ソフトバンク 次世代電池・全固体電池用正極材料開発に成功 HAPS成層圏基地局開発へ前進
ソフトバンクは、2021年6月に「ソフトバンク次世代電池Lab」を開設し、質量エネルギー密度(Wh/kg)が高く、軽くて容量が大きい次世代電池の開発を推進している。
このたび各共同研究先と「高質量エネルギー密度に向けた全固体電池用正極材料の開発」、「MI(マテリアルズ・インフォマティクス)による有機正極材料の容量予測モデルの開発」および「520Wh/kgセルの試作実証」に成功した。
特に全固体電池用正極材料の開発は、世界でもまだ例が少ないリチウム過剰系正極の実用化に向けた大きな一歩となり、高質量エネルギー密度が要求されるIoT機器などの既存のデバイスや、HAPS(High Altitude Platform Station、成層圏通信プラットフォーム)をはじめとする次世代通信システムなどで活用される次世代電池の開発を加速させると期待している。
1. 高質量エネルギー密度に向けた全固体電池用正極材料の開発について
共同研究先::住友化学、東京工業大学 菅野了次教授
通常、リチウムイオン電池は可燃性の液体電解質が使われているため、発火のリスクが高いと言われている。このたびソフトバンクが住友化学および東京工業大学と共同で開発に成功した正極は、電解質に安定性が高く、液体電解質に匹敵するイオン伝導度を持つLi10GePS12系固体電解質を、正極材料に高容量のリチウム過剰系正極活物質をそれぞれ採用することで、高い安定性と高容量化の両方を達成できる見込みが得られた。
開発した正極活物質は250mAh/gを上回る高容量で、これは既存の高容量タイプの正極材料であるニッケル酸リチウム(NCA)や、韓国勢が得意な三元系正極材料(NCM)などの容量(約220mAh/g)を大きく上回っている。
今後HAPS(高度11~50キロ上空の成層圏通信基地局用無人航空機)用などの極度な環境にも対応できるバッテリーとしての活用が期待されるという。






