アイコン 米国に集中する半導体投資


世界最大の半導体ファウンドリー(受託生産業者)である台湾積体電路製造(TSMC)が米国に数十兆ウォンを追加投資し、3ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)以下の最先端半導体生産ラインを設置する計画を立てているとロイター通信が報じた。

TSMCは当初3ナノメートル以下の最先端製造プロセスによる生産を台湾に限定する方針だったが、台湾の深刻な水不足に加え、バイデン政権の誘致圧力と思い切った支援策もあって、計画を見直した。
現在TSMCは120億ドル(約1.3兆円)を投資し、米アリゾナ州に5ナノメートル製造プロセスの生産ラインを増設している。

TSMCは、同州に追加で3ナノメートル以下の最先端製造プロセスを備えた生産ライン5本増設し、合計6本の生産ラインを設ける計画。

3ナノメートル生産ライン1本の設置費用は最大で250億ドル(約2.7兆円))を要するという。

これに先立ち、TSMCは4月、今後3年間で米国での生産ライン増設に1000億ドル(約11兆円)を投資すると表明したが、3ナノメートル製造プロセスによる生産ライン設置には相当額の追加投資が行われることになる。
TSMCの大規模な対米投資について、中国のネットメディアの網易は「米国が華為(ファーウェイ)を制裁して以降、TSMCの2大顧客だった華為の地位が低下した」とし、これまでTSMCの売り上げの22%を占めていた中国企業の割合が今年1~3月には6%に低下する一方、米国向けの割合は70%に迫る見通しと伝えた。

中国紙・人民日報はTSMCが中国・南京市に28ナノメートル製造プロセスによる車載用半導体の生産ラインを増設する計画を明らかにしたところ、一部の愛国主義的なネットユーザーと専門家から批判を受けたことについて、「国粋主義は正しくない」と指摘した。
以上、ロイター、韓国紙参照

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米当局はサムスン電子に対しても更なる米国内投資の圧力をかけており、今般の文大統領の訪米で、サムスン電子と現代自動車による米国への巨額投資が表明されるものと見られる。

現代車グループは5月14日、今年から2025年までの5年間、米国での電気自動車生産設備工場の拡充などに74億ドル(約8100億円)を投資する計画を発表している。
サムスン電子は、米テキサス州オースティンに最大170億ドル(約2兆円)を投資してファウンドリー(半導体委託生産)工場を増設することを検討している(サムスンはオースティン市に対して更なる税優遇策を主張し、なかなか決定しない)。

しかし、米当局は更なる投資を要求している。

一方、サムスンは、韓国内では5月14日、「2030年までに171兆ウォンを投資してシステム半導体で世界1位になる」と明らかにしている(昨年発表時より約3割増加している)。
SKとともに、更なる半導体強国を目指し、半導体クラスター構想や半導体ベルト地帯構築など多くの計画が発表されている。
半導体で飯を食う韓国は、さらに半導体依存度を高めるものとなるが、一方で米国での生産拡大は、ほかの半導体製造企業でも計画されており、2030年までにどこまで市場が拡大してくれるのか見えない部分も大きく、超巨額投資では足もとをすくわれる可能性もある。

韓国政府の圧力に、韓国の電子業界はいつも巨額投資を約束させられるが、現実には未知数な部分も大きい。
米インテルも206億ドル投資して、半分を自社製半導体、残り半分をシステム半導体の受託生産工場(ファンドリー)にするとすでに発表している。
中国も2025製造計画を実施中であり半導体生産に巨額投資をしてきたものの、米制裁により大きく出遅れている。しかし、2030年には韓国勢と肩を並べているものと見られる。
半導体は産業の米と言われ久しい、今ではその米もコシヒカリから雑穀米まである。天候不順で高騰することもあれば、大豊作で値崩れを起こす歴史を繰り返してきている。
IOT、AI、自動運転車・データセンター、5G・6G・・・・、

日本は投資しなくても利益が出たアベノミクを経験して、世界のデジタル化から10年以上遅れてしまった。
アベノミクスでは巨額投資も行われたがほとんどが土建に流れ、IT投資は絵を描いただけで一貫性のない実績もない紐付きのわけのわからない企業に予算がばら撒かれ、遅々として進んでいない。
その遅れが、昨年5月に構築されたほとんど機能していない新コロナ全国一元管理システム、機能しない接触アプリ、地方に委ね一元管理せず混乱を期しているワクチン接種問題など大きな問題に直面している。
ワクチン配布を広告代理店に発注し、医療従事者の分さえ医療機関に届かず、大混乱に陥っている愚かな福岡県知事もいる。日本の行政はもはや新コロナに感染し脳みそまでやられているようだ。

 

[ 2021年5月17日 ]

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