原油価格66ドル台まで急落 サウジ・ロシア増産意向
OPEC+αのサウジもロシアも減産で、ここのところの価格上昇で大そう儲かったろうが、味をしめている間に、原油輸出市場の新参もの米国が世界市場を駆逐していることに、慌てたふためき、増産に入るという。
(OPEC+αの目標は日量170万バレル減産、結果240万バレル減産で推移し、供給増が解消され逼迫し高騰している。ベネズエラの生産施設が老朽化により200万バレル生産枠が150万バレルまで減少していることも大きな原因の一つ)
OPEC中核のサウジは、OPEC加盟国で協議し増産量を決定する必要があるが、ロシアはOPECではないため、即増産体制に入ることになる。
原油価格の上昇にサウジの王様は80~100ドルを目指すとしていたが、米中貿易戦争において、米国からの巨額輸入を確約して和解した中国は、米原油・LNGの輸入を核にするしかなく、その分、ロシアやイラン・中東から安定して購入している原油の輸入が減ることになる。
米トランプが世界の2大市場に仕掛けた貿易戦争、残る欧州も保留している232条制裁をどうするか5月待つまでに決定する。また、自動車および自動車部品に仕掛ける次の米トランプの232条制裁が今後どうなるのか、また、その報復はどうなるのか、貿易変数が吹き荒れ続けている。
どっち道、世界の貿易=経済は、米トランプ保護貿易主義により危機に瀕しており、停滞すれば、原油価格も当然下がる。しかも、超大口輸入国である中国も日本も韓国も米国との貿易黒字減らしに米国からの原油やLNGの輸入を拡大することだけは間違いなく、OPEC+αの輸出市場が縮小することになる。
OPECやロシアが短期ものにシフトせざるを得なくなった場合、供給や価格の安定性もなく、再び暴落の懸念さえ浮上する。
この間、米国の原油生産量も増加の一方をたどっている。
(LNGの巨大タンカーはパナマ運河を通過できず、米国産の原油の極東アジア諸国への輸出は、輸入国にあってその調達コストが中東産に比しかなり割高になる)
<米国の自動車事情>
米国のガソリン価格は、暴落前の3.67ドルから1.7ドルまで下がり、再び上昇し暴落前の最高値を更新し続け現在2.92ドル(EIA)となっている。
米トランプが推奨した大型で大飯し喰らいのP/Uトラックの維持費は増加し、3大メーカーの儲け頭のP/Uが売れなくなる危険性すらある。また、燃料価格の上昇は米国消費者の消費活動にも影響する。
米国は、FTAやNAFTAを締結していない国からのSUV輸入は、現行、25%の関税をかけているが、日本勢車やドイツ勢車はそれでも売れている(米国で人気が剥離している乗用車セダン型は2%関税)。その上でトランプが232条制裁を行使し、SUVに25%賦課すれば50%の関税となり、まったく外国産車のSUVは売れなくなる。そこまで読みきって、自動車の232条関税制裁を表明した可能性すらある。(トヨタのレクサスは特に大打撃を受ける)。
米トランプは、原油価格が高くなり過ぎており、自国の自動車販売台数に影響を与えているとし、OPEC=サウジに減産を止めろと言い放ったが、その後、イラン核合意離脱、強力制裁復活を表明し、自らが原油価格をさらに急騰させていた。
今後、原油価格の下落で米自動車市場の販売も回復すると見られるが・・・。トランプ変数は常道を逸しており読むことすらできないのが現実。
直近の原油価格/1バレル当たりのドル価
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WTI先物価格
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北海ブレント先物価格
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2018年5月17日
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71.53
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80.50
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2018年5月21日
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72.28
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2018年5月22日
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72.10
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2018年5月25日
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67.88
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78.78
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2018年5月28日
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66.38
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75.19
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米国自動車販売台数
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/千台
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販売台数
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前年比
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備考
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2015年
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17,479
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5.7%
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2016年
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17,550
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0.4%
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2017年
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17,230
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-1.8%
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2018年1月
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1,154
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1.0%
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2018年2月
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1,302
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-2.4%
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2018年3月
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1,654
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6.3%
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2018年4月
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1,103
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-5.5%
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GM除く
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・GMは2018年4月から四半期毎しか販売台数を発表しないと方針変更した。2017年GMの市場シェアは17.4%。
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