アイコン 飛行機CFM製エンジン部品部材で偽証明書 タービンブレートなど偽装品か


ロイターは7日、厳しい規制下にあるはずの航空機ジェットエンジン業界で偽造が疑われる証明書が付いた部品が出回っていることが分かり、問題を起こしかねない部品の捜索が行われていると報じた。

この業界では珍しい事件であり、これまでのところこうした部品が使われたエンジンはごく一部にすぎない。しかし、不審な部品は世界各地で見つかっており、業界任せの規制体制を見直すべきだとの声が高まっている。

ジェットエンジンメーカーのCFMインターナショナル(米GEと仏スネクマの合弁JEメーカー)は、偽造の疑いがある証明書が添付された数千個ものエンジン部品について、世界規模の探索に乗り出している。証明書はいずれも同じ部品納入業者のもの。
例えば、2019年に英国の供給業者からフロリダの企業に出荷されたジェットエンジン用の低圧タービンブレードという重要部品には正規品であることを示す署名が付いていたが、署名の名前の従業員は存在していない模様だ。

 

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CFMインターナショナルはエアバスやボーイングにエンジンを供給している。
両社ではこれまでに偽造部品は見つかっていない。しかし、CFMは虚偽の証明書が古い部品を新しい部品に見せかけたり、安全性の確保に不可欠なトレーサビリティ(全供給網における追跡システム)を欠く部品を販売したりするのに使われるのを懸念している。

エアバスもボーイングも、購入客はジェットエンジンを3社(ロールスロイスとブラット&ホイットニー(P&W)およびCFM)から選別できるようにしている。
ジェットエンジンは定期的に検査が義務付けられており、さらに経年劣化の部品は交換する必要があり、こうした虚偽部品部材が使用された場合、安全の脅威となる。

世界で最も厳しい監視の目が向けられている業界の一つである航空エンジン業界も動揺しており、規制の強化を求める声が再燃している。

英航空コンサルタント、IBAのフィル・シーモア社長によると、「これは業界にとって目新しい問題ではない。航空機部品で儲けようとする人は常にいる」という。
ただ、「今回大きな問題となっているのは、こうした部品が実際にエンジンに使われたことで、これは初めてのことだ」

CFMの訴訟関連文書によると、最初に不審な部品が見つかったのは6月21日。
TAPポルトガル航空の整備部門が、英国の供給業者AOGテ
クニクスから入手したダンパーと呼ばれる小さな部品の添付書類について不安があると伝えてきた。CFMによると、「その部品は証明書の記載よりも古いもののように見えた」という。

<P&Wでは品質問題のエンジン部品搭載 1500機が順次長期検査へ>
先般JC-NETに掲載済みだが、RTX(旧レイセオン・テクノロジーズ)は9月11日に、エアバスA320シリーズで、子会社プラット・アンド・ホイットニー(P&W)製造のエンジンを巡り、点検・回収対象を大幅に拡大したと発表した。

エアバスA320シリーズの最新モデルA320ネオに搭載されているほぼ全ての同社製エンジンが対象となり、数百機が何ヶ月にもわたり運航停止となる。

RTXの発表によると、向こう3年間で約3000基のP&W製「ギヤード・ターボファン(GTF)エンジン」について、汚染された粉末金属が使われた部品に欠陥があるか点検する必要がある。

これはA320に現在搭載されている3200基のGTFエンジンの大半を占める。エアバスA320シリーズでは2基のエンジンが左右に搭載されている。1600機に搭載され、問題エンジンは94%に当たる1500機に搭載されていることなる。
同シリーズで一番エンジンを搭載しているのはCFM製エンジン(米GEと仏スネクマの合弁会社)。
なお、A320ネオ機では約40%にP&W製エンジンが搭載されている。

リコールは、来年上期から始まりピークには約650機となる見通しで、2026年まで年平均350機が検査に入り、検査に要する数ヶ月間の長期運行停止となる。不良品が見つかればさらに検査改修期間は長期化する。
P&Wの親会社であるミサイル製造会社のレイセオン等のRTX社は運行停止に伴う航空会社への補償はすでに手当てしたとしている。
RTX社グループの中核レイセオン社は米国へ軍需産業の代表格、ウクライナ戦争特需でミサイルや弾薬などフル生産状態が続いている。
以上、

CFM製エンジンの偽部品を納入した会社は専門商社だろうが、まずは品質証明書の検査、問題部品の搭載が確認されれば、検査が必要であり、運行停止に伴う航空会社への補償はどうなるのだろうか。当該の部品部材を購入した機体整備会社への影響が心配される。

[ 2023年10月 8日 ]

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