アイコン 文政権 民主労総と決別 何れ光州市で激突 ロウソクの灯が消えかかる

 

 

全国民主労働組合総連盟(民主労総)は文政権からパートナー待遇を受けてきた。文政権は、積弊清算という基準で前政権における「被害者」概念を民主労総に植えつけるとともに、ほとんどの違法デモに目を閉じた。
これまで、警察が暴行を受けても、器物が損壊しても、公共機関が占拠されても、ただ黙っていた。
キム・ミョンファン民主労総委員長が6月21日、ソウル永登浦警察署に出頭、しかし、「逮捕状を請求しないはず」という見方が多かった。
ところが、警察は、特殊公務員執行妨害、共同建造物侵入、示威に関する法律違反などで逮捕状を請求、裁判所も認めた。
民主労総は昨年5月、今年3月、4月に国会前で大規模集会を開催し、組合員が警察の阻止を突破して国会構内に進入、計70余名の警官が負傷。警察の装備も壊された。同容疑で5月に民主労総の幹部3人が逮捕されていた。

<民主労総は激高、反文政権でゼネスト予告>
民主労組にとってまさかが現実となり、予想以上に衝撃が大きい。
「もはやロウソク政府ではなく労働弾圧政府だ。全面的かつ大々的な闘争をする」と明らかにした。同労組のHPで「文政権は、朴槿恵政権と同じで財閥尊重、財閥特恵社会に向かおうとしている」と批判し、7月18日にゼネストを行うと予告した。

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<パートナーシップ破棄>
文政権は民主労総の要求をほとんど受け入れてきた。大統領が自ら「非正規職ゼロ」宣言をした。最低賃金を大幅に引き上げ、勤労時間の短縮を断行してきた。
国際労働機関(ILO)核心条約の批准も強行する態勢。労働組合を作ってストライキなど争議行為を事実上制限なく駆使できるよう保障する内容。
法を改正する時も民主労総の意見を取り入れてきた。
経済社会労働委員会法もそうだった。キム・ミョンファン委員長は1月末の代議員大会で「経済社会労働委員会法に我々の要求事項を入れた。我々が反対すれば議決できない構造にした」と述べた。
民主労総が国政を動かせるという自信として映る状況だった。

民主労総は経済社会労働委員会に参加しなかった。そして結局、狙い通りに3月の経済社会労働委員会本会議を白紙にした。
会議に出席しようとしていた文大統領の日程に支障が生じた。その後、本会議は一度も開かれなかった。
文政権は民主労総の要求を聞き入れてきたが、逮捕は不意打ちを食らったようなものだった。
任鍾ソク元大統領秘書室長は「民主労総は社会的弱者ではない」と一喝した。
洪永杓共に民主党議員は院内代表当時、「あまりにも一方的で話が通じない相手」と見切りをつけた。
李載甲雇用労働部長官は「座視しない」と述べた。
仲間内から見切られ、民主労総に対し集中砲火を浴びせている。

<盧政権時代にも>
盧武鉉元大統領は執権中、労働界代表者らと昼食会で「変わったと? 断言するが、変わりました。国政をしてみると変わるしかなかった」と述べていた。
文政権と与党に強く流れ始めている。
世論も似ている。
違法行為に対する警察の無気力な対応に批判が殺到した。
法と原則という原則的な国家の基礎に対する懸念が強まっている。
政府としては法治のサインを国民に与える必要がある。

深刻化する経済を反転させるための労使関係の変化も必要となっている。
民主労総が「総団結強力闘争」を宣言したが、効果は未知数。3月のゼネストでは全体組合員の1%にもならない3000人が参加にとどまった。
既に動力をほとんど失った状況。

ルノーサムスン社で見られたように産業現場の労働組合離脱現象も尋常でない。
パク・ジスン高麗大法学専門大学院教授は「民主労総が社会的な対話など変化を図らない限り、労政の葛藤が今後、政府の民主労総離れにつながることもある」と述べた。
以上、韓国紙など参照

