アイコン 明洞の空室率22% ユニクロ撤退で勝ち誇った韓国だがその実態は・・・


韓国経済新聞の記者らが2月19日に訪ねた明洞、梨泰院、新村・梨大商圏は営業している店舗より閉店しているところが多かったとその調査報告を掲載している。

かつて観光名所の明洞は週末になれば足の踏み場もない所だったが、明洞、梨泰院、大学街の新村、梨大などソウルの主要商圏はすでに崩壊している。
外国人観光客の減少により冷え込む状況に加え1年にわたり続く新コロナの感染で韓国人の足まで途絶えた。通りに面した1階の商店の半分は空室で、数億ウォンした権利金は0ウォンに落ちた。廃業費用も数千万ウォンに達し、一部自営業者は無期限休業に入った。

<明洞2街>
明洞商圏入口である明洞2街のヌーンスクエアから地下鉄4号線明洞駅まで500メートルの通りにある路面店67店のうち休業や空室になっているところは半分を超える34店に達した。
高い賃貸料でも「象徴性」という理由から明洞に進出したユニクロやH&Mなど海外アパレル店舗は昨年相次ぎ撤退した。「ソウル未来遺産」に登録された50年の老舗の「全州中央会館」も昨年7月に閉店している。<明洞8キル>
19日午後2時のソウル・明洞。商圏入口である明洞2街のヌーンスクエア前に立つと閉店している店舗が6店見えた。壁には「賃貸問い合わせ」「臨時休業」と書かれた案内文が貼られていた。
繁華街である明洞8キルにも空店舗が多かった。地下鉄4号線明洞駅までの500メートルにある路面店67店のうち34店は空室か休業中だった。
明洞8キルの真ん中にある5階建てのビルはまるごと空いていた。
4フロア規模のアパレル店を訪れる客は3~4人、向かいの化粧品店2店には客がおらずスタッフが1人ずついるだけだった。
営業中の露天商は3店にとどまった。1人でアパレル店の番をするオーナーは、「新型コロナウイルス前より売上高が90%以上減った。通りが復活するだろうという期待まで引っ込んだ」と話した。

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<梨泰院・新村の学生街>
昨年、クラブで新型コロナウイルス感染者が大量に発生した梨泰院は、500メートルの世界飲食文化通り沿いの路面店36店のうち休廃業したところは16店だった。
非対面授業で学生が減った梨花女子大学前も200メートルの通りに面した店舗57店のうち47店が廃業や休業していた。
地下鉄2号線新村駅近くで214平方メートル規模のカラオケ店を運営するパク・ジンシルさんは、「新型コロナウイルス流行後にできた負債だけで1億ウォン。売り上げをすべて合わせても固定費が支払えない状況で、夫が配達のバイトをして家賃の一部を出している」と話しているという。

<梨大・江南・>
江南のビヤホール、月売上高は3000万ウォンから550万ウォン、梨大前の店8割が休業している

<観光客急減で明洞の通りはガラガラ>
明洞、梨泰院、新村などソウルの主要商圏は2~3年前から下り坂を歩んでいた。オンライン取引の増加で客はますます減り、商圏を支えていた中国人観光客まで急減したためだ。新型コロナウイルスはこのように崖っぷちに立っていた自営業者を崖の下に突き落とした。1年近く続いた防疫指針で流動人口が大きく減少した上に、5人以上集合禁止など営業制限も受けた。

明洞商圏は新型コロナウイルスで観光客が途絶え衰退がさらに速く進んでいる。

企画財政部によると、1月韓国を訪れた中国人観光客は前年比▲98.5%減った。観光客が主に訪れる化粧品店とアパレル店の廃業が増えた理由となった。

<明洞の空室率22.3%>
韓国不動産院によると昨年10~12月期に明洞の3フロア以上または延面積330平方メートル以上の中大型店舗の空室率は22.3%で、前年同期の8.9%から2.5倍近く増えた。

明洞駅8番出口前にあるビルはユニクロ明洞中央店が1月31日に閉店してから1~4階が空いている。
ここは韓国で最も大きい4フロア3729平方メートル規模のユニクロ店舗だったところで、2011年のオープン初日に売り上げ20億ウォンを記録した。
スウェーデンのファッションブランドH&Mの韓国1号店である明洞ヌーンスクエア店も開店から10年が過ぎた昨年11月に閉店している。

