アイコン 米マイクロン・日本の研究施設強化、台湾TSMCつくば進出とソニー熊本新工場に相乗りか


米メモリ半導体大手のマイクロンが日台への投資と技術協力を強化する。日本ではエルピーダメモリを買収し、東広島市で生産しているが、半導体メーカーと共同で先端メモリーチップを開発するほか、台湾では半導体生産設備を大幅に拡充する。

最近の半導体不足を受け、米・日・台が手を結び、半導体サプライチェーンの再編に取り組み、国家間で半導体分野の蜜月関係が強化されると、企業もそれを市場拡大の契機ととらえ、現地への投資に乗り出している。

マイクロンのサンジェイ・メロートラ最高経営責任者(CEO)は11日、日本経済新聞の取材に対し、「日本の半導体エコシステムの強化を手伝いたい」と述べ、日本が強みを持つ半導体設備・素材分野と協力し、次世代のDRAM技術を開発していく意向を示した。世界第3位のメモリ半導体DRAMメーカーであり、世界初となる回路線幅10ナノメートル台の第4世代DRAMの量産を開始し、それに続く第5世代DRAMを日本と開発することを目指している。
マイクロンは先端DRAM技術の開発に向け、旧エルピーダメモリの生産・研究施設に対する投資も強化する。マイクロンの対日投資は最近3年間で70億ドル(約7680億円)に達している。

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メロートラCEOは、日本の工場への投資拡大や装置・材料メーカーとの連携を通じ、日本政府による供給網強化に協力する姿勢を示した。半導体素材の研究開発も日本は進めており、政府が大学や研究機関の研究開発を今回やっと支援することから次世代半導体素材の研究も進むと見られる。

マイクロンは台湾でも今月から145億ドルを投じ、既存の台湾・台中市のDRAM工場の拡張に取り組む。同社は台湾工場を第4世代のDRAM量産拠点として育成することにしている。
 世界最大の半導体ファウンドリー(受託生産メーカー)である台湾のTSMC(台湾積体電路製造)も米日への投資を強化している。

TSMCは最近、米アリゾナ州に先端半導体工場6ヶ所を建設する計画を発表した。TSMCは日本の熊本県への半導体工場建設も目指している。
今年2月、日本に半導体研究開発拠点をつくば市の産総研の半導体製造施設に設置すると発表したのに続き、生産工場も設置する方針を発表している。

ソニーグループは熊本県菊陽町に半導体を製造する新工場の建設を検討している。ソニーは菊陽町に工場を有しており、その周辺地への進出となる見込み、投資総額は1兆円規模とみられ、国がバックアップする事業となっており、TSMCも当工場開発に参画する可能性も示されている。

[ 2021年6月14日 ]

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