北欧バッテリーのノースボルト破産申請(民事再生) 先はあるのか 一考
EV=電気自動車向けのバッテリーを製造する北欧スウェーデンに本部があるバッテリーの新興メーカー「ノースボルト」が、拠点のある米国の裁判所に、連邦破産法第11条(日本の民事再生)の適用を申請した。
ノースボルトは欧州勢では唯一のEV用電池メーカー。
欧州EVの需要が落ち込んでいる影響がでている。EV販売が計画倒れに陥り、VWが本国のドイツ3工場を閉鎖する大リストラに取り掛かり、関連する業界にも波及する形となった。
アメリカのEVメーカー、テスラの元幹部が設立し、スウェーデンに3年前、工場を稼働させたが量産体制の整備の遅れやEV市場の販売減速などを受け、業績が悪化していた。
ノースボルトはVWの出資を受け、ドイツ工場建設に取り掛かっている。
ノースボルトは、今年9月にはスウェーデン国内のおよそ1600人の人員を削減すると発表して、拠点の一部がある米国での今回の申請は経営再建に向けた手続きだと説明している。
ノースボルトによると、申請を通じ、新たな調達が可能となる資金、2億4500万ドル(約380億円)を再建にあてる予定で、工場の稼働や従業員への賃金の支払いは続ける予定だとしている。
同社は、ヨーロッパが、中国などからの供給に依存しているバッテリーについて域内で生産を行う企業としてその動向が注目されていた※。
しかし、ヨーロッパで、EVの需要が落ち込むなかでその影響が自動車メーカーだけでなく、関連業界にも広く波及する形となっている。
ノースボルトは、スウェーデンのシェレフテオにある同社の主力バッテリーギガファクトリーである「ノースボルト・エット」と、スウェーデンのヴェステロースにある「ノースボルト・ラボ」は引き続き稼働する。
ドイツとカナダでプロジェクトを展開しているノースボルトABの子会社であるノースボルト・ドイツとノースボルト・ノースアメリカは、別々に資金調達されており、チャプター11のプロセス外でもノースボルトの戦略的ポジショニングの重要な部分として通常通りの運営を継続するとしている。
経営不振は子会社の破産露呈から
ノースボルトは9月23日、Northvolt Ett Expansionプロジェクト(工場拡張プロジェクト)の中止を決定した。同社は直接の従業員を持たず建設プロジェクトを管理しているNorthvolt ABの子会社Northvolt Ett Expansion AB(Ett Expansion AB)、10月8日、ストックホルム地方裁判所に破産申請した。
この申請は、Ett Expansion ABの財務状況が原因との内容書がで提出されていた。
同社はEtt Expansion ABはグループ20社のうちの1社であり、ほかのグループ社へは影響せず、関係もしないとしていた。
しかし、ノースボルトの信用はガタ落ち、今回の本体の経営破綻となった。
以上、報道参照
ノースボルトは今年3月、北部ドイツに工場を着工している。2026年生産開始予定、年間最大生産能力は60ギガワット時(GWh)=EV100万台に対応。
※欧州自動車メーカーの中国勢バッテリーメーカー依存度はそれほど大きくない。囃し立ててもEV販売数量もまだ少なく、欧州にはすでにLGエネルギーがポーランドに、SKオンとサムスンSDIがハンガリーに進出しており、韓国勢のバッテリー需要が大きい。
ただ、ベンツ等EVの大衆車は価格を下げるため、韓国勢の3元系より2~3割安価な中国勢のLFP(リン酸鉄リチウムイオン電池)電池を搭載している。
ノースボルトも3元系であり、中国勢の欧州メーカーに対する販売攻勢の影響を受けている。
北欧の新興バッテリーメーカーのノースボルト、韓国勢の欧州進出に唯一欧州で名乗りを上げていた。
矢継ぎ早に工場を開設、スウェーデンのほかドイツやカナダにも工場進出し、欧州勢の、ドイツ勢のEVを支えるメーカーでもあった。しかし、すべてが露×ウクライナ戦争により壮大な構想の地球温暖化対策が資金面で打撃を受け、環境にうるさいドイツは購入補助金も2023年12月までに打ち切り、EV販売が急速に落ちている。
