アイコン ほんとうに韓国の半導体市場から日本企業は追い出されたのか

 

日本政府の規制の反動で、文政権は半導体産業から日本外しを叫び、膨大な国費を投入して日本から輸入している半導体製造工場向けの部材・部品などの企業を育成することを決定、また一方で、高品質の材料を生産できる欧米メーカーへ官民あげて誘致している。

輸出規制強化により輸出が減少した日本企業に対する日本政府の保証はなく、このまま放置していれば、企業の将来は危うく、日本企業は韓国進出を積極化させている。
日本企業は、韓国の工場で半導体素材を生産すれば日本政府の規制を受けないため現地生産に切り替えている。

1、東京応化工業は仁川の松島にある既存の工場に数十億円を追加で投資してフォトレジスト(感光剤)生産能力を2018年に比べ2倍に増やした。
フォトレジストはシリコンウエハーに回路を描くのに使われる半導体の核心素材、同社は世界シェア25%を有する。
同社は2012年8月に仁川に「TOK尖端材料」という法人名で韓国進出。サムスン物産がTOK尖端材料の株式10%を持っている。2013年には松島に約150億円を投資して延面積1万9920平方メートル規模の工場を作った。昨年の売上高は約168億円、営業利益は26億円を計上している。
昨年の東京応化工業の連結売上高は1176億円、営業利益は161億円。東京応化工業子会社の韓国TOK尖端材料の全体に占める割合は14%、営業利益は16%となっている。

新たに増設した設備は最先端半導体技術である極端紫外線(EUV)用フォトレジストも生産できるという。
同社などは、日本政府の韓国に対する規制強化前は、進出した韓国で最高度の技術で生産すれば、韓国勢からすぐスパイされることから、日本で生産して輸出し、韓国では純度の落ちる製品を製造していた。

2、ダイキンは韓国の半導体製造装置メーカーのC&Gハイテクと合弁会社を設立し忠清南道唐津に3万4000平方メートル規模の半導体製造用ガス工場を新設する計画。
工場建設には今後5年間に40億円が投入される。来年10月から半導体製造に使われるエッチングガス(高純度フッ化水素)を生産する予定。
ダイキンは、韓国の半導体製造用ガス市場の28%を占めている。それでも韓国には生産工場がなく、エッチングガスを全量日本と中国工場から輸入してきた。

3、昭和電工マテリアルズ(旧日立化成)も2023年までに200億円を投じて韓国と台湾でシリコンウエハー研磨剤と配線基板材料生産設備を増設することにしている。
10月に京畿道安山に新工場を作り生産能力を30%引き上げる計画。同社はSKマテリアルズと合弁法人のSK昭和電工を設立して韓国に進出した。

4、太陽ホールディングスは、プリント配線板(PWB)部材メーカー大手であるが、半導体パッケージ基板向けのドライフィルム型ソルダーレジストを韓国で生産開始している。
太陽ホールディングスは、ドライフィルム型ソルダーレジストで8~9割の世界シェアを持ち、これまで北九州工場で生産して輸出していたものの、韓国へ工場進出している。

5、東ソーは子会社の東ソー・クォーツが半導体装置向け石英ガラスの国内工場で製造し韓国へ輸出していたが、韓国に法人を設立して工場建設、今年中に生産を開始する。

6、関東電化工業は、半導体前工程の必需品の特殊ガスである硫化カルボニルを製造しているが、忠清南道天安市に進出し生産している。同所に研究開発センターも設けている。

7、ADEKA(旧古河系の旭電化工業)は化学メーカーであるが、高誘電材料「High―K材料」など一部の半導体材料を現地(韓国)生産し、DRAM向け供給を拡大する。

8、東京エレクトロンは世界的半導体製造装置メーカーであるが、サムスン電子の平沢工場近くに「平沢テクニカルセンター」を新設している。

9、ステラケミファは、高純度薬品事業で、フッ化水素を韓国に輸出しているが、韓国は落ち込んでいるものの国内や海外を強化し、20/3期は事業部門の落ち込みが14%あったものの、21/3期は▲2.2%減にとどまり、事業部門の営業利益は高付加価値品の慎重もあり45%増加させている。韓国へは以前から半導体向け薬品製造の工場を有しており、大きなダメージはないと見られる。

