アイコン クレーン事故は全国で多発している 事故例12件


国交省は静岡市で発生したクレーンで吊り上げ設置作業中の橋げたが落下した死傷事故を受け、官庁工事のこうした現場だけを一時停止させ、臨時点検するという。

それでなくても、近年、クレーン事故は全国で頻発している。
国交省は官民問わず、官庁やゼネコンに対して、クレーン作業現場の一斉点検を要請すべきではないだろうか。そうした点検作業がこれからの事故を未然に防止するのだが・・・。

現場がクレーン事故の恐ろしさをわかっていないようだ。
過去、当記事記者も、高層ビルの建設現場(スーパーゼネコンの現場)に入っていたとき、クレーン作業中のアーム範囲内へのクレーン作業員以外の立ち入りを警備員が禁止していた。
現場監督なり、現場所長がクレーン作業の怖さを知っている、知らないでは雲泥の差がある。
一旦事故が発生したら現場はストップする。工事が遅延する。また、負傷者が出たら、警察や監督官庁の現場検証もあり、元請けゼネコンなどは指名停止措置を受ける可能性も高い。さらに行政処分を受ける可能性もある。

 

スポンサーリンク

クレーン事故のごく一部を抜粋してみた。

2023年7月6日
静岡市の国道「静清バイパス」の工事現場で建設中の高架道路の長さ65m、幅3m、重さ140トンの「橋げた」が落下する事故があり、作業員2人が死亡、6人がけがをした。
作業は、橋げたをクレーンで吊り上げ、高架橋に乗せ、固定する現場作業。こうした作業は道路を閉鎖して行うことから、交通量が少なくなる深夜や未明に事前に告示して行われる。
橋げたは65m、140トン、何台かのクレーンで吊り上げる作業、数台のクレーンが一体として動き吊り上げる必要があり、非常に難しい作業となる。

2023年6月6日、
奈良県御所市の遊歩道修繕工事で、クレーン車がアームの部分を電線に引っ掛けてバランスを崩し横転。電線の電柱も倒れ、付近の約300戸が一時停電した。負傷者はいなかった。

2023年5月16日、
東京都品川区大井の老人ホームの建設現場で、掘削機の吊り上げ作業中の重さ約20トンの大型クレーン車がバランスを崩し横転、付近に止まっていた工事車両3台が下敷きになり、工事車両に乗っていた作業員が亡くなった。

2023年5月11日、
台湾の台北市豊楽公園駅付近の高層ビル建設現場の屋上にあったクレーンのアーム部分だけが落下、道路を隔ててあった高架の線路内に一部が防音壁を突き破り落下、そこに通過中の列車が衝突して1人が死亡、10人が負傷した(この分だけ海外分。)

2023年1月30日、
沖縄県うるま市石川の建築現場で、車載クレーン車のクレーン部分(アーム部分)が根底から折れ、近くにいた建築作業員を直撃し、作業員は死亡した。

2022年11月29日
沖縄県金武町が米軍ギンバル訓練場跡地に整備を進める多目的屋内運動場施設の工事現場で、大型クレーン車が転倒する事故があった。人的被害はない。 同町によると施設2階から資材などを運び下ろす際、バランスを崩して転倒した。

2022年10月3日、
長野県の国道18号矢出沢川橋付近での浚渫工事で、護岸のコンクリ舗装面の地盤が陥没してクレーン車が転倒し、15メートルのアームが対岸を越えた。
河川護岸の土砂吸出しで空洞が生じ、事故後2メートル陥没していた。人的被害はなかった。

2022年6月14日、
東京都新宿区のJR新宿駅西口近くの新ビル建築の工事現場で作業中のクレーン車がバランスを崩し転倒した。誘導作業員が負傷した。ほとんど風はなかった。

2020年7月31日
山口県岩国市立石町の下水道工事現場で、作業中の大型クレーン車が前のめりに倒れた。近くにあったトラックがアーム部分の下敷きになり、トラックの車内にいた男性が死亡した。

2020年6月6日
大阪府高槻市南松原町の建設現場でも解体作業中のクレーン車が前のめりに横転し、アーム部分が民家を直撃、家屋の一部が壊れ出火、当家屋の住人とみられる幼児が飛び散った破片でケガをした。

2019年12月9日(午前7時40分ころ)
宮城県塩竃市新浜町のホームセンターの建設現場で大型クレーン車がバランスを崩し横転アーム部分が駐車中の車両を直撃、車両の中で作業待機中の作業員6人が死傷した。

2019年6月14日、
神奈川県相模原市南区上鶴間本町の境川の調整池の造成作業中、クレーン車が前方に向かって倒れ、アーム部分が電線に引っ掛かり、付近の約900世帯が4時間近くにわたって停電した。けが人はいなかった。

2017年9月19日、建機工場内でも
千葉市稲毛区長沼原町の「日立住友重機械建機クレーン」の工場内で、30トンの荷を移動させる作業中の高さ約45メートルのクレーンが、旋回中バランスを崩し転倒、付近に駐車していた車5台が下敷きになったほか、周辺の4台が破損した。けが人はなかった。
当時、最大瞬間風速15メートルの強風が吹いていた。(当移動試験では、当局も参加しており、強風下、大型クレーンを動かす方も、動かせた方もおかしい)
以上、新聞記事になったクレーン事故のごく一部。

↓高槻市のクレーン事故、サンケイニュース掲載分

0707_02.jpg

[ 2023年7月 7日 ]

スポンサーリンク
 

 

 


HTML Comment Box is loading comments...



※記事の削除等は問合せにて。

スポンサーリンク
 

 

関連記事

 

 



PICK UP


破産・小口倒産一覧