アイコン スリランカ 財政破綻は時間の問題か 中国による借金漬物国

 

 

2017年のスリランカのGDPは875.9億米ドル、2016年の輸出は103.1億米ドル、輸入は194.0億米ドル、貿易収支赤字。借金の返済額19年には42億ドル。2016年の外貨準備高は60億ドル。

<毎年巨額返済>
スリランカのサマラウィラ財務相は、10年に及ぶラジャパクサ前政権から引き継いだ中国依存の大型プロジェクトは、経済規模が870億ドル(約9兆6600億円)程度のスリランカにとって重荷だと説明している。前ラジャパクサ大統領は親中派とされ、中国から多数の(借款としては高利な)融資や援助を受けてきた。
サマラウィラ財務相は、債務返済額が過去最高の水準に膨らみ、債務危機に向かっていると危機感をあらわにした。
スリランカの2018年の元利の支払額は28億4000万ドル(約3150億円)に達し、19年には42億8000万ドルになると予想している。大半は前政権が取り組んだ大型プロジェクトのための巨額融資の返済分だという。

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<親中派政権側が大デモ>
スリランカではここ数日、現政権の政策に反対するデモが相次いでいる。公約だった汚職一掃が果たされていないことや、中国へ国の重要港湾を明け渡したことなど、複数の不満が抗議内容に含まれている。
9月5日、前大統領ラジャパクサ氏が率いる数万人の抗議者が、首都コロンボの複数の主要道路を閉鎖した。混乱により、付近の学校は休校し、多くの企業が従業員を早退させた。
抗議活動を組織した一人の国会議員は、現シリセナ政権が、世論に反して国の資産を外国に売っていることに抗議の声を上げたと述べた。
また、生活費が大幅に上昇しているにもかかわらず、政府が税金の徴収を増やしていることなどから、国民は生計を立てることが困難になっているという。

一方、現シリセナ政権は、政府が抱える借金は、親中派ラジャパクサ政権時代に受け付けた巨額融資によると主張している。

2015年の政権交代後、中国からの借金の返済ができないと計算したシリセナ政権政府(全方位外交)は2017年、インド洋に面し、国際物流拠点となるハンバントタ港の運営権を、99年契約で中国に貸し出した。
このたびのデモに参加した反シリセナ政権派は、この重要港の明け渡しが、スリランカの主権を脅したと主張している。インド洋での海洋覇権を狙う、中国側による借款という借金の漬物戦略のたまもの。

世界に中国主導のインフラ計画を展開する「一帯一路」構想では、インド洋でもスリランカのほか、モルディブを借金の漬物にしており、存在感を強めている。

中国は、スリランカの沿岸部の都市に、海上貿易ルートの確保のため港湾や道路、飛行場などの建設などに投資している。
スリランカはインド南部にある島国、人口2100万人。国会は2020年8月まで。議員の3分の2が解散に同意しない限り、2020年2月まで選挙は行なわれない。
しかし、2015年の大統領選で現職のセリシア氏に敗れたラジャパクサ前大統領は、再出馬を表明している。
以上、報道参考

現大統領になり、ラジャパクサ前大統領の弟を不正で逮捕したが、それ以外捜査は進んでいない。
中国の200億円の借款で中国企業と中国の労働者により造ったマッタラ・ラージャパクサ国際空港は、利用客は1日あたり10人という(フォーブス)。セスナ機しか飛べない客数、今後、中国から大量に観光客を送り込むともいうのだろうか。ただ、現政権は中国寄りではなく、中国としてはスリランカ最南部のハンバントタ港をスリランカへの借款で開発させ、99年間借用するという目標を達成したため、観光客を送り込むこともないだろう。モリディブには大量の観光客を送り込んでいる。
マッタラ・ラージャパクサ国際空港もまたハンバントタ港のように99年間、中国に貸与する可能性も指摘されている。

<中国への返済でいずれ首が回らなくなる>
2011万人のスリランカ民主社会主義共和国が正式名称で列記とした社会主義国、識字率100%、大学も無償など福祉・教育も行き届いている。しかし、その分公的債務はGDP比で75%に達し、東南アジア諸国より抜きん出て高い。

財政状況の悪化は、インフレ圧力上昇、経常赤字拡大、対外債務増大、為替安などをもたらし、スリランカ経済にとって大きなリスク・ファクター。財政立て直しには、国有企業重視や高福祉を見直すことによる歳出削減、税率見直しや課税ベース拡大などによる歳入増加が重要となる。
しかし、それには、元々前政権派かいる上に、国民の反発を買い、現政権は維持できなくなる。

中国への返済資金によりスリランカはいずれIMFのお世話になるしかないのであろうか。
中国は世界中の国々に借款で資金をバラ撒き、新植民地化を計っている。しかし、いずれ回収不能に陥る。そうした国々は財政悪化を招き、国民に対して税収増を図るしかなく、特にアフリカなどでは独裁国以外政情不安にもなる。

相手国の財力にまったく見合わない借款を出し続ける中国、それは中華思想による覇権戦略「一帯一路」に基づくもの。こうした国々に対して、日本も低利で借款しており、焦げ付くことも懸念される。
 

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[ 2018年9月10日 ]

 

 

 

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