アイコン 郡山実証施設のソーラー+水素発電でCO2を53%削減 産総研+清水建設


産業技術総合研究所と清水建設などは、二酸化炭素の排出を削減するため太陽光発電と水素の燃料電池などを組み合わせた「Hydro Q-BiC」システムを取り入れ、建物で使う最先端の電力供給システムを開発し、福島県郡山市の総合地方卸売市場で実証実験を2年間行ってきた。
「Hydro Q-BiC」システムは、日中に太陽光で発電した電気で水を分解して発生した水素を貯め、業務が始まる夜明け前はその水素を燃料に発電する。

実証実験は、施設の一部を対象に行われた結果、1年間の電力使用量が約7万3100kWhだったのに対して、太陽光発電で約2万9600kWhを供給し、さらに水素を使った発電で約8400kWhを供給した。
この結果、二酸化炭素の排出量を▲53%削減することができたという。
産総研の古谷博秀研究センター長は、水素は、長期間の貯蔵や規模を大きくするのに適していて、今後、建物の電力システムとして実用化が進むだろうとしている。

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<すでに清水建設では実用化>
当システムの開発に携わった清水建設は、金沢市の自社ビルに郡山の実証施設より大型化した「Hydro Q-BiC」システムを導入し、先週から本格稼働をはじめた。
郡山のシステムと比べて7倍の水素を貯めることができ、季節をまたいで安定的に電力を供給することができるという。
清水建設では当システムだけで1年間に排出される二酸化炭素の量を70トン程度削減でき、各種省エネルギー技術により建物の一次エネルギー消費量を基準値の28%まで低減、太陽光発電により消費量を上回るエネルギーを創出することで、年間エネルギー収支「ゼロ」を達成。これにより、年間CO2排出量を290t程度削減できる見込みとしている。

政府は2030年度の温室効果ガスの排出量を2013年度から▲46%削減するという目標を掲げていて、商業用のビルなどでも二酸化炭素削減の取り組みが加速するとみられている。
清水建設の研究所の下田英介主任研究員は、地球規模で二酸化炭素の排出量を減らしていくために、水素は有力な武器になるとと話している。

ソーラーパネルは発電効率が高まり続けており、今後ビルの屋上だけではなく、壁面も利用できるようになるとされ、電力蓄蔵の蓄電池技術も安全性も確保され、水素発電もすでに実証されている。
こうした組み合わせにより、ビルや大型施設の電力需要は一変することになる。家庭用は今後新築戸建住宅の物件の屋根には太陽光発電設置を義務付ける話もあり、電力会社の電力需要は今後、10年単位で産業用に絞り込まれ続けることになると見られる。
お国がお抱えしている電力会社はどうすんだろ。
こうした機器は、ソーラーパネルも含めて、大量生産、大幅価格低下により、設置が進むものと見られる。日本の弱点は、今や空言になった日本品質とはいえ生産効率が非常に悪く価格が高いことだ。

これまでの太陽光発電パネルも蓄電機器も韓国勢や中国勢に喰い物にされてきたが、再び同じことが生じるのだろうか。国の各種発電に対する補助金はそうした国の企業に捧げている。

それに、ソーラーパネルの寿命は25年程度、その後の廃棄方法を法整備し、処分代をあらかじめ先取りしておく必要もある。今やソーラー発電の運営会社はわけのわからない投資会社が多くを有しており、頃合を見てだんだんタチの悪い会社に売却され続けることになると見られる。

↓郡山地方卸売市場
市場の屋根にソーラー発電のパネルがない。何か片手落ちではないだろうか。
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↓清水建設金沢支店のZE(ゼロ)エネルギービルと内部の水素貯蔵装置

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[ 2021年9月16日 ]

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