アイコン 韓国で尿疎水ショック 価格10倍に高騰 走行車両の4割がディーゼル車


韓国では全車両の40%がディーゼル車、トラックやバスのほか乗用車の比率も高い。これは大きな輸出相手国の欧州ではディーゼル車が売れ、国内でも売れていたことにある。
しかし、ディーゼル車のクリーンエンジンが、EU内では政府間で2重基準が設けられていたことが発覚、乗用車の販売台数は大きく落ちたものの、元々欧州では坂が多く馬力よりトルク=粘り腰に重点が置かれ、ディーゼル車の販売が主を占めていたことにある。
環境問題から乗用車は急激に売れなくなったが、トラック等商用車はランニングコストもあり、今でもほとんどがディーゼル車となっている。
欧州では政治が自ら招いた排ガス問題で、今度はいきなりEVだぁEVだぁと言い出しているの現実でもある。

そうした流れの中で韓国では独車・国産車ともディーゼル車が大いに売れたことから、今でも走行車の4割がディーゼル車だという。
当時、欧州が設定した高度な排ガス基準をクリアするため、エンジンで2回燃焼させるEGR装置での硫黄酸化物除去、また、マフラー直前で触媒により窒素酸化物を除去する方法が併用して行われている。

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VWは負荷がかかり燃費効率が悪くなるためエンジンで2度燃やすEGR装置をプログラムで機能しないように設定していたことが米国や世界で大問題となった。陰に隠れてベンツもSCR装置を機能しないように設定、車重の軽減+ランニングコスト安を図り、結果、ともにリッターあたりの走行距離を伸ばす表示を行っていた。

今回の問題は、触媒部分のSCRの補充液にあり、エンジンからの排ガスに含まれる発がん性物質である窒素酸化物(SOx)を、尿素を浸透させた部分を通過させ除去するSCR装置。走行距離に応じて尿疎水を補充する必要がある。その尿疎水がなければ基準違反の排ガスを排出することになる。

韓国で問題になっているのは、この車両用尿疎水が中国からの輸入に6割依存、加工前の産業用尿疎水に至っては97%依存していたため、中国がこれらを輸出規制したことから即枯渇、ディーゼル車の使用に問題が生じていることによるもの。 韓国は尿疎水を輸入に依存し生産していない。
韓国では全車両の4割、約1000万台以上がディーゼル車、乗用車は尿素水1回充填で1.5万キロあまり走ることが可能、しかしトラックは数百キロごとに10リットル補充する必要があるという。
トラックだけでも韓国内では200万台が走り、うち100万台が至って新しいSCR装置の装着車(古いディーゼル車両はユーロ6などの基準に適応していないため装着されていない)、バスもあり、大半は乗用車が占める。年間3.3万台のトラックの販売にも影響するという。

中国の石炭問題から中国が輸出規制、韓国内では品不足から価格も10倍に高騰しているという。ディーゼル車に限らず、鉄鋼業界などの工場の煙突の触媒にも用いられており、さらに大気汚染面からも深刻となっている。
日本と異なり、中国が輸出規制しても、ロッテのように制裁されても何も問題にできない政府の立場が続いている。
中国は韓国を手繰り寄せ続けるため、国内では電力不足から石炭の増産命令を出しており、近々、尿疎水の輸出も解禁することだろう。

一方、日本は需要の80%を国内生産、20%は中国外から輸入しており、特に大きな問題にはなっていない。尿疎水はアンモニアから製造され、アンモニアから尿素が製造され肥料などにも用いられている。ただ、日本も一部輸入しているとおり、韓国に輸出するだけの生産は行っていない。
レアメタルのほとんどを生産する国、今や生産企業を国営2社に統合させ、完全に国家統制下においている。半導体や家電やEV部品用など需要そのものが旺盛な中、電力不足を原因とした生産調整、価格高騰に歯止めがかからなくなってきている。お手本のような戦略物資となっている。電力不足もオーストラリアとの喧嘩から豪州炭の輸入禁止措置から始まっている。
リチウム、コバルト、マンガン、ニッケル、マグネシウム、タングステン、アルミ・・・・

[ 2021年11月 8日 ]

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