アイコン 韓国の小児科医師不足深刻 207人定員に33人応募 超少子化 低診療報酬


韓国では、急速に少子化が進んでおり、小児科医のなり手がいなくなり医師不足に見舞われているとロイターまで報道している。
病院は小児科医の空きポストが埋まらず、子どもの健康リスクが高まっている。
人口996万人の首都ソウルの小児科クリニックと病院数は、2022年までの5年間で▲12.5%減少し、456ヶ所になっている。

行政のシンクタンクであるソウル研究所によると、同期間に精神科クリニックの数は76.8%増加し、麻酔科センターは41.2%増加している。

問題の根底には、2022年に0.78まで低下した出生率がある。
それに保険制度が適応しなかったことが相まって、医師らは将来性のない分野だとして小児科を敬遠するようになったと、7人の小児科医がロイターに語った。

保健福祉省は制度の「限界」を認め、対策を実施中だと説明した。

 

スポンサーリンク

同省のデータによると、今年上半期に病院が確保できた小児科医による処置は必要数の16.3%に過ぎず、2013年の97.4%から極端に減少している。
親としては、病気の子供を治療してもらうのに長時間待たされることになる。

ある日の朝、ソウル郊外にある病院の待合室は数十人の子どもたちでごった返していた。多くは点滴を受けている最中だった。
「2週間も待たされた」と語るのは、3歳の息子が病気になった35歳の母親、リー・ボミさん。「本当に怖かった。空が落ちてくるような感じだった」
高麗大学・九老病院のソン・デジン医師は、スタッフ不足で救急医療を提供するチームがすぐに機能しなくなるのではないかと心配している。
「このペースでは1年と持たないだろう。軽症の患者が1日や2日受診できなくてもたいしたことはないが、重症の患者や救急患者がタイムリーに受診できなければ、最悪の事態になりかねない」とソン医師は語った。

5月には、呼吸器感染症の5歳の男児が病院のベッドを見つけられずに死亡し、世論の反発を買った。
韓国小児病院協会副会長のチェ・ヨンジェ医師は、「複数の救急治療室をたらい回しにされ、深刻な病気でもないのに患者が死亡する。あり得ないことだ」と苦痛をにじませた。

<小児医師減の3大原因>
(1)20年以上続く少子化
(2)低い報酬
(3)医療事故責任の負担、ママカフェによる攻撃負担

<誹謗中傷・倒産リスク>
韓国特有のヒステリックで執拗な書き込み
日本でもかつて産婦人科に対するママコミの掲示板で誹謗中傷を書かれ、倒産した産婦人科もあったが、韓国では「ママカフェ」に罵詈雑言が書かれるだけではなく、訴訟沙汰も多いという。
小児科医師はそうしたリスクが高く、報酬は安く、少子化が進み将来性もなく、医師にとってもやっていられない環境にある。
 
小児医院などでは設備投資にかかわる借り入れの返済や医療機器のリース代の支払いもあり、人件費なども含め、多くのコストがかかり、相当数の患者を確保しなければ経営できなくなり、少子化、患者の奪い合い・競争激化に大幅に小児クリニックも減少している。

小児青少年科専攻医の志願率は、
2020年の74%
21年には38%、
22年には27.5%、
23年には16.6%へと急減している。

※ 朝鮮日報によると、
22年の小児医師定員枠は207人/応募は33人(15.9%)、うち20人(61%)はライフバランスが取れる峨山病院やソウル大学病院の内定者だったという。

<30年前と同じ保険制度/安価すぎる診療報酬>
医師らによれば、小児患者の減少を反映して保険制度が改定されなかったため、小児科に特有の料金の低さが問題になっている。
乳幼児が多く育っていた時代には、小児科医は低料金・大量診療モデルを維持することができたが、今はそうはいかない。

「外国では、1日の患者数が20人でも病院を維持できるよう、政府から十分な金額が支払われる」と韓国小児科学会会長のイム・ヒョンテク医師は言う。会長によると、診療報酬は30年前からほとんど上昇していない。
「しかし、韓国では1回の診療報酬が約10ドル(約1440円)なので、クリニックは1日に約80人の患者を診療しなければならない」と会長は続けた。

これに対し、オーストラリアの小児科医の初診料は約335豪ドル(約3万1800円)。ウェブサイトを見ると、米ネーションワイド小児病院での診察料は1時間208ドルだ。

