アイコン 中国不動産バブル崩壊 販売額▲16.5%減、12月は▲34%減


中国の住宅販売の落ち込みは2023年12月に加速し、国内不動産市場の低迷を食い止めるための課題を浮き彫りにした。
 12月31日に公表された中国房産信息集団(CRIC=克而瑞)の暫定集計によれば、不動産大手100社の12月の新築住宅販売額は前年同月比▲34.6%減の4513億元(約8兆9650億円)。11月も同比▲29.6%減と落ち込み、12月はさらに落ち込み幅が大きくなった。
  この結果、大手デベロッパーの通年の販売額は前年比▲16.5%減となり、CRICが先に予想した▲15%減より悪かった。
ただし、12月の販売額は11月比では15.7%増加している。

  長引く住宅不況は、債務返済やプロジェクト完了に苦戦するデベロッパーに打撃を与え、中国経済を弱体化させている。
需要回復に向けた最新の動きとして、当局は北京と上海の2大都市で住宅購入規制を緩和。地方の主要都市でも購入規制を大幅に緩和している。
中央政府は8月下旬、地方当局に対し頭金要件の緩和を促していた。

 

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 政策変更にもかかわらず、市場の低迷は続いており、過去24ヶ月のうち20ヶ月で住宅販売は減少している。
習近平氏が3期目を目論見、2020年に発した共同富裕論、住宅不動産も高すぎるとして、不動産会社に対する融資を3条紅線により強力規制、特に民間デベロッパーが直撃弾を受け、多くの中小不動産開発会社が経営破たん、民間トップクラスの碧桂園、恒大、花様年、新力、佳兆業、万達などが窮地に追い込まれ、全国で何十万戸もの建設中のマンションが建築ストップ、全額支払い済みの購入者も多く、また、そうした不動産会社が発行した社債を購入した個人投資家たちは社債がデフォルト、身動き取れなくなっている。

地方政府も簿外となる第3セクターで動かす不動産デベロッパーの多くが窮地に陥っており、また地方財政の収入となる土地利用権販売も不動産開発会社の低迷により販売額は大幅に減少し、地方財政の悪化、地方によるインフラ投資は減少している。
習氏は3期目を実現し、3条紅線を執行したまま放置、中国の内国経済は新コロナ下のロックダウン政策により疲弊、世界がウィズコロナ策導入によりパソコン・サーバーや家庭用ゲーム機が反動減、米中貿易戦争、国際商品価格の高騰・物価高、による低迷、インフレ退治の金利高に欧州経済低迷、米国経済も金利高に遅れて低迷。世界経済の低迷からスマホも販売台数減など、中国経済は内外需とも不振に陥り、習政権の切り札インフラ投資は大規模に行われているものの、リーマンショック後の2010年の経済規模から2022年は3倍増まで拡大、桁違いのインフラ投資でもしない限り、中国経済を牽引する公共投資にはなっていない。

就業者数も2014年7.64億人、2017年7.60億人、2022年7.33億人まで減少している。
失業率は2010年から2017年まで4%未満だったが、米中貿易戦争激化から2018年には5%台に、新コロナ下で一時6%を超え、現在5.0%まで改善している。 
しかし、2017年当時から就業者数は▲2700万人あまり減っており、喜べる数値ではない。
青年失業率は工場や店舗などサービス産業の業況を反映するが、2023年6月の21.3%を最後に国家統計局から発表されなくなっている。電子製品の組立や店舗販売の不振が影響している。
こうした中国では、マンション価格の下落が続き、建設中断・遅延、企業の債務不履行などに対する懸念から住宅の買い控えが続いている。

中国、不況対策強化で、北京市など主要都市で住宅購入規制を緩和
★「三条紅線」とは、習政権が銀行に課した不動産会社への融資規制
1、「前受金を除いた総資産負債比率が70%を上回らないこと」
1、「純資産負債比率が100%を上回らないこと」
1、「手元現金に対する短期借入額が100%を上回らないこと」

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[ 2024年1月 4日 ]

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