・東レは以前から炭素繊維などで韓国進出しているが、韓国政府から表彰を受けるほど貢献している。

日本政府は2019年7月1日から半導体・ディスプレー核心素材であるフォトレジスト、フッ化ポリイミド、エッチングガスの3品目の対韓輸出規制を強化した。
それまで日本政府は韓国企業に対してホワイト国待遇を与えていたが、2017年5月分政権により、顕著になってきた政府間の慰安婦合意無視、1965年日韓基本条約に基づく協定違反行為、協定に基づく日本政府の公式な協議要請さえ無視、韓国駆逐艦が日本の自衛隊の哨戒機をミサイル管制のレーダー照射を受ける事件まで発生、日本が韓国へ輸出した戦略物資指定製品も第3国へ輸出するなどやりたい放題になっていた。

そうした一連の流れの中で、日本政府は韓国をホワイト国から除外し、輸出する際の審査をその都度行うように変更した。
これに激怒した文在寅氏は2019年8月の演説で「日本には2度と負けない」と宣言し、半導体にかかわる材料の国産化を強力に推進している。

(半導体の生産にかかわる材料などは500アイテムあまりで構成されている。その中でも高い品質・高純度を求められる材料については欧米日の一部しか生産していない。そうした製品をいくらバクリの国でもそう簡単に造れるものではない。比較的容易に開発できるものは別にして、総合的には技術格差や特許問題があり2025年まで追いつけず、日本企業もその間、進化し続ける半導体とともに材料や装置なども進化させ続けることから、2030年になっても追いつけない)

韓国ではこうした文政策に飛びついている企業が山のようにあるが、単に補助金狙いの企業も多い。いつものことだ。
また、現在の半導体は超精密化・集積化され大量生産されている。安定的に生産を行うには、すべての材料が完璧なものが要求される。試験ラインでパスしても恒常的に高いコン質は求められ続ける。韓国の人たちが生産するには性格・性質が邪魔する。
もしもの場合は、半導体メーカーは数千億円単位で損害が生じる。(昨春、サムスンはアマゾンのデータセンター向けの半導体に不良品が発生したことから、アマゾンから約7千億円を請求され、4千~5千億円程度で和解していた。サムスンは2020年第2四半期に特損処理している。15ナノ以上のシステム半導体と見られる。そうした問題が材料によるものだったとしたら、脆弱な企業に対して一部の負担でも巨額となり、損害を負担させることはできない現実がある)

日本の韓国への直接投資額は大幅に落ちている。
こうした半導体関連企業の進出があっての落ち込みであり、他の業態の投資=進出はさらに大きな落ち込みになっているものと見られる。当然、官民上げてのボイコットジャパンによる影響である。
韓国経済研究院によれば、2019年~2020年の日本の製造業部門の海外直接投資(FDI)の純投資額は2017~2018年の12兆6,000億円から2019~2020年には18兆6,000億円に47.8%も増えたが、韓国に対する直接投資は同期間に5,786億円から2,194億円に▲62.1%も減っている。

結果として、日本の半導体関連企業を韓国へ進出させたことは、文政権の思い通りになったと見られる。しかし、日本企業は現地生産することで果実は確保する。韓国の半導体勢の輸出が好調に推移すればその恩恵にも授かる。

日本政府は、トランプ政権が中国に対する制裁を真似て、勢いばかりで韓国に対して制裁したことにあり、それも大国の外国政府ではなく海外の大手IT企業が大騒ぎして日本批判を展開、安倍政権がヒヨリ、中途半端に終わらせたことに最大の原因がある。戦略なき政策行使により日本企業が日本から逃げ出す事態に陥っている。

韓国の産業通商資源部「素材・部品総合情報網」によると、今年1~4月の韓国の素材・部品の輸入累計額は647億9,500万ドルのうち日本製品は96億9,600万ドルでシェアは15.0%だった。前年同期のシェアは16.1%であり、1.1ポイント低下、関連統計を作成し始めた2001年以降最も低くなった。
しかし、韓国の対日貿易赤字額は増加している。同期間の対日赤字額は59億9600万ドルだった。前年同期より7億900万ドル増加し、赤字幅が拡大している。
韓国の輸入額のシェアで日本が減少しているのは、上述の現地生産が進んでいることからと見られる。また、日本からは韓国勢が追従できない差別化された製品や部材の輸出が、韓国の電子製品の輸出好調により、ひも付きで増加したものと思われる。

日本企業は、新日鉄や東芝に見られるように、韓国勢から極秘生産技術をスパイされないように、現地工場は設備装置機器や薬剤調合表や設計図面など厳重な管理体制が必要ではないだろうか。

 

[ 2021年6月 7日 ]

 

 

 


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