アイコン 厚生労働省、訪問介護実態調査を強化 ~現場の厳しい経営状況に光を当てる~


厚生労働省は13日、社会保障審議会介護給付費分科会を開き、2025年度介護事業経営概況調査の内容を発表した。今回の調査では、従来の項目に加え、訪問介護の移動手段や移動時間など、現場の実態をより詳細に把握するための新たな設問が設けられる。これは、2024年度の報酬改定で訪問介護の基本報酬が2.4%引き下げられた背景を受け、サービス提供の実態と収益構造を明確にする狙いがある。

調査は、介護保険サービス全体を対象に3年に一度実施され、報酬改定前後のサービス状況や職員給与の動向を分析。次回の報酬改定の議論の材料として活用される予定だ。特に、訪問介護に関しては、22年度の経営実態調査で同サービスの利益率が7.8%と他のサービスに比べ高いことが指摘されており、効率的に訪問できる事業者と、一軒ずつ利用者宅を訪問する事業者との間で収益格差が生じている点が問題視されている。

 

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現場からは、訪問介護事業所の倒産が過去最多に上るとの民間調査結果を踏まえ、地域の重要な福祉サービスを担う事業所が淘汰される事態に対する懸念が上がっている。全国市長会の長内繁樹大阪府豊中市長は、「地域を支えている事業所が淘汰されないよう、実態をしっかり把握してほしい」と要望。さらに、全国老人福祉施設協議会の小泉立志副会長は、現場の多くの課題に対して経営努力だけでは限界があるとし、支援の必要性を訴えた。

また、今回の調査では介護テクノロジーの導入状況や、保守点検にかかるランニングコストについても調査項目に加えられる。調査は5月に実施され、結果は12月頃に発表される見通しだ。

 

【問題点】
・訪問介護における収益格差:効率的な運営が可能な事業者と、そうでない事業者との間に大きな格差が存在。
・事業所倒産の増加:採算悪化により、多くの訪問介護事業所が倒産の危機に直面している。
・経営基盤の脆弱性:中小規模の事業者が、報酬改定や新たな技術導入によるコスト増加に対して十分に対応できない恐れがある。

介護施設

[ 2025年2月26日 ]
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