福岡地下鉄七隈線 さらに空港国際線Tへ延伸へ 来年3月天神南-博多駅間開通
4選を圧倒的支持で勝利した福岡市の高島宗一郎市長は、福岡市地下鉄を福岡空港国際線ターミナルまで延伸する方向で検討している。
博多駅前陥没事故などあった七隈線の天神南駅と博多駅間の延伸工事、やっと来年3月27日に開業するが、福岡市は七隈線をさらに博多駅から博多南東部を通り、福岡空港国際ターミナルまで結ぶ約3キロを延伸する計画を打ち立てている。
利便性から見て、さらに、その次には国内線ターミナルの地下鉄福岡空港駅(1号線=空港線)と連結のため延伸するものと見られ、現在の空港内バス路線に平行し、その外側に地上走行型の線路を敷ければ工費もそれほど高くかからないだろう。
ただ、将来を見据え地下鉄1号線と七隈線を循環型にすれば、地下工事となり、空港(国管理/運営民間)のハードルは高くなる。
七隈線は、もともと地下鉄に関係ない福岡市南部の議員たちの不満解消のため、将来性を考慮せず作ったため、安価な狭軌道になっており、循環型にするためには線路幅から変える必要もある。
1号線=空港線(13.1キロ/1985年3月全線開業)と2号線=貝塚線(4.7キロ/1986年11月全線開業)は標準の1,435mm、一方、3号線=七隈線(12.0キロ/2005年2月開業)は狭軌道の1,067mmを採用している。
七隈線の博多駅延伸も、七隈線の赤字解消のため天神南駅から博多駅まで開通させる下心であり、延伸費用も膨大で、計画通り利益が計上できるかまったく不明、福岡地下鉄は将来の都市交通網の計画に基づき計画されていないことから、1号線・2号線(西鉄貝塚線の代替)を除き、行き当たりばったり。
一時、地下鉄貝塚線のアイランドシティへの延伸も計画されたが、これも埋立地のアイランドシティが売れず、売れるように計画されたもの。先行して都市高速道が同埋立地に延伸したため、現在は白紙になっている。その次の計画に浮上してくることだろう。
福岡市地下鉄へは福岡市が運営補助金を支出し続けている。七隈線は建設するために見込み利用客数をいつものように大幅に水増し、結果、万年赤字、七隈線の単年度黒字の達成は2015年度から2029年度に14年間先送りされ、累積赤字の解消時期も2026年から2069年へと43年間も先送りされている(福岡大学駅があり学生の利用客は多いが学割定期券)。
国の研究機関によると日本の人口は、現在の約1億2500万人から、2065年には約8800万人まで▲30%減、約4000万人余り減るという。
おめでたい先送り計画のようだ。
福岡市地下鉄の2022年3月期の決算(福岡市交通局)
全収入:303億円(市の助成金11億円含む/乗客運賃収入は209億円)
全支出:298億円
決算は公表されているが、企業会計方式でないため当方は判別不可。
1989年の福岡市の百道浜で開催された「アジア太平洋博覧会」、当時から福岡市の国際化を各首長が言い続けている。しかし、空念仏、かれこれ30年間以上言い続けている。構想だけで具体的内容なしの絵空事。
海外からのこれといった進出企業もなければ、国内大手企業の本社移転や本部機能移転などもない。その間に韓国に完全に抜かれてしまった。
漫画・劇画、ゲームソフトやアニメの個々は健在であるが、ビッグになる作家は誕生しても、企業としては経営者の器が小さく、小じんまりとしたまま。
福岡市が劇画の聖地になるなどありえない。全国から世界から老若何女のクリエーターたちを招致できる仕事環境と居住環境を提供すべきだろうが・・・。メッカになれば海外から巡礼者も訪れ、新しいチャンスも生まれ続ける。世界から注目されるようにならなければ、福岡は新しいビル群の器だけの都市になってしまう。
九大の元学長さんが日韓トンネル九州協議会のトップ、大阪府市観光局の溝口氏同様、目的を共有しており、何も問題はないとしている。そうした文化の福岡市でもある。政治の世界も中央のAKNの3氏の派閥勢が群雄割拠し、地方選挙でも保守分裂は当たり前の世界。
福岡市の人口が増え続けるということは、市以外の九州の過疎化がスピードを増すということでもある。それでも4000万人減には抵抗できず、福岡市も人口減に至る。
高島市長は横浜のロープウェーを博多にも設置しようとしたが、議会でさえ反対し、お釈迦になった。しかし、今回の4選で気を良くして再び設置に動く可能性もある。