アイコン 先を読む どこまで進む円安、 3月からの日米金利と10年国債利回りの推移


グローバル自由主義経済の名の下に市場を開放してきた日本、自由主義経済・新自由主義経済の旗振り役・牽引役の米国が、共和党のトランプ政権となり、豹変して保護貿易主義に、次の民主党のバイデン政権はさらに保護主義を鮮明にしている。
バイデン政権は自らの政策である1.9兆ドルの新コロナ経済対策費の巨額を市場にばら撒き、国際商品先物価格を暴騰させ、昨年10月からインフレが顕著に、昨秋から金融緩和策縮小のテーパーリングを実施してきたものの効果なく、今年3月からはインフレ退治に金利を上昇させ続け、景気の熱を冷めさせ、国際商品価格を下げることに必死になっている。

一方で、その金利上昇は各国の通貨安を生じさせ、新コロナロックダウンの中国、ロシアに翻弄される天然ガスで腐心が続く欧州、世界経済は危ういところに差し掛かっている。

今回の世界の金融・経済問題は、すべてバイデンの自作自演の狂騒劇である。

米国はインフレ退治、国際商品先物価格が下がるまで金利を上げ続ける予想で、目下、年内に3.5%まで引き上げ、インフレが退治できれば、金利を下げ、その後はしばらくインフレが再燃しないように様子見期間を設けるとの予想がなされている。

そうしたことから、日米の金利差はさらに大きくなることが予想され、9月にも0.75%引き上げ3.25%が予想され、こん日の140円台の円安に至っている(経済指標は悪化してきているが、労働市場は堅調のまま)。

 

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お金は当然安全で高い金利が付く貨幣に流れ、海外へ流れていたドル資金はその金利差で本国へ還流してしまい、各国の投機資金も米国へ集中することになる。
ただ、下支えの経済が低迷すれば、この先、金利も下がり、資金は行き場を失い、不況に陥る。禿げタカの巣窟である仮想通貨にでも流れることだろう。上値が重いNYダウ、円以外為替をいじっても各国が金利を上げ対抗することから限界があり、先物商品市場は金利高で下落局面、妙味に乏しく、足元では仮想通貨がまたゾロ動き出している。

米国が3.5%まで引き上げれば、米経済は低迷し、商品先物価格はさらに下がろうが、米経済がダメージを受け、回復するのに時間を要すことになる。
その影響は世界通貨は対ドル安により、インフレの原因である商品先物価格が下がったとしても為替安で相殺され、世界経済の回復は遅滞する可能性も示唆されている。

 


スクロール→

 

対ドル円

米金利

利回り

 

10年債

10年債

3/1

115.00

0.25

1.795

0.160

3/15

118.20

0.50

2.160

0.205

4/1

122.49

0.50

2.377

0.220

4/15

126.35

0.50

2.862

0.240

5/1

130.14

0.50

2.887

0.215

5/15

129.19

1.00

2.935

0.240

6/1日

130.11

1.00

2.931

上限0.25までで日銀売り浴びせて介入調整

6/15

133.83

1.75

3.395

7/1

135.19

1.75

2.889

7/15

138.53

1.75

2.930

8/1

131.61

2.50

2.606

8/15

133.32

2.50

2.791

9/1

140.20

2.50

3.265

9/12

142.21

2.50

3.308

 

 

 

 

9月予想

 

3.25

 

・米国、インフレ退治に年末までに3.4%まで引上予想

・日本の基準金利はマイナス▲0.1%堅持

 

↓全般少し落ち着いてきた国際商品先物価格

天然ガスは欧州におけるロシアの供給に左右され、米天然ガスもLNG化して欧州へ輸出され、米国内価格を押し上げる材料になっている。TTFガスは欧州が輸入するLNGの市場価格となっている。

石炭は、石油や天然ガスによる火力発電コストが上昇し、石炭発電に切り替えていることから高止まりしている。

昨年8月からは中国の電力不足=石炭高騰による石炭不足により生じていたが、中国は国内炭を増産しており、昨年の似の前にはならないだろう。豪中経済戦争・・・中国が豪州炭の輸入禁止制裁を課し、昨年はこうした事態が発生していた。現在も制裁は継続されているが、鉄鉱石などは対象ではない。

小麦とトーモロコシは飼料にもなり、肉牛生産コストを押し上げている。ただし、米国では小麦は遺伝子操作の小麦は飼料用、食料用は遺伝子操作小麦の使用も販売も禁止されている。

国際商品先物価格

 

21/9/12

22/1/3

22/3/7

22/7/1

22/9/12

前年比

WTI原油

71

75

115

105

88

23.9%

米天然ガス

5.023

3.815

4.833

5.712

8.367

66.6%

TTFガス

61.0

80.4

227.2

147.7

190.6

212.5%

石炭

177

157

422

388

436

146.3%

鉄鉱石

124

116

159

118

104.5

-15.7%

小麦

689

758

1,252

846

841

22.1%

大豆

1,285

1,355

1,659

1,416

1,549

20.5%

トウモロコシ

513

589

749

619

711

38.6%

採取油

575

771

845

669

604

5.0%

フィーダー米牛

152

166

159

174

181

19.1%

62

62

72

103

87

40.3%

木材

503

1,112

1,456

657

548

8.9%

・3月7日は露制裁日で商品先物価格が暴騰した日でもある。

 

↓米国ではインフレ退治作戦執行中

経済指数の悪化により物価は下がるが、国内や海外から材料を購入し製品化され市場に出回る期間は最低3ヶ月必要。そのため物価が沈静化するにはタイムラグがある。

まだ、労働関係のニーズが高く、その購買力がインフレを牽引。米国の消費はGDPの7割に達する消費大国。

各種賃金指数の上昇にストップがかからない限り金利は上がる状況下にある。

米国

8月

7月

6

期待インフレ

5.7

6.2

6.8

インフレ

 

8.5

9.1

コアインフレ

 

5.9

5.9

食料インフレ

 

10.9

10.4

エネルギーインフレ

 

32.9

41.6

家賃インフレ

 

5.70

5.61

サービスインフレ

 

6.25

6.22

消費者物価指数CPI

 

296

296

賃金・時間

27.68

27.57

27.45

就業数/万人

15,873

15,829

 

 

[ 2022年9月13日 ]

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