アイコン 韓国 23年3月末の家計負債 ジワジワ首を絞めつけ DSR70%以上300万人に達する


7月2日、韓国銀行が国会に提出した資料によると、今年3月末基準で国内の家計向け融資を受けた人は1977万人で、融資残高は1845兆3000億ウォンだった。
2022年12月末より融資を受けた人と融資残高が、それぞれ4万人と15兆5000億ウォン減ったが、減少率はそれぞれ0.2%と0.8%に過ぎなかった。

結果、韓国では、新型コロナウィルスが世界的に大流行した時期に急激に増えた借金を返済するため、最小限の生計もやりくりするのが大変な人たちが300万人に迫る。
このうち175万人は所得を全てつぎ込んでも元金返済額を払えないことが明らかになった。

最近、家計向け融資の延滞率が上昇し、金融不安が拡大している中、財布の紐を締めるしかない消費状況のため、下半期(7~12月)の景気回復はさらに遅れるだろうという悲観的な見方が出ている。

融資を受けた人全体の総負債元金返済比率(DSR)は40.3%だった。
今年第1四半期末に国内の家計向け融資を受けた人は、平均的に年収の約40%を借金返済に使わなければならないことを意味する。

特に家計向け融資を受けた175万人は、元金返済額が所得とほぼ同じか、所得を上回った。
DSRが100%を超える人は融資を受けた人の8.9%、新コロナの影響からか2020年第3四半期の7.6%以降増加し続けている。

 

スポンサーリンク

DSR70%以上では、融資者数は299万人まで増える。
(韓国の総人口は5,163万人/15~64歳は70.1%)。
通常、当局や金融機関などはDSRが70%を超えれば、最低生計費を除いた所得の大半を元金返済に当てなければならないとみなしている。
約300万人に達する融資者が借金を返済するために生計に困難を感じていることになる。
彼らが受けた融資が全体融資残高に占める割合も41.4%に達する。

(融資残1845兆3000億ウォン×0.414)÷299万人=2.64億ウォン=一人当たり約2640万円の借り入高となる。チョンセ融資が高額になっているものと推察される。

不動産価格の上昇局面では投機的なチョンセ方式の住宅借入制度は持て囃され、投資が投資を呼び込み景気を押し上げるが、不動産価格の下落局面では、担保不足に陥る危険性もあり、また、家主は金融機関から借り入れて建築、チョンセで集めた資金を運用して金融機関に返済していたが、投資に失敗して自殺するなど、チョンセの預入金さえ退出時に戻らないケースが多発、チョンセで部屋を借りた人も自殺するなどすでに社会的混乱をきたし、景気を押し下げる原因となる。
前、文政権が実務素人の左派経済学者たちに不動産政策を任せた結果、逆に不動産価格を倍にしてしまった功罪は大きすぎ、そうした学者たちを辞任させてからも厚遇し続けた責任はすべて北朝鮮派の文在寅氏にある。その問題の膿が現在デ出し、悲劇をもたらしている。それでも国民の半分は文在寅氏を支持する勢力であり、自らを文色に洗脳してしまう人たちが国民の大半のようだ。底辺に25年以上左派が牛耳る教育の問題があるのだろう。

金融機関に対して支払いをストップした物件は競売にかけられ、チョンセ入居者が追い出されるなど社会問題化、政府は金融機関に競売を中断させたが、そうした部屋を出て行った借主はチョンセの預け金は戻らず(登記制度があるが義務ではない、不動産価値が下がれば戻ってこない)、金融機関からの借入返済は続けたまま、さらに新たに借りた部屋の家賃の支払いに追われることになる。

梨花女子大学の石秉勲経済学科教授は、「韓国の家計負債規模はすでに限界に達した状況だ」とし、「融資の質も急速に悪化しており、金融の不健全化を防ぎ脆弱階層の被害を最小化するための精巧な対策を打たなければならない」と指摘した。
(こうしたことを裏付けるように、韓国では副業する労働者の率が急増している)

韓国政府は、2021年になると新コロナ下における緊急制度融資を行い、個人向け、事業者向けなど各種の低利融資が行われた。
ほぼ無審査で行われた結果、融資残が急増していた。
そしてその資金は、当時、沸騰していた株式(新コロナ初期暴落20/4月→その後急騰20/11月)や仮想通過(21/4月の一次ピーク)に費やされた。そうしたとたん、仮想通貨は暴落、痛い目にあっている。