米国でのEV販売は、昨年年初からEV購入補助金が付き、好調に販売台数を伸ばした。しかし、早、夏場には異変が生じ、その販売の勢いはなくなった。
●補助金が付いてもEVは高い
●地方ではインフラ整備が遅れ長蛇の列の実態、
●充電時間の問題、急速充電対応は車両側と充電スタンド側の双方にあり、車両も所在も限定されている。
●安全性問題・火災問題
●冬場極寒地となった地域ではEVの出力が上がらず動かなかった問題
など、環境より利便性にも問題を抱え販売に苦戦しだし、大増産していたEVが在庫の山になり、大幅値引きしても売れず、
● EVの中古車価格が暴落、
市場では、EVどころか、環境性能+価格と性能でコスパに優れるHVが見直され、HVの大量購入時代になってしまった。
● 新たにトランプリスクも生じている。
米国の7500ドルの購入補助金廃止の可能性。選考するテスラのマスク氏も容認する可能性大(市場介入しない小さな政府構想)。
こうした流れは、欧州でも生じ、EVが売れなくなっている。しかも、そこに登場したのが中国勢、売れなくなった欧州勢のEVに変わって安価な中国製が購入されるようになった。
バイデンが苦しめた欧州経済、結果EV高価で売れず
欧州も、米バイデン政権の巨額政府投資(2021年1.9兆ドル)による世界の資源価格が上昇、加えて2022年3月の露制裁により、エネルギー価格も急騰、現在は落ち着いたものの、高値安定となっている。
2020年1月末のロシア産LNG価格は8.72ドル(欧州価格)、
2021年12月末には、欧州のTTFで天然ガス価格が年初8倍の60ドル/MMBtuに達し、露制裁によりパイプライン経由のロシア産天然ガスの購入をしなくなった欧州。
2022年8月には339ドルまで沸騰した。
現在は43ドルまで下げているが、新コロナ前より4~5倍高い価格となっている。
(こうした高値や財政難の中でのウクライナ巨額支援により、EUの国々で、自分の生活が・自国民生活最優先の民族主義が台頭してきている)
欧州は物価高騰や金利高に対して給与を上げており、物価高をある程度吸収させ、一方でインフレ退治の高金利、当然、自動車購入ローンの金利も高く、販売には大きなマイナス。ドイツのように高金利下、補助金までなくなれば、当然、高いEVを購入する人たちは減少する。
欧州全体がインフレ退治の高金利で不景気に、不景気により物価は下がり、現在は、経済を回復させるために金利を下げにかかっている。
ひねくれた考察が真実味を帯びる
(露制裁、米国は新たに欧州市場に天然ガスと原油の売込みに大成功した。ウクライナ戦争を暗に仕掛けたのは米バイデン政権かもしけない、バイデン氏は当時2期目を目指しており、ユダヤ資本との結びつきも強めていた。バイデン氏とシェブロンの関係は濃厚であり、シェブロン=ロックフェラー・ユダヤ財閥という関係。選挙には膨大な金がかかる。バイデンは2014年2月のウクライナクーデター当時もオバマ政権下で、副大統領としてウクライナを担当、後、倅が同国企業の取締役に就任、ほとんど米国にいながら巨額報酬を受けていたことも発覚し、トランプ氏から追及されていた。トランプ氏は2期目を目指していた2020年、ゼレンスキーに対してバイデン倅の癒着内容を精査するように要請、当然、選挙戦に使用するためだった。しかし、それに是連スキーはウ大統領でありながら応えなかった。トランプ氏は選挙戦でも現在でも露×ウクライナ戦争は早期に終わらせるとしており、ゼレンスキーがいくら強く支援を求めても、トランプ政権が兵器や弾薬をウクライナに送らなければ、ウクライナは内容がどうであれ露との停戦に合意するしかない。)
中国は、政府主導の「中国製造2025」政策で製造力の強化がはかられ、中国勢のEV・新エネ車の大量生産により、国内需要をオーバーフロー、欧州市場へ雪崩れ込み、欧州は危機感から関税障壁を作り、欧州メーカーの防御に当たる始末。
2ヶ月後には米国でトランプ政権が誕生する。パリ協定を再び離脱する可能性が高く、価格が下がらなければ、EV販売は大きく後退することになる。