韓国には、民間労組に、韓国労総とより過激な民主労総がある。共に文政権になり、両組織とも組織を急拡大させ、共に組合員は100万人とされている。
特に民主労総の過激振りは激しく、それにつられ韓国労総も過激になりつつある。当然、民主労総が過激による人気で組織力を拡大させれば、韓国労総も過激にならざるを得ない。人は過激になるとより過激を目指すという心理的な動きがある。

<造船大手2社の合併では・・・>
文政権になり、韓国GMの労働争議では社長室を外部者も含めた労組が占拠しても誰一人逮捕もされなかった。
しかし、最近では、韓国政府がこれまで悩んできた政府系の大宇造船海洋をやっと現代重工が買収することで決定したものの、その現代労組の株主総会を両労働組合が手を握り、予告された会場を占拠し、総会を開催させなかった。

<ルノーサムスンでは>
ただ、ルノーサムスンでは、昨年9月民主労総が執行部を握り、10月から賃上げの時限ストを続け、生産にも支障をきたす中、要求項目を拡大させ続けたものの、やっと5月、会社側と労組執行部は賃金上昇で和解、しかし、執行部が組合に和解案を諮ったところ過半が否決、全日スト体制に入った。
ところが、組合員の中から、反旗を翻す者たちが現れ、「客に迷惑はかけられない」として、スト当日、労務についた。ほぼ、平常生産分を生産したとされることから、かなりの労組員がストに参加せず、職務に着いたものと見られる。
要求をエスカレートさせ続ければ、ルノーサムスン車の販売減もあり、ルノーの撤退も予想され、職場がなければ労働組合を構成する従業員も必要なくなり、ただでさえ雇用不振の中、働くこともできなくなり、スト離脱派はそうした現実を踏まえたものと見られる。

<待っている文政権と労組の対決>
文政権が、雇用対策事業として目玉としている光州市が進める自動車受託生産工場、実質、光州市が運営し、労働者を支援する事業。既に現代自動車が生産車両を委託すると共に工場を指導する契約を取り交わしており、2022年にも本格生産を開始する。
光州市は左派勢力の総本山、しかし、雇用不振に見舞われ、その対策に市の自立型の当工場を作る。
ところが、こうした動きに現代自動車労組が猛反発している。受託生産工場の労働者の一年目の報酬は350万円と定められ、団体交渉も5年間禁止とされている。
900万円以上の現代自動車従業員の平均報酬、現代労組が光州型工場を容認すれば、現代自動車従業員の減少と低報酬化を招くのは必至、今後、他の地方都市でもこうした自治体型受託生産工場も予定されており、工場建設の停止を求め、来年から再来年にかけ、組合による大規模闘争が予想されている。既に闘争本部も構えている。

早かれ遅かれ、ろうそく民心の一翼を担ってきた労組と文政権は対決することになる。
ただ、自治体丸抱えの受託生産工場、VWの過去の政策を真似、生産コストを大幅に引き下げ、競争力を得て販売増となったとされるが、生産体制がグローバル化した現在、産業の空洞化を無理に止めようとしても限界があろうか。
韓国でも少子高齢化が進み、若者世代が加速度的に減少していき、少々の景気浮揚でも日本のように雇用難が生じることにもなる。

民心裁判が横行する韓国、ロウソク民心は文大統領の誕生を直接民主主義の勝利と称えた。しかし、法治国家が、その法を放棄し、法をロウソク民心に委ねるという異常なポピュリズム政権となってしまい、文氏は行政執行にその歪が顕著になり、法治国家に回帰する動きとなっている。
いずれにしろ、左派の文政権は労組と、あの光州事件の光州市で激突することになる。

文政権としては、支援してくれた労組も、もはや政権執行に邪魔な存在に化かし、逆に政権運営に支障となるとして、切ったものと見られる。
ロウソク民心は、北朝鮮愛派学生と左巻きの参与連帯などの市民会議派を抑えていれば、問題なしと見たようだ。
 

 
[ 2019年6月25日 ]

 

 

 

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