米インフレ加熱9.1% 金利大幅上昇か 原油95ドル台まで大幅安
米国の6月消費者物価指数(インフレ率)は、前月比+1.3%と、5月+1.0%から予想以上に伸びが拡大し2005年9月来で最大となった。
前年比では+9.1%と、やはり5月+8.6%から伸びが拡大し1981年以降41年ぶりの最大値となった。
変動の激しい食品や燃料を除いたコア指数は前月比+0.7%と、5月+0.6%から予想外に拡大し昨年6月来で最大となった。
前年比では+5.9%と、5月+6.0%から伸びが鈍化し、年初来最小となった。しかし、予想は上回った。
予想を上回ったインフレ指標を受けて米7月FOMCでの0.75%~1.00%の利上げ確率が上昇し、10年債利回りは3.06%まで上昇した。
以上、
食料の値上がりが物価を上昇させている。
食料とエネルギーを除くコアインフレ率は3月をピークに下降局面に入っているが、食料とエネルギーが物価全体を押し上げ続けていることになる。なかでも食料率の上昇率が大きい。
バイデン政権はインフレ対策に貿易戦争で中国に課している25%の関税を取っ払おうとしている。コアインフレ率を下げることは確かだが、肝心のエネルギーと食料品価格高騰の原因は、ウクライナ戦争と露制裁に大きく起因しており、インフレ率だけを見た場合、一巡する来年3月までインフレは続くことになる。
物価高の中で一巡してインフレ率が下がったとしても、物価高により経済は大きく後退することになる。
エネルギーの原油も天然ガスも世界一の生産量を誇る米国、エネルギーも小麦も大豆も輸出国である米国、世界の市場価格が米国のインフレを招いている。
当然、米国売るより海外で売るほうが儲かるならば根海外へ輸出することになる。品薄になればおのずと価格は上昇する。
米国では6月、天然ガスが大幅安となっている。それは欧州向けに輸出するため天然ガスをLNG(マイナス163度の液化天然ガス)にする施設で火災、改修工事に時間がかかり、輸出用の天然ガスが国内に振り向けられたことによるもの。
一方、欧州では米国から送られてこず、ロシアからは天燃ガスのパイプラインをストップさせられ、ユーロの為替安まで生じ空前の高値に陥っている。
<エネルギー価格はバイデンの決断だけで落ちる>インフレも低下する
バイデン政権がエネルギー価格を下げるには、エクアドルやサウジに増産を呼びかけるなどするより、国内の生産者団体に増産を直接はかることが、どれほど世界のためになるだろうか。
大量生産余力を大きく持つイランとの核再合意もしそうにない。
米国の生産者団体は、化石燃料を目の敵にしているバイデンとは水と油の関係、それもトランプ前大統領が承認したパイプラインを、バイデン大統領が白紙にしたことから始まっている。
米国で生産量を大幅に増加させるには、バイデン政権はパイプラインで譲歩することが生産者団体から要求されるものと見られ、バイデン政権はそうした生産者団体とは話し合おうともせず、世界の原油価格を、天然ガス価格を押し上げる原因を作っている。
(米国の原油・天然ガスはシェール層からともに取れる。既存のメキシコ湾岸や海底油田は別)
なお、原油は日本時間、7月14日08時20分現在、95ドル台で取引されている。しかし、これは世界経済の停滞=不況を予測しての下げであり、市場は最悪を予想しつつある。
世界経済はバイデン・アメリカに踊らさせられている。
7月の米金利の予測はこれまでの0.75%から大幅高の1.0%も予測されている。
スクロール→
2022年 |
前日比 |
17/13日 |
備考 |
NYダウ |
▲208.54 |
30,772.79 |
米金利大幅引上予測 |
米国債10年% |
▲0.054 |
2.904 |
|
対ドル円 |
|
137.43 |
|
対ドルウォン |
|
1,304.54 |
|
日経平均 |
142.11 |
26,478.77 |
|
BTC/ドル |
|
19,902.00 |
|
原油WTI |
▲0.39 |
96.23 |
7/11日104.09ドル |
世界景気減速予測 |
|||
7/14、95円台で推移 |
米国 |
インフレ率 |
食料インフレ |
コアインフレ |
金利 |
21/7月 |
5.4 |
3.4 |
4.3 |
0.25 |
21/8月 |
5.3 |
3.7 |
4.0 |
0.25 |
21/9月 |
5.4 |
4.6 |
4.0 |
0.25 |
21/10月 |
6.2 |
5.3 |
4.6 |
0.25 |
21/11月 |
6.8 |
6.1 |
4.9 |
0.25 |
21/12月 |
7.0 |
6.3 |
5.5 |
0.25 |
22/1月 |
7.5 |
7.0 |
6.0 |
0.25 |
22/2月 |
7.9 |
7.9 |
6.4 |
0.25 |
22/3月 |
8.5 |
8.8 |
6.5 |
0.50 |
22/4月 |
8.3 |
9.4 |
6.2 |
0.50 |
22/5月 |
8.6 |
10.1 |
6.0 |
1.00 |
22/6月 |
9.1 |
10.4 |
5.9 |
1.75 |