アイコン 1ドル140円時代到来 前年比▲28%円安 輸入物価高の元凶


米国では金インフレ退治に金利を急上昇させてきたことからほとんどの経済指数が落ちているものの、労働市場がまだ堅調なことから、9月には更に大幅引き上げ(0.5%~0.75%)が濃厚となっており、海外通貨は対ドルでほとんどが大幅な通貨安に見舞われている。

なかでも米金利高に対して動かざること山の如しの日本の金利はマイナス金利を維持したままであり、米国との金利差が拡大し続け、円売りが止まらなくなっている。

国際商品価格が高騰しているが、それが前年と同価格だったとしても輸入価格は前年比で28%も上昇している計算になる。
輸出企業はドルでの価格が変わらなかった場合、前年比で28%売上増となり、それに伴い大幅な利益増となっているはずだ。

日本でインフレが加速しないのは、エネルギーや政府管掌の穀物価格を政府が負担して市場価格を調整していることにあろうが、それでも商品価格は上昇しているなか、昨年の携帯利用料金の大幅値下げ効果が通信費を押し下げてきたことによるもの。

それもスマホ利用料金は9月までに一巡し、一方で食品や菓子類などの価格改定が相次いでおり、今後さらに上昇する。

 

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何十年も政府や財界は実質賃金を上げさせなかったことから、その購買力の弱さに価格が上昇しても買い控えが生じ実勢では大きく上昇していない。まさかアベノミクス政権同様、省庁が忖度した経済指標を作成しているわけではあるまい。
鈴木大臣も黒田総裁も十倉会長も国際商品価格が急騰していた中、円安は日本経済にとって役に立つと発言している人たちだ。
実質賃金を上げてこなかったなか、一方で貿易自由化を進めており、急激な円安でもゆっくりした円安でも過渡に進めば国民生活に与える影響は計り知れない。

こうした日本の財政にとって最大の問題は大膨張してきた国債の残高にある。
アベノミクス下、法人税減税下でも空前の企業利益による法人税増収や消費税増による収入が民主党政権時代より20兆円以上増加したにもかかわらず、国債残高は膨張し続け、米国の金利の上昇に対抗して金利を上げられない決定的な財政事情がある。

しかも、国債をいくら発行しても日本のファンダメンタルズから問題ないとする政治家や日銀レフレ派の人たちばかり。2065年には人口が4000万人減少する現実、日本全体の商品価値=ファンダメンタルは維持・更なる付加価値が付けられるのだろうか。これまで国家挙げて科学化学投資や基礎研究投資を減らし続け、未来投資は国土強靭化ばかり、企業も不正までして利益に奔走し、株主還元に奔走し、研究開発投資などを疎かにしてきた日本が横たわり続けている。

国債残高は何れ問題にしなければならない時期が必ずくる。
リフレ派は世界の現実から逃避できない。売国奴政策により愛社精神も消え、愛国心さえ見え隠れする時代、国民は久しく金利もつかず、実質賃金も何十年も増えもせず、日本国民が目を覚まし、過去からの遺産でもある国民の巨額マネーが金利を求めて米国債などにシフトしないとも限らない・・・。

(唯一、足下の円安防止策は米国債売り、ほとんど買っていないことだけだろうか。昨年11月の残高は1兆3,286億ドル⇒今年5月1兆2,237億ドル⇒6月は1兆2,363億ドル。買えば増やせば円安に拍車がかかる(ドル買い症状)。
この間の米国債残の減少は日銀が生保や年金機構に、売らせることで円買い=円高・円安防止、買わないよう要請してことによるものと見られる。10年もの米国債の最新の金利は3.253%だ。日本の10年もの国債の金利は0.236%(日銀は0.250%を限度設定)と金利差が3%も生じている。こうした機関投資家は米国債を購入したくてしょうがないはずだ。米国の貸出基準金利はインフレ退治にさらに上昇することが予想されており、金利差は短期的にはさらに拡大する可能性も高い。

久しく金利なしの日本国民が金利高の米国債などドル資産買いに雪崩現象を起こせばひとたまりもない、円安は悲惨な結果に招く。世界の基軸通貨はドルであり円ではない。


スクロール→

為替

 

米金利

ドル:円

ドル:ウォン

ユーロ:ドル

2021/9/1

0.25%

109.19

1,159

1.184

2021/11/1

0.25%

113.00

1,181

1.158

2022/1/3

0.25%

115.79

1,199

1.131

2022/3/1

0.25%

115.46

1,207

1.107

2022/5/1

0.50%

130.14

1,264

1.051

2022/7/1

1.75%

135.20

1,299

1.043

2022/9/1

2.50%

140.17

1,358

0.995

 1年前比較

 

28%

17%

19%

 

[ 2022年9月 2日 ]

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