米価格高騰の背景 個人転売よりも問屋の動きがカギ
最近、米の価格が大きく上がっている。スーパーでは5kgあたり4,000円近くになり、家計にとって負担が増している。SNSでは「転売ヤーのせいで米が高騰している」という声もあるが、本当にそうなのだろうか?
個人の転売屋の影響は限定的
米は市場規模が大きく、年間700万トン以上が流通する。そのため、個人が数十kgや数百kg買い占めたとしても、市場全体にはほとんど影響がない。
また、米は湿気や虫の影響を受けやすく、大量に保存するのが難しい。加えて、小売価格はスーパーや業務用卸が決めるため、転売による価格操作も限られる。
大手問屋の動きが価格を左右
一方で、米の流通を担う大手問屋や全農(全国農業協同組合連合会)の動きは、価格に大きな影響を与える。
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買い占めや保管の影響
大手問屋は全国の農家から大量に集荷し、倉庫で長期間保存できる。そのため、市場に供給する量を調整し、価格を引き上げることが可能だ。 -
流通量のコントロール
全農などの大手流通業者が、価格が高いタイミングで放出することで、利益を最大化しようとする動きも指摘されている。 -
先物市場との関係
2023年8月、日本に「堂島米先物取引所」が開設された。投機筋(ハゲタカファンドなど)がここで取引し、価格を吊り上げている可能性もある。もし、大手問屋がこの先物市場と連携し、流通米を意図的に減らしているとすれば、価格高騰の一因となる。
今後の課題は?
米価の安定には、政府の備蓄米の放出を増やすことや、問屋による供給調整の監視が必要だ。輸入米の活用も検討されるべきだろう。
一方で、米の需要そのものが減少していることも見逃せない。2008年には824万トンあった米の消費量は、2020年には713万トンまで減少。今回の価格高騰がさらに「米離れ」を加速させる懸念もある。
米は日本人の主食であり、安定供給が求められる。今後、政府や流通業者がどのような対応をとるのか、注視していく必要がある。






