侮ることができなくなった中国製 英ダイソン大幅人員削減の裏
「安物」「コピー商品」扱いされていた中国製電子・家電製品が、世界市場でシェアを伸ばした背景には、中国メーカーが各分野で元祖格のメーカーから人材を積極的に迎え入れ、デザインや品質を大幅に向上させたことが関係している。
1元/21.6円換算(現在相場)
<シャオミ(小米)>
シャオミは2015年、日本のバルミューダのデザイナーと開発者を迎え入れ、同社と似た空気清浄機を発売、デザインは似ているが、価格は3分の1だった。
シャオミは2010年設立、中国のアップルとして登場し、2011年には真似したスマホを販売開始、通販限定と安価な価格設定により市場を獲得、アップルとサムスンが競い合い、ブランド化し、高機能化してプレミアム化が進むスマホ業界でも、高価格ながらブランド組の製品の半額で販売し、中国のほかアジアや欧州で販売を伸ばしている。
シャオミはその後、家電に進出、最近ではEVにも進出して、予約開始30分で5万台突破、10万台あまりを先行予約で獲得して話題になってもいる(21年3月EV市場進出発表、24年4月納品開始、EV参入発表から3年間で製造販売納品できるスピード感は世界中でも中国勢にしかない)。
バルミューダはシャオミの協業申し入れに協議開始、デザイン・設計図面を提出、シャオミは一方的に協業話を破綻させ、図面だけ手に入れ、シャオミ製として製造販売、バミューダがシャオミを中国で提訴した経緯がある。バルミューダの開発部門の人材の品質にも問題があったのだろうか。
世界的な人材採用プラットフォーム「リンクトイン」に登録しているシャオミの社員1万9333人のうち、世界市場を席巻している韓国家電勢のサムスン電子出身者は310人、LG電子出身者は91人が在籍している。
デザイン能力を向上させるため、海外の有名人との協業にも積極的。
2016年にはフランスの有名デザイナー、フィリップ・スタルク氏と協業し、スマホを発売。2021年には無印良品のデザイナー、原研哉氏ともコラボしている。
<ほかの中国勢>
米iRobotの 「ルンバ」などのロボット掃除機市場、今や市場をリードしているのはロボロック(北京石頭世紀科技)、2014年、マイクロソフト、インテル、百度など世界的なビッグテック企業出身の中国人エンジニアが中心となって設立された企業でもある。年商の7%以上を研究開発に注ぎ込んでおり、社員1500人のうち半分以上がエンジニアで構成されている。
中国企業が世界から人材を集めて性能とデザインを向上させたことから、ダイソンなど欧州企業や韓国企業は中国の国内市場で力を発揮できずにいる。
サムスン電子、LG電子は優秀な性能を武器に、家電販売では米国で合計約40%のシェアを記録するなど善戦しているが、両社の中国市場におけるシェアは1%程度にとどまっている。
外国企業が、中国企業が製品を真似した、製造技術を盗人したとして提訴すれば、中国政府が提訴した企業を輸入制裁することから、まともに提訴できない事態が長年続いている。
ダイソン直撃(本社:シンガポール/英国:本店)/中国市場・チャイソンに敗退
充電型掃除機、羽なし扇風機など革新的な家電製品を開発してきたダイソンが、英国で従業員の3分の1近くを削減することを決めた。英国には3000人の従業員がおり、うち1000人を削減する。世界には15000人の従業員がおり、世界でも人員削減を行う方針。
ダイソンを模倣しながらも価格が安い中国製品「チャイソン(チャイナとダイソンの造語)」が中国だけでなく全世界の市場に食い込み、ダイソンを危機に追い込んだと分析されている。
中国製家電は、ロボット掃除機など一部品目で「コストパフォーマンス製品」のみならず、ハイエンド(高価格)市場まで掌握している。
ダイソンの充電型掃除機は、2013年に中国進出、2018年の販売シェアは61%まで高まった。しかし、価格10分の1のチャイソンの出現で、今ではシェアも販売量も大幅に減少している。
(23年12月期まで全体では売上高は上昇しているが、利益は22年期から減少に転じている。販売・価格競争に粗利を悪化させている。)
ダイソン製品「サイクロンV10」の最低価格は約46,000円。この製品と形状が似ている中国・ディベア(Dibea・蘇州地貝電器科技)製のTSX-25000Aは約19,000円、シャオミ(小米)のM22は約17,000円。
アマゾンで43,000円~132,000で販売されているダイソンの美容ヘアードライヤー「エアラップ」を模した製品も中国では最低価格2200円台から販売している。
中国は昔から時計や貨幣・紙幣などの模造品天国であったが、今や、時計などにとどまらず、自動車のデザインも盗み、その模倣速度が飛躍的に高まっている。その上、海外の電子製品企業の技術者を大量に採用し、技術も向上させ、デザイン・品質も優秀な模造品を製造している。
(韓国の現代自がBMWやランボルギーニからデザイナーを引っこ抜き、重用し、安価に販売して欧州市場を席巻、技術に問題が生じれば、ドイツ大手から生産部長級を何人も引っこ抜き、生産・品質システムを向上させ現在があり、中国企業も似た動きをしている。)
中国政府は、中国進出の外資製造業者に対して製造図面を強制的に提出させたり、特許主義を逆手に取り、外国企業が意匠や製品を中国で特許申請する前に中国企業が登録し、外国企業や外資企業が中国で販売できない事態に至らしめている。
裁判ではこの特許主義が最優先され、中国企業保護が最優先されており、世界の常識は通用しない国でもある。
(韓国では日本開発の農産物の特許も韓国企業申請を最優先させ流通させ・輸出までしている。中国は日本製農産物の特許は無視。)
中国では、2018年以降、デザインや製品をかつてに模倣することから知的財産権問題が浮上、しかし、ラチがあかないことから、米国は、知的財産権問題や安全保障面から、1000件あまりの企業・個人制裁や法制定により貿易(中国からの輸入)そのものに圧力をかけている。
中国製でも中国の大手メーカー製は品質・安全性も飛躍的に向上してきているが、分けのわからないメーカーや、3流企業の製品を主に扱う通販企業の製品は、安全性・発がん性など健康問題など多くの問題を抱えている。
幼児用粉ミルクを増量するため、有害なメラミン粉末を加量して、幼児の大量死など大健康被害をもたらした国であり、新コロナワクチンでも大手メーカー品が大不足時に、大手ワクチンメーカーのラベルを偽造して貼り、純水入りの偽ワクチンボトルを大量に流通させ、また輸出して、摘発されていた(新コロナに対して効力0だが、純水だったため健康被害は生じていない)。
中国の大手メーカーはすでに国際進出しており、不良品を販売すれば、大問題になり、致命傷になる可能性もあり、安全と品質を飛躍的に向上させている。
中国の基本方針、
技術は開発するには時間がかかる。盗め。
その手段として、
●先進国の大学や企業の研究所に在籍している中国人(教授・研究員・学生)にスパイさせる。千人計画・・・超優秀人材の確保、今では述8千人以上が海外から採用されている
●先進国の先端企業会社の買収、・・・最後まで抵抗したドイツ政府だったが、先進国の先端企業は2018年までに中国企業による買収は認可制が採られ、迂回も含め実質シャットアウトしている。
●中央政府が主導して、中国工場進出の製造会社に対して図面を提出させ、先進国の製造技術を盗人。
●中国は大人に成長したと錯覚し、一帯一路軍事覇権戦略に基づき、西側諸国に対して挑戦状を突きつけ、安全保障・人権問題を台頭させてきている。長期政権は悪玉菌がその土壌に掬う。