韓国民は米国型消費、まず商品購入、稼いだ金で返していくという生活スタイル、そのため、日本に比べ高級車や高級外車の購入度合いが異常に高く、人口当たりブランド物の購入率も世界一高くなっている。高額ローンを組み消費するスタイルが定着している。整形=虚飾=借金に通ず

そのため、借金が借金を呼び込み、多重債務者となり、DSRの高い人たちが続出している。
DSR超過者は、イエローカード・レッドカードであり、新たな消費活動が制限され、消費全体に対して悪影響をもたらす。その人数が増加するほどに経済に対してマイナスに作用する。

日本の場合は、過去の借金漬けの家族崩壊の危機の反省から、借入残やローン残高が金融業界で一元管理されており、多重債務者になるケースは少ない。また、多重債務者になっても金融機関により残高がコントロールされている。
日本も過去、サラ金問題、零細企業のシステム金融問題、中小企業の商工ローン問題など大問題を経過して現在の銀行業界や市中金融業界も含めた金融機関の残高管理システムが構築されている。

国民の借金漬け問題は、消費問題だけではなく、家族崩壊、融資機関の焦げ付き増⇒銀行破綻リスク上昇⇒金融機関餞別融資強化⇒資金の循環縮小⇒総不況に至る。

景気が良ければ何事も吸収されていくが、韓国では経済を牽引している輸出も最近は世界経済悪化や米国を初めとする保護貿易主義の台頭により低迷しており、まだインフレ退治は終わってもおらず、明るくなるには時間を要する。
現在のハゲタカ投機筋の株高のようには行かない。

さらに米国の対中輸出規制に対抗した中国のレアメタル輸出規制は韓国半導体勢力を直撃する。EV用バッテリー等でもレアメタル輸出規制、(韓国勢が米生産の90%以上/その材の8割は中国産材)が使用されている。
そのためIRA法規制では鉱石が米産やFTA締結国産ならばOKとしている・・・。

現在のところ、中国の輸出規制強化は、
半導体生産向けでは、ゲルマニウム、ガリウムが対象
EVモーター向けでは、永久磁石用の「ネオジム」、
EV用バッテリー向けでは、陽極材用の「コバルト」が対象。

中国はレアメタルの直接生産するだけではなく、レアメタル含有鉱石を米国・豪州・コンゴ民主などから購入し、中国の世界一の生産量の石炭で安価に発電した電炉によりレアメタルを抽出している。そうしてレアメタルが生産され、中国にレアメタルが集中しているもの。

米国では国産リチウム鉱石を国内で溶融し、IRA法に基づき国内で利用する動きにあるが、高価な労働力と高価な電力により生産され、自ずと高価なリチウム価格となり、こうした多くの米製レアメタルを組み込んだ完成品価格は高騰し、世界市場では戦いにならない。

欧州は安保面からASMLのEUV装置などの輸出を米国からの要請に基づき対中輸出規制しているが、欧州市場については米国のような保護貿易主義を取っておらず、中国勢は欧州に拠点工場の構築を急いでいる。

金魚の糞といわれる日本の米追随主義、中国の米向け輸出規制は日本規制ともいえる。
日本の場合、研究者は長期戦略0の日本國政府に絞られ続け研究予算がなく、研究の活路を中国に求め、中国も2000年代から千人計画を擁し、優遇して迎えている。
大学や国の研究機関の研究開発予算は削ったまま、今になって、該当人物を厳罰に科したり、恐怖心を抱かせたりしても、根本的な問題の解決に何もならない。国会議員の報酬を半減してでも、その資金を国の研究機関に投入する必要がある。

韓国勢の半導体生産は、汎用性のあるDRAM+NANDのメモリ半導体では、世界市場の70%以上を生産し、別注品のシステム半導体でも13%前後生産している。韓国勢はその生産量の30%あまりを傘下の中国工場で生産している。

