アイコン 米国、レンドリー法成立


農と島のありんくりん
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弊誌が長崎県知事選での谷川弥一、金子原二郎の横暴に怒り狂っている最中に、世界はとんでもない方向に向かっている。
日本ではあまり報道されていないが、米国ではとんでもない法案(レンドリース法・武器貸与法)が81年ぶりに復活している。
きょうは、久し振りに珠玉のブログ、(農と島のありんくりん)を紹介しながら、明日からの沖縄の旅(2泊3日)に行ってきます。

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ウクライナの平和と独立を
2022年4月11日(月)
米国、レンドリー法成立

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なんと米国で、レンドリース法(武器貸与法)が81年ぶりに復活しました。
これは第2次大戦中の1941年3月に成立した、米国が連合国に軍事支援を送るために作った法律です。
英仏にも送っていますが、圧倒的に恩恵を受けたのが他ならぬロシア、おっと違ったソ連でした。
今回は、この大戦以来使われてこなかった法律を引っ張りだしてウクライナ支援をするというのですから、米国がこの戦争にかける意気込みがわかります。
これで米国はいちいち議会承認をえることなく、大統領権限で無制限にウクライナに軍事的経済的支援を送ることが可能となります。
「米上院は6日、第2次大戦中に連合国向け兵器供与を加速させた「レンドリース法」(武器貸与法)の復活を全会一致で可決した。下院でも可決されれば、ウクライナ向け軍事支援の関連手続きが一気に簡略化されることになる。
米国は戦争長期化を予測する一方、「ウクライナは勝利できる」(国防総省のカービー報道官)との見方を強めている。北大西洋条約機構(NATO)と連携し、兵器供与の質量両面での拡大を図る方針だ。
国防総省によると、ウクライナ側の要請に応じるため24時間態勢で作業を続けている。米国の在庫から調達できない場合は30カ国以上の同盟諸国と調整し、需要に見合う兵器を提供するよう働きかけている。
ウクライナのゼレンスキー大統領が要望する長距離防空システムの確保に向けた調整も続けており、米紙ニューヨーク・タイムズによれば、東欧スロバキアが保有する旧ソ連製の地対空ミサイルシステムを近く提供する方向だ」

(産経4月8日)
米、ウクライナ支援を強化 武器貸与法復活へ - 産経ニュース (sankei.com)

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https://www.politico.com/news/2022/04/06/senate-unanimously-approves-lend-lease-00023668

いうまでもなくこのレンドリース法が復活したのは、ブチャ大虐殺を目の当たりにしたからです。
さもなくば、今でも米国は一国主義から目が覚めていなかったことでしょう。
しかしこのような法律を成立させた以上、もはやあいまいなことでは済まされず、絶対にウクライナを勝たせるという自由主義諸国の宣言となりました。
同時に米国はこのウクライナ戦争が早期に終了せず、長期化すると見ていることが明確になりました。
また米国とNATOは、支援物資をNATO規格に変更することをウクライナと協議しており、これが認められれば、今のように旧ソ連製武器をみつけださずに住むので、支援の幅が一気に拡がるはずです。
戦車や戦闘機などの正面装備は送りにくいでしょうが、それ以外の防衛装備、燃料、食料、医薬品、民需品などは全面的に支援するはずです。

ワシントンの政治紙のポリティコはこう報じています。
「プーチンとの戦いで、上院は、かつてヒトラーを打ち負かすのに役立った措置を全会一致で承認する
上院は、第二次世界大戦時代の措置であるレンドリースを復活させ、ナチスドイツとの戦いで米国が同盟国に迅速に補給することを可能にした。
上院は水曜日遅く、ロシアの血なまぐさい侵略の中で、ジョー・バイデン大統領がウクライナに武器やその他の物資をより効率的に送ることを可能にする第二次世界大戦時代のプログラムを復活させるための主要な法案を全会一致で可決した。
上院議員たちは、2月下旬以来、ウクライナの都市や町を砲撃しているロシア軍をかわすことができるとウクライナ軍が証明したので、レンドリースとして知られる提案の背後に素早く結集した。第二次世界大戦中に創設されたレンドリース・プログラムは、米国が時間のかかる手続き上のハードルなしに連合国に迅速に補給することを可能にしたため、紛争のゲームチェンジャーと見なされました」
(ポリティコ4月6日)
In the fight against Putin, Senate unanimously approves measure that once helped beat Hitler - POLITICO