保健福祉省は、「限界」を補うために今年、料金や保険に関する措置を講じたと説明。さらに、国が支援するセンターを増やし、大病院が小児救急医療を維持するよう義務付けることを提案したという。
「現場の困難な状況に対応するには十分ではない、という医師の意見があることは承知している。政府は、発表された対策を着実に実施し、それを引き続き補完していく予定だ」とした。
健康保険審査評価機構のデータによれば、韓国では医師の中で小児科医の給与が最も低く、医師の平均を57%下回る。

2020年の医師の平均年俸は2億3000万ウォン(約2500万円)だが、小児青少年科医は1億875万ウォン(約1200万円)と、全体の臨床科医の中で最も低く、平均の半額にも満たなかった。
今日の低出生率により乳幼児が減り、経営難を訴えるケースが増えている。
2017~21年の5年間に全国で廃業した小児科医は実に662ヶ所に上る。京畿道で病院を経営する小児科医は「10年前に初めて開院した時と比べると、患者数が10分の1に減った」と厳しい現状だという。

<病院逼迫>
韓国最古の小児病院であるソウハ病院は、最近、スタッフ不足のため77年ぶりに土曜の午後と日曜の診療を休止した。
夜間診療を減らし、小児救急室を閉鎖した病院もある。
また、小児入院治療を取りやめた病院も多くなってきている。地域の入院施設を持たないクリニックから入院要請が受けられなくなっているという。

状況の深刻さを見て、赤ちゃんを産むことにますます疑問を抱くようになったと語る夫婦もいる。
男の赤ちゃんを持つ34歳の母親、キム・ウンジさんは2人目の出産について「心配だ」と言い切る。「子ども病院と医師の数が減れば、治療してもらうのは難しくなるだろう」
 ソウルの某大学病院では開院前30分の朝8時30分に熱が出ている子を連れ、小児科へ行ったが、受付番号はすでに78番だったという。

<ギャンブル、さらに800人が転身見込み>
南ソウル大学のイ・ジュユル教授(保健行政学)は、政府が小児医療に資源を配分しなかったことが、出生率向上に費やした「巨額」の効果を台無しにしたと指摘。
「親が出産時に医療に不自由しないと感じるように、予算の一部を割かなければならない」と述べた。
韓国小児科学会は、最近、急成長している「美容ビジネス」など新しい分野への転身を目指す大韓小児青少年科医師会の会員医師を対象にセミナーを開催、800人が参加したという。
同協会のリム会長は、収入の見通しを考えると、小児科医になるのはあまりにも危険なギャンブルだと語った。
以上、

ソウルずそうであり、地方では少子高齢化がさらに進み、小児医の過疎地帯が広がっているという。少子化が進んでいることから、小学校の統廃合も進んでいるという。すでに大学までそうした影響は出ており、現在、出生率からして、教育業界の統廃合も必至と見られる。

韓国で精神科クリニックが急増している訳、
精神科クリニックの増加は患者数が増加し続けていることにある。
2012年8月10日、李明博大統領が実兄の重鎮国会議員が賄賂で同年6月に逮捕されるなどしてレイムダックに陥るなか、一転突破・起死回生をはかるべく竹島上陸、そして天皇陛下を猛批判、韓国民の間に反日感情を急激に高揚させ、韓国民は反日に解き放され、反日で燃え上がった。
一方、韓国経済はリーマンショックの後遺症もあり、政治は不正蔓延、そのやり場のないハケ口が李明博が提供した反日でのフラストレーション解消であった。
それでもなんら解決せず、間欠性爆発性障害=憤怒調節障害の患者数がそれ以降急増した(韓国のデータで証明されている)。 
以来、韓国では左派も保守も反日一色となり、それは文左派政権の2022年5月まで続いた。

文政権は、2017年の就任早々から不動産価格を沈静化させるため、不動産政策をド素人の左派経済学者を抜擢して対応させた結果、在任の5年間で価格を2倍にしてしまった。
結果、韓国特有の住宅を確保(所有かチョンセ)しての結婚が男性に重く圧し掛かり、結婚しない・できない男性が急増、女性も結婚するメリットを感ぜず、未婚化が男女とも進み、初婚も平均年齢が33歳と高齢化が進んでいる。
韓国では女性の大学進学率が73%と男性の70%より高く、結婚の高齢化が進んでいる原因ともされている。

所有でなくチョンセ(高額の保証金を支払い家賃が発生しない借家方式)にしても、住宅価格の上昇でチョンセ価格が高騰、男性は証券や仮想通貨で当てない限り住宅が手当てできない高額となっている。

