不明のインドネシア潜水艦 水圧で大破か
インドネシア海軍は24日、バリ島北方沖で消息を絶った潜水艦が沈没したと発表した。AP通信は、乗組員53人全員が死亡したとみられると伝えた。
潜水艦の艦内に備えていた酸素は3日分しか搭載しておらず24日朝までに尽きたという。
ロイター通信によると、潜水艦は大破した状態で水深約850メートルの場所にあるという。
この潜水艦が水圧に耐えられる約500メートルよりも深く沈んだため大破したとみられる。
不明になった海域では、潜水艦の魚雷発射管、冷却剤パイプラップ、潜望鏡潤滑油のボトル、祈りのマット、保温スポンジなどが見つかっている。
現場海域では24日もインドネシア海軍や米軍、オーストラリア、シンガポール、マレーシアなどの救助艦や哨戒機で救助活動を実施している。
インドネシアのプラボウォ国防相は23日、オースティン米国防長官と電話で協議した際、米国の支援に感謝の意を示した。
インドネシア海軍の潜水艦KRIナンガラ402艦は、21日午前3時ころ、バリ島の北沖約96キロメートルの海域で潜航中に消息を絶った。魚雷発射訓練のため潜航中だったとされる。
ただ、海軍提督は、「電源喪失がなければ酸素は最大5日間持つ」とし、捜索を続けると発表している。
以上、ロイター、現地報道など
潜水艦ナンガラ 402 |
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チャクラ級潜水艦 |
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種別 |
通常動力型潜水艦 |
建造所 |
ドイツ IKL社(設計) |
ドイツ HDW社(建造) |
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運用者 |
インドネシア海軍 |
建造期間 |
1977年 - 1980年 |
就役期間 |
1981年~現在 |
改修 |
2010~2012年、韓国で大改修 |
建造数 |
チャクラ級潜水艦の建造は2隻(チャクラ401) |
概要・スペック |
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排水量 |
1,285 t (水上) |
1,390 t (水中) |
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長さ |
59.5 m |
幅 |
6.2 m |
吃水 |
5.4 m |
推進器 |
ディーゼル・エレクトリック方式; 4,600馬力; 1軸推進 |
独MTU製 ディーゼルエンジン×4基 |
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独シーメンス製 電動機×1基 |
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120 セル蓄電池× 4基 |
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速力 |
11 kt (浮上時) |
22 kt (潜航時) |
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航続距離 |
8,200海里 (11kt, 浮上時) |
400海里 (4kt, 潜航時) |
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16海里 (21.5kt, 潜航時) |
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航海日数 |
50日 |
潜航深度 |
240m (実用潜航深度) |
耐水圧深度 |
500m |
乗員 |
34名 (うち士官6名) |
兵装 |
533mm 魚雷発射管×8 |
(SUT mod.0 魚雷×14基) |
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C4ISTAR |
タレス SINBADS 水中攻撃指揮装置 |
ソナー |
STN アトラス CSU-3-2 統合ソナー (パッシブおよび脅威受信) |