プーチンは心底ゾッとしたはずです。
なぜなら英仏などの連合軍諸国も大量の支援を受けてましたが、もっともその恩恵を被ったのがソ連だったからです。
というのは、他の諸国のレンドリースによる支援は、軍事物資が大多数を占めたのに対して、ソ連向けのそれは軍事物資+民需製品というトータルな支援だったからです。
それは、ソ連が対独戦にすべての国力をふり絞ってしまい、民製品がまったく作れなくなったためです。
大戦中にソ連が作った戦車は、主力のT34だけで6万4千両にも及びますが、トラックや鉄道車両は100台に満たない数しか生産できませんでした。
これを補ったのが、米国のレンドリースプログラムでした。
おそらくこれなくして、ソ連はドイツに勝利しえなかったと言われています。
「援助については、戦争がもたらした経済のゆがみを考慮するとよく理解できる。多くの交戦国は戦争に本質的ではない物資の生産をかなり削減し、兵器の生産に集中した。これは必然的に軍および軍需・産業経済の一部にとって必要とされる関連した製品の不足を招いた。
例えば、ソ連は鉄道輸送に強く依存していたが、兵器生産に必死であったため、戦争の全期間を通じてたったの92両の機関車しか生産できなかった。この点で、アメリカの支援した1,981両の機関車の意味が理解できる。同様に、ソビエト空軍は18,700機の航空機を受け取り、これはソビエトの航空機生産の14 %、軍用機の19 % を占めた」
(レンドリース法 - Wikipedia )

特に兵站を支えた鉄道やトラックは、ほとんどが米国からの支援の製品で占められていました。
「兵站も何十万両ものアメリカ製トラックによって支援されており、1945年の時点で赤軍に配備されたトラックの、ほぼ3分の2はアメリカ製であった。
ジープやダッジ 3/4 トントラック(WC シリーズ)、スチュードベーカー 2.5 トントラックは、独ソ戦において両陣営が使用した同クラスの輸送車輌の中では、最良といえるものであった。
また電話線、アルミニウム、缶詰(SPAMやポークビーンズ)、毛皮のブーツなども同様に重要で、特に後者の供給はモスクワの冬期防衛にとって重要な利点となった」
(「ウィキ同上)

長いリストになりますが、主要な米国からロシアへの支援物資は以下です。
ロシア兵は、米国の綿布で作った軍服を着て、軍靴を履き、米国の銃を握って、米国のトラックや鉄道に乗って前線に向かったわけです。

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7千両も送られた米国のM4戦車で進軍するロシア兵

●軍用関係
航空機 14,795機
戦車 7,056輛
銃 8,218丁
機関銃 131,633丁
爆発物 345,735 トン
駆逐艦 105隻

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5千機も送られたソ連軍の米国製戦闘機P39

なぜソ連のエースパイロットは米国の戦闘機P-39を愛したか - ロシア・ビヨンド (rbth.com)

●兵站関係
ジープ 51,503輛
トラック 375,883輛
オートバイ 35,170台
鉄道貨車 11,155輛
機関車輛 1,981
輸送船 90隻
建物設備 10,910,000 ドル

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ロシア軍水兵(右)に米国艦艇を引き渡している米国水兵

民製品関係としては、綿や革製品も含まれていますが、これなくしてロシア兵は東部戦線を戦うことは不可能だったと言われています。

●民需品関係
トラクター 8,071台
石油製品 2,670,000 トン
化学物質 842,000 トン
綿 106,893,000 トン
皮革 49,860 トン
タイヤ 3,786,000
軍靴 15,417,001 足食糧 4,478,000 トン
機械と装備品 1,078,965,000 ドル
非鉄金属 802,000 トン
石油製品 2,670,000 トン
化学物質 842,000 トン
綿 106,893,000 トン
皮革 49,860 トン
タイヤ 3,786,000
軍靴 15,417,001 足

いやまったく、何から何までとはこのことです。
ここまで至れり尽くせりの面倒を米国にしてもらってやっと「大祖国戦争」に勝利したのですが、全部自分ひとりの手柄だと言い張って、来月に戦勝記念日をする、そこまでにウクライナからドネツク・ルンガスの東部2州だけでも奪い取ってやる、と言っているのがプーチンです。
しかしそう焦れば焦るほど、かつての大戦の勃発した原因は、1939年9月のナチス・ドイツによるロシアへの侵攻ではなく、その前月の独ソ不可侵条約であったことか暴露されてしまう結果となるのです。
ある意味で、銃火を交えない第3次大戦は既に始まっているのかもしれません。

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ウクライナの平和と独立を

[ 2022年4月12日 ]
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