アイコン 中国製造2025の半導体

 

 

中国は2015年に製造業育成方案を盛り込んだ「中国製造2025」戦略を策定、半導体の自給率を2020年までに40%、2025年までに70%まで引き上げるという「半導体崛起」を宣言した。
その後、グローバル半導体企業を相次いで買収合併し、2016年にはDRAM工場2ヶ所とNAND工場1ヶ所を着工した。
現在、中国で使用されるDRAMの95%以上がサムスン電子とSKハイニックスの韓国製品となっている。

特に、清華大学系の清華紫光集団(Tsinghua Unigroup)の子会社「長江ストレージ(YMTC)」は、2016年武漢新芯集成電路製造(XMC)に240億ドル(約2兆6500円)を投資して着工したNAND工場は2018年32層3D NANDの試作品の製作に成功している。今年からは64層NANDの生産を本格化する。

NANDは、東芝が開発した半導体、韓国のSKハイニックスが技術を盗んだことで知られる。そのSKハイニックスが現在の東芝メモリの株主でもあるという没落企業の節操のなさを目の当たりに見ることができる。
NANDの機能は、電源が切れると保存された資料が消えるDRAMやSRAMとは違い、電源がない状態でもデータが保存されるフラッシュメモリ。

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スマートフォンやPCのメイン保存装置に使われ、モノのインターネット(IoT)、ビッグデータ、自動運転車、人工知能(AI)の開発と共に需要が急増している。

ただ、DRAMでは、マイクロンなどのファンドリーメーカー(受託生産会社)UMC(聯華電子)が、中国の福建省晋華集成電路(JHICC/2025により福建省の地方政府が出資して新たに設立された会社)にマイクロンの製造技術を無許可で提供しているとして、マイクロンが米国の裁判所に提訴、その判決で特許権侵害と認定、米政府は2018年10月、台湾のUMCと中国のJHICCを米企業製製品およびサービスの提供を禁止する制裁を行った。
その結果、完成していたJHICCの工場は、米製半導体製造装置がセッティングされていたものの、メンテやサービスが受けられず、閉鎖状態に陥っている。

米国のSOX半導体指数は、昨年6月に、ここ10年来のピークの1460Pを付けたものの10月には米中貿易戦争の激化で反落して1060台を付けた。しかし、最近では米中貿易戦争の和解の動きと米経済の好調から1300P台まで回復している。
ただ、半導体価格は下落が進み、半導体輸出で持っている韓国の輸出額を押し下げ続けている。
半導体製造工場の生産が急増し、世界経済の鈍化(中国の自動車の販売台数減、スマホの世界販売台数減、PCの出荷減)、データセンター企業の業績悪化など)から、下落が続いている。

半導体の製造実績もないJHICCの米制裁は昨年10月であり、その後の上昇は、半導体価格指数は原油価格より相場師=ハゲタカ投資ファンドにより指数が左右されているようだ。
いずれにしろ中期トレンドでは、センサー含む半導体需要が大幅に上昇し続けることに間違いはない。すでに村田製作所のセラミックコンデンサはEV車両の生産増により急拡大している。

 

 
[ 2019年2月12日 ]

 

 

 

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