<梨泰院、1億ウォン台の権利金は「無権利金」に>
居酒屋やクラブなどが集まっている梨泰院商圏も同じだった。
この日午後6時ごろ、ハミルトンホテル裏の世界飲食文化通り沿い500メートルで路面店36店のうち休業または廃業した店は16店に上った。
あるイタリアンレストランではテーブル15卓のうち2卓だけに客がいた。
梨泰院は昨年5月にクラブで新型コロナウイルスの集団感染が発生してから人々の足が途絶えた。
8ヶ月ほど遊興施設に下された集合禁止命令も直撃弾になった。これまで梨泰院はラウンジパブとクラブなど遊興施設を中心に商圏を守ってきた。
20年間で貯めた9億ウォンをかけて2018年に梨泰院でラウンジパブを開いたファンさんは新型コロナウイルス前には月間売り上げが6000万ウォンに達した。だがオープン後にまともに営業できた期間は1年ほどにすぎなかった。その後は集合禁止命令と夜10時以降の営業禁止により事実上閉店しなければならなかった。
営業していた期間も1ヶ月の売上高は1000万ウォンを超えることがなかった。
ファンさんは「賃貸料や電気料金など固定費だけで3500万ウォンかかるのに赤字が累積して18人いたスタッフも全員辞めてもらった。再オープンしても午後10時までしか営業できず、再オープンするか苦心している」と話した。

梨泰院のある不動産には路面店を無権利金で貸し出すという案内文が掲げられていた。
ある食堂オーナーは「人々が怖がって梨泰院に来ない。この状態であと3ヶ月すればほとんどすべての商人が持ちこたえられず出て行くだろう」と話した。

<大学・ビジネス商圏も人波途絶える>
ソウルの代表的大学街商圏である新村・梨大も閑散としている様子だった。
大学の授業が非対面に変わり訪れる学生が減ったためだ。この日梨大正門から京義中央線新村駅に続く200メートルの通りでは路面店57店のうち10店だけが営業していた。30店には「賃貸問い合わせ」と掲げられ、4店には休業案内文が貼られていた。残り13店は鉄の扉で閉ざされていた。
新型コロナウイルス流行前の昨年のこの時期に新入生会合やミーティングなどで賑わっていた延世大学周辺も荒涼としていた。

梨大前で粉食店を運営するパク・チュンヒさんは、「1997年の開業から24年で初めて廃業を悩んでいる」と話した。
新型コロナウイルスで授業が非対面に変わり店を訪れる学生は減り、売上高も▲60%以上減少した。
パクさんは「2014年から7年据え置いてきたキムチチャーハンの値段(6000ウォン)まで上げなければならないが悩ましい。いつか状況が良くなるだろうというには70歳を超えた年齢では心もとない」と吐露した。

2014年に1億ウォン以上の権利金を払って66平方メートル規模の靴店を開いたチョンさんは「毎日毎日契約期間だけは持ちこたえようという心情で生きている。
コロナ以前には1日70~80足を売ったが、今は1足も売れない時が多い」と話した。

<江南・光化門>
会社員が多い江南と光化門は他の商圏に比べ状況は相対的に良いが、ここもやはり空室が増加している。
韓国不動産院の統計を見ると、光化門の中大型店舗の空室率は15.3%で前年同期の3.7%より4倍以上に増えた。江南大路の中大型店舗空室率は4.05%から8.70%に上昇した。
地下鉄3号線良才駅近くで4年にわたりビヤホールを運営するイ・チャンホさんは「先月スタッフ5人のうち4人に辞めてもらった。コロナ前に平均3000万ウォンだった月間売上高は1ヶ月の賃貸料628万ウォンにも満たない550万ウォンに減った」と話した。
以上、韓国経済新聞より

<ホテル業界も深刻>
ソウル市内のホテルが不動産市場にあふれている。
江南最初の一流ホテルの瑞草区シェラトンパレスホテルと、「バーニングサン」事態で有名になった江南区のルメリディアンホテル、そして60年の伝統を誇る中区ダブルA(旧明洞アストリアホテル)が最近売却された。
龍山区クラウンホテル、中区ティーマークホテル明洞など売却交渉を進行中のホテルは数えきれないほど。
明洞地域のホテルの9割は売りに出されている。
業界では今年、ソウルのホテル全体のうち多ければ半分ほどが売却されると見込んでいるという。

韓国の内需経済の実態は、統計庁の発表数値よりかなり深刻のようだ。
2018年8月、文在寅大統領は自らに忖度しなかったとして突然、自らが就任させた統計庁長官を首にした。その後は当然、忖度長官に就任させ各種経済・労働統計の数値を発表している。

韓国ソウルの不動産価格はこれでは暴落するはずだがそうではない。
中国や米国をはじめとする投機資金がソウル首都圏の不動産市場に入り続けていることによるもので、上昇し続けることから国内の投資家も参戦してさらに上昇し続けてきた。

首都圏のマンション価格は文政権の20数回(うち大は4回)にわたる不動産価格規制強化策にもかかわらず上昇を続け、昨年、強力な不動産3法を施行し、やっとここのところ上昇率が抑えられてきている。当然、新コロナの影響もあろうか。
も一つの原因は、朴政権下ではソウル市の住宅供給数は5万戸、文政権下では各種開発規制を強化したことにより3万戸となり、需給バランスが大きく崩れ、上昇し続けてきたもの。
文政権はやっとそのことに気付き、住宅供給の大増加計画を発表している。しかし、実現するかどうかは開発規制の緩和を伴い疑わしい面もある。

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[ 2021年2月22日 ]

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