少子化は出生率が2.0を下回った場合、確実に進む。その結果、15~49歳までの出産可能年齢の女性人口は2012年1314万人から、2022年は1135万人と10年間で179万人減少している。特に若い女性世代はさらに減少率が高くなっている。
韓国では2000年代前後から男性出産優先により、男女間の人口比が歪になっており、20~30歳では女性より男性が12%多くなっていることも出産数に影響している。 
韓国は、儒教社会であるため、事実婚を認めない風潮が強く、出生も結婚が大前提となっている。
また子供の養育に対する女性依存度が極めて高く、結婚しても仕事を続ける女性も高学歴化で増加、金銭も含めて子育ての負担を嫌悪する女性たちが急増している(結婚しても子供を産まない夫婦の増加)。 
宿泊施設や女性トイレへの隠しカメラ、その映像をダークウェーブで販売する韓国男性たちでもあり、男性を受け付けない女性も多くなっている。韓国の#MeToo運動の最後の女性集会の宣言文も「(男性に対して)盗撮するな」であった。


スクロール→

韓国の合計特殊出生率

 

1970

4.53

 

1980

2.70

 

1990

1.57

 

2000

1.48

 

2005

1.09

 

2010

1.23

 

2015

1.24

 

2016

1.17

 

2017

1.05

 

2018

0.98

 

2019

0.92

 

2020

0.84

 

2021

0.81

 

2022

0.78

 

23/1~3

 0.81

 

・人口維持には計算上は出生率は2.0人だが、病気等自然減もあり2.2人が必要とされている。それが2人どころか1人さえ割り込み、0.78まで下落している。23/13は同期間としては過去最低。

 
 


0711_06.jpg

韓国は出生率問題もさることながら、結果としてすでに出産適齢期(18~35歳)の人口は減少し続けており、今後、少子化問題が深刻となる(35歳以上の女性の初出産はいろいろリスクが大きくなる)。

韓国女性の人口は、40代407万人、30代343万人、20代319万人、10代235万人と若い10代の女性が急減しており、このままだと結婚数も大幅に減少し続けることになる。

20~40代の女性人口は、

10年前(現30~50代)は1,172万人、

現在は1,071万人、

10年後は898万人、

20年後は760万人。

このように出産可能女性人口が減り続け、少子化がさらに進み続けることになる。

日本は実質賃金が30年間増えず、税や社会保険料の負担率は増加し続けた結果、可処分所得が減り続け、比例して出生数が減少し少子化が進んでいるデータが発表されている。国民の生活直結の高い食料インフレ下、国会議員の報酬や歳費を半減しなければ、議員たちは国民の痛みを感じることはできないだろう。そうした中での少子化対策は屁の突っ張りにもならないだろう。岸田政権では、少子化対策・女性活躍・男女共同参画担当大臣が男性議員、笑ってしまう。

何でもかんでも党議拘束を敷いた小泉純一郎の時代から、大臣ポストは政策期待ではなく常に派閥力学にある。

すべて党議拘束とするならば派閥の必要性は0ではないだろうか。現在の派閥は大臣ポストの争奪だけの存在に化かしている。

せめて女性も広く関係する分野の大臣は女性にすべきではないだろうか。

 


スクロール→

韓国の男女別年齢構成 2023年1月1日現在

 

男性

女性

男超過数

男女比

70歳超

2,104,164

3,090,249

5,194,413

-986,085

68.1%

6069

2,984,911

3,150,806

6,135,717

-165,895

94.7%

5059

4,232,473

4,210,449

8,442,922

22,024

100.5%

4049

4,251,757

4,078,249

8,330,006

173,508

104.3%

3039

3,757,867

3,438,982

7,196,849

318,885

109.3%

2029

3,603,645

3,194,260

6,797,905

409,385

112.8%

1019

2,536,439

2,350,185

4,886,624

186,254

107.9%

09

2,178,201

2,062,684

4,240,885

115,517

105.6%

合計

25,649,457

25,575,864

51,225,321

73,593

100.3%

・男女比は女性を100とした比率、60歳以上は女性が多いことを示す。

 

[ 2023年7月11日 ]

スポンサーリンク
 

 

 


HTML Comment Box is loading comments...



※記事の削除等は問合せにて。

スポンサーリンク
 

 

関連記事

 

 



PICK UP


破産・小口倒産一覧