中国勢が保有するLFP電池は、韓国勢+ノースボルト+パナ社が有する3元系より2~3割安価、ニッケルやコバルト価格が下がっても両レアメタルを使用しないLFP電池には適わない。
立ちはだかっているのは米中戦争(形式は貿易経済戦争)、安価なLFPの電池には高額関税をかけ遮断、高価格の3元系の韓国勢には高額補助金を付けて米国へ工場誘致、しかし、搭載した車両は高く、高所得の環境派に一巡して販売の伸びは大幅鈍化、価格を下げない限り、補助金を付けても売れなくなっている。
欧州では、経済回復途上、給与が上がったとしても物価高で国民にユトリはなく、ここでもEVが売れず、準環境車のHVが売れている。当然、EVが売れないのは価格が高いことに起因している。
そうした中、世界№1の中国CATLがドイツに本格進出(2022末に生産開始)、改LFPを開発した同社は工場(新たにドイツとハンガリーに改改LFP電池の製造工場を建設する)を、BYD等は車両生産工場の進出を図っている。BYDの場合は特にバッテリーメーカーでもあり、車両工場進出後はバッテリー工場進出は机上に乗っていると見られ、欧州市場はこのままでは中国勢に市場をのっとられると見られる。現在問題となっている中国勢のEVの輸入問題は一過性のものでしかない。
ノースボルトはそうした欧州で生産する中国勢に対応できるのか、政治的な保護がなければ難しい。
テスラのマスクがトランプに付いたのは、そうした米国市場での優位性を保持し続けることにあるようだ(労組問題で民主党を嫌う)。
なお、LFP電池は大手メーカーはESS用などにどこでも生産している。車両の場合、250キロが限界とされたLFP電池をCATLが製造方法を見直し2020年に一気に400キロまで伸ばし、現在はさらに伸ばしている。
そのパテント技術を避けた製造での改LFP電池は、LGでも2021年から開発に当たっているが、独自製法による改LFP電池を製造するには至っていない。
小泉が日本をぶっ壊した
こうした開発に一番適しているのは日本、しかし、愚かな小泉首相は自民党どころか日本をぶっ壊し、現在に至るまで研究所や大学への研究開発費を減少させ続け、開発力を削ぎ続けさせている。バックボーンをなくした日本にラピダスは必要なく、バックボーンーの再構築資金として、ラピダスに投入する税金4兆円あまりを、使用すべきではないだろうか。ハードより、ソフトが大前提だが、取り付かれたようにハードに資金が向かっている。
半導体の巨人サムスンすら半導体の発熱・消費電力問題を解決できず、SKに先を越される事態に陥っている。今や初心者マークをつけている日本の半導体産業に何ができるというのだろうか。IBMにその力があるのか、稼動してもおいしいところは商品価値がなくなるまですべて持ち逃げされそうだ。(ホンダはGMと組みEV開発に当たるとしたが、結局ボッタくられることがわかり、大衆車向け車両開発の締結を解消している)。
日本に今求められているのは、半導体素材の研究開発、次世代コンピューティングシステムの開発、新たなシステム半導体の開発と設計、半導体製造の設計能力であるが、基礎部分が欠落して十数年が経過し、達磨さん状態。
(かろうじて量子コンピュータ分野だけは世界の最先端の一分野を担っている)。
スクロール→
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世界各国のEV販売 2024年1~6月累計 |
|||
|
|
国名 |
/万台 |
前年比 |
|
1 |
中国 |
278.2 |
9.3% |
|
2 |
米国 |
58.8 |
6.1% |
|
3 |
ドイツ |
18.4 |
-16.4% |
|
4 |
英国 |
17.5 |
7.7% |
|
5 |
フランス |
17.2 |
13.9% |
|
6 |
韓国 |
6.5 |
-16.5% |
|
7 |
オランダ |
6.0 |
3.5% |
|
8 |
カナダ |
5.8 |
28.7% |
|
9 |
ノルウェー |
5.2 |
-5.9% |
|
10 |
ベルギー |
5.0 |
35.2% |





