アイコン 韓国新政府も動き出した石油化学品業界 トップの「麗川NCC」危機


欧米などの露制裁によりロシアは国際相場より2割以上安価に原油を販売せざるを得ない状況に追い込まれている。しかも欧州の海運保険会社がロシア産を運搬する船舶に対して保険を付けず封鎖を図っているが、実際は、無保険でも運航する船舶会社がいくらでもあり、今や欧州の封じ込め策は意味をなしていない。
現実には、中・後進国は為替安・インフレで資源高もあり、安価に購入できるロシア産原油や石油製品を喜んで購入している。
世界で見れば、露を制裁している国より、反対もしくは意思表示していない国の数の方が圧倒して多いのも現実だ。

インドもそうであり、露制裁前はインドの輸入原油のロシア産原油は1%に過ぎなかったが、今では40%を超え、その多くがインドで原油を精製した石油製品や石油化学品が、ロシアが失った欧州市場へ安価に輸出されている。

全く面白くないのは米国、世界最大の産油国でもある米国は欧州石油市場を掌握する予定だったが、インドにしてやられ、怒ったトランプ政権はインドに対して懲罰の関税爆弾25%を落とし、計50%関税を8月28日から発効させる。

 

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ただ、プーチンは、ウクライナとの和平交渉で、欧米に対して、露制裁を大幅緩和させる条件を付けることは当然のこと。露産原油につき、インド・中国への二次制裁はできなくなる可能性が高い。

中国も安価なロシア産原油を購入して精製して輸出している。中国は一帯一路で取り込んだ世界中の相手国に対して、これまた安価な露産原油を精製した石油製品や石油化学品を輸出している。中国の場合は、国営企業はこれまで通りだが、民間企業が露産原油を購入し、輸出を拡大させている。

こうした露制裁により、インドが石油生産や石油化学品の一大輸出国に急変貌、それも安価に販売しており、その煽りを受けているのが、これまで石油製品の大輸出国だった韓国、石油市場が露産原油を扱う中印勢に奪われ、窮地に追い込まれている。

さらに、サウジやUAEの中東産油国勢が、自国の原油に付加価値を付けるため原油精製事業を拡大、石油製品や石油化学品を輸出し、中印に加えて韓国勢の市場を奪っている。

こうした流れは2022年3月の露制裁から始まっており、通常価格で購入する韓国勢はこの間、価格競争力も失している。

韓国の石油化学品製造会社の「麗川NCC」、「ロッテケミカル」、「LG化学」は昨年から一部の工場が相次いで操業をストップ、それも「麗川NCC」は現在経営危機に陥っており、親企業の2社に支援を求めている。今回はうち1社が支援しない方針で、業界が不安に似合地言っている。
石油化学のハンファソリューション、錦湖石油化学も昨年は赤字を出している。

李在明大統領は8月14日、首席·補佐官会議を主宰した席で石油化学再編対策を用意しろと指示した。 イ大統領は当時「石油化学がかなり大きな危機にある」としてグローバル需要不振と中国発供給過剰を原因と指摘。 そして政府と企業が力を合わせて石油化学産業を蘇らせなければならないという意思を明確にした。

これを契機に20日にはク·ユンチョル経済副総理兼企画財政部長官の主宰で「産業競争力強化関係長官会議」を開催する。

ただ、李政権は「先の自力救済策、後の支援」を原則にしている。 カン·フンシク大統領秘書室長は19日「大株主の強力な自助努力が前提」として、「大統領室と政府が使えるすべての手段を投じる」と明らかにしている。 公正取引委員会も企業結合審査「速度戦」に備えた作業に着手したことが確認されている。

韓国の5大基幹作業の1つである石油化学産業、
ハンファとDL(旧・大林)の石油化学品製造施設を統合して誕生した業界トップの「麗川NCC」、8月21日までに3100億ウォン(約330億円)を返済できなければ不渡りとなる可能性が出でいる。
(3月にそれぞれ1000億ウォン支援しており、今回は2回目、DLは追加支援に慎重だったが、支援を決定した模様)

李政権が政府系の産業銀行を使い「麗川NCC」を一時的に救済するか、親会社2社に救済を命じるしか破綻を逃れる道はなさそうだ。

韓国勢は石油精製会社からナフサを購入して、プラスチック材料のエチレンを生産、主に中国に輸出していた。

中国の内需不振もあり、エチレン需要が限られる中、中国の石油化学品メーカーは、石油精製会社からロシア産原油を精製したナフサを安価に仕入れ、韓国勢の中国市場を中国産勢が奪ったもの、中国勢はここ3年で年間2500万トンの生産施設を拡充、さらに2027年までに1500万トン設備を新設する計画。韓国勢は合わせても1500万トンの生産量であり、韓国勢は中国市場を失っている。

中国勢はさらに生産拡大すれば、FTA関係にある韓国市場にエチレンを逆輸出する可能性もあり、韓国の石油化学品業界は最大の危機に陥る。

鉄鋼のパターンも同じようなもの、
中国製鉄鋼製品が韓国へ大量に輸出され、韓国の鉄鋼メーカーの市場を奪っている。受注好調の韓国造船業界でも厚板を10%から20%に使用率を増加させ、今では30%を中国製としている。その結果、韓国市場を中国勢に追われた韓国勢は、日本へ輸出拡大、日本の鉄鋼会社は政府に対してダンピング調査に入るように要請している。

 

 

[ 2025年8月20日 ]

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