生じている。2023年製から日本仕様に変更するという。既存バスは主要な螺子を取り替えるというがまだ定まっていない。

現代のEVバスはBYDと同価格帯車もあるが、搭載電池量や充電走行距離が異なり、韓国でもBYDでも軍配が上がっているという。3500万円前後の同価格帯車では、終日運転のバスの場合、250キロ前後運行するといい、現代は日に2回充電する必要があり、BYDバスは250キロ以上走り1回充電で済むという。電池搭載量を増加させれば現代バス価格は大幅に上昇する。
BYDは2013年に(環境に一番煩い)米カルアォルニア州にEVバス工場(米子会社)を進出させ、州内など各地の市営バスにEVバスを供給している。同州では今ではテスラよりBYD乗用車が売れているという。
米政府は2030年までに公共機関のバスの70%=5万台あまりをEVに転換させることを決定している。そのために75億ドルを用意しており、1台あたり15万ドル(約2000万円)の購入補助金が支出される。世界最大のEVバスメーカーでもあり、2013年から米国にバス工場を進出させているBYDの取り扱いに苦慮している。BYDは中国では電池でもCATLに次ぐ大手であり、米国であっても普及させるためには安価なBYDバスは欠かせない存在でもある。

↓東風風光のEV小型トラック「MASADA」
22年韓国で1500台以上販売


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[ 2023年4月11日 ]

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