アイコン サムスン電子 米バイオジェン買収か 420億ドルでバイオジョンが持ちかけ


ロイターの報道によると、バイオジェンがサムスンGに株式購入を持ち掛け、売却額は420億ドル余り(約4.8兆円)に上る可能性がある。
リフィニティブのデータに基づくバイオジェンの評価額は346億7000万ドル。
サムスングループは今年、総額240兆ウォン(2060億ドル/23.5兆円)を投じて向こう3年でバイオ医薬品や人工知能(AI)、半導体、ロボットなどの分野で事業基盤を強化する方針を示している。

バイオジェンは日本のエーザイと世界初となるアルツハイマー病治療薬「アデュカヌマブ」を共同開発し、今年6月に米FDAで承認されている。

バイオジェンは1978年設立だが、バイオテクノロジー分野で最古参の製薬開発会社の1社。
サムスンGは電子・半導体事業、電池事業、製薬事業を中核事業に大型投資を行うことを決定しており、今回の話が事実ならば、製薬部門ではサムスンバイオロジクスとバイオジェンを統合させる計画かと見られる。

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サムスンバイオはモデルナワクチンの瓶詰め受託作業から、原液生産からの一貫生産に入る予定で、アジア全域でのモデルナワクチンを普及させる計画でもある。

ただ、両社とも報道について否定しており、報道があった12月29日には前日の233ドル台から265ドル台まで買われたが、12月31日現在239.92ドルとそれほど上昇していない。この株価での時価総額は352億4千万ドルとリフィニティブの評価額やそれまでの233ドル台の株価なみ、21%のプレミアム価格での売却をサムスンGはどう判断するのだろうか。

サムスンとして製薬会社として浮上させる大きなチャンスだが、従来どおり医薬品の受託生産に終始するのか選択を迫られる。
スーパー医薬品業界の買収、整理、統合も一段落しており、今後、チャンスはそう簡単には訪れることもなく、サムスンも喉から手が欲しいものと見られる。しかし、メーカーに変身すれば、受託生産の依頼主は減少する可能性が高い。それは2030年にシステム半導体(受託生産品と自社開発品)で世界一になると豪語しているサムスンにとって、システム半導体の受託生産だけ(半導体のファブレスメーカーに宣誓している)の台湾のTSMCの壁と同じ壁を作ってしまう可能性もある。

それにサムスンバイオロジクスは、2011年に設立した医薬品の受託生産会社(ジェネリック医薬品の受託生産から開始)として発足、半導体と異なり、製薬会社としての日が浅く知見も限られている。
そうしたところに今回の買収話、火のないところに煙は立たないが、結論には時間を要するものと見られる。
もともとサムスンGは医薬品分野では受託生産で世界一になると表明している。
どうなることやら。

[ 2022年1月 3日 ]

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