米国の日蘭を巻き込んだ対中輸出規制強化により、「中国製造2025」(地産地消⇒輸出)構想の達成はほとんど不可能になっている。

1、米国や欧州の大学・研究機関の中国人研究者の半強制帰国させ最先端技術の中国への落ち仕込み。
2、産業スパイ(対象:欧米の研究開発者ら+軍人)
3、軍需企業・研究機関へのハッキング
4、最先端技術会社の買収(2015年以降、欧米で安保面から禁止された)
 すでに多くの最先端企業を買収し空母用カタパルトの技術を持つ英企業でさえ中国が買収している。
5、千人計画(世界中から研究開発人材調達/2008年ころからスタート、すでに延1万人を超えている)
5、知財侵脱(中国進出外資企業から強制して製造設計図面を調達)などなど

結果、軍事力増強と経済発展を成し遂げてきた。中国のGDP(名目/元)は、2010年から2022年で3倍に激増している。ひとえに米国様がそうさせてくれたもの。

2012年からの習体制ではそれがあからさまに強化し、そうして取得した技術による軍事力増強は目覚しく、反腐敗を大義に反対勢力を一掃し、その勢いと自信が1国2制度を反故にしての香港直轄、習氏を禁断の3期目に突入させ、台湾の実効支配へ走らせている。

韓国はそうした中国との貿易関係が濃く、米中の根競べに今後とも奔走させられ続けることになる。

長期政権は権力欲に溺れ、独裁色を強め、世界に悪影響しかもたらさない。ぷっちんプーチンのように・・・。


スクロール→

韓国の家計負債の推移

 

DSR/万人

融資残高

年末

70100%

100%

←計

万人

兆ウォン

2020

111

150

261

 

1,728

2021

114

153

267

 

1,862

2022

120

164

284

1,981

1,860

23/3

124

175

299

1,977

1,845

DSRは借主の年所得に占める借入金の現金返済年額の比率 

DSR70%では最低限の生活維持、それ以上だとパンク状態だという。

 ↓6月の貿易収支は16ヶ月ぶりに黒字に転換、

黒字要因は原油価格の低下による輸入額の減少に加え、輸出は前年比で9ヶ月連続して減少したものの、減少率は低下している。

 米国次第だが、

半導体は生産企業が生産調整に入り、

第3四半期は小康状態、

第4四半期はIT企業のデータセンター投資の復活、生成AI製品の製品化加速および新世代半導体製品が寄与、

回復してくるものと見られている。

 

米国のChips法、台湾勢+韓国勢に対する米国内への召集令状はシステム半導体工場が主を占め、メモリ半導体は米国勢に限られている。メモリ半導体の75%以上は韓国勢で、韓国と中国で生産されている。

 


スクロール→

韓国

輸出

輸入

貿易収支

/百万ドル

前年比

/百万ドル

前年比

/百万ドル

21/10

55,662

 

53,841

 

1,821

21/11

59,650

27.1

53,700

45.3

5,950

21/12

60,740

18.3

61,320

37.4

-580

2021年計

644,439

25.7

615,037

31.5

29,402

22/1

55,458

19.8

60,399

34.4

-4,941

22/2

54,156

19.1

53,357

25.9

799

22/3

63,480

18.2

63,620

27.9

-140

22/4

57,850

11.2

60,326

37.8

-2,476

22/5

61,586

20.5

63,192

32.4

-1,606

22/6

57,683

9.1

60,180

18.9

-2,497

22/7

60,251

6.9

65,340

35.5

-5,053

22/8

56,673

6.6

66,067

28.2

-9,392

22/9

57,447

2.8

61,226

18.6

-3,830

22/10

52,482

-5.7

59,178

9.9

-6,724

22/11

51,910

-13.0

58,925

9.7

-6,990

22/12

54,990

-8.8

59,676

1.9

-4,690

22年計

683,966

6.2

731,486

18.9

-47,520

23/1

46,270

-16.6

58,960

-2.4

-12,650

23/2

50,100

-7.5

55,404

3.8

-5,270

23/3

55,130

-13.6

59,750

-6.4

-4,620

23/4

49,620

-14.2

52,230

-13.3

-2,650

23/5

52,240

-15.2

54,343

-14.0

-2,120

23/6

54,240

-6.0

54,343

-9.7

1,130

 

[ 2023年7月 5日 ]

スポンサーリンク
 

 

 


HTML Comment Box is loading comments...



※記事の削除等は問合せにて。

スポンサーリンク
 

 

関連記事

 

 



PICK UP


破産・小口倒産一覧