アイコン テスラ神話崩壊か 年初から株価1/3以下に 値引き販売 中古車もダブつく


テスラは普及型のモデルSを主軸に世界販売を飛躍的に拡大させてきた。しかし、この間、バッテリー価格が高騰し続け、販売価格の修正に追い込まれ、販売台数が計画通り、伸びなくなった。
中国市場でも経済低迷含む新コロナ問題もあり、上海工場の一時停止に追い込まれている。テスラの最廉価版モデル3の価格も米国では当初3.5万ドルで販売していたが、バッテリー価格の上昇により7800ドルほど値上げしている。しかし、中国では中国メーカーとの競争が激しく実質的に値上げを見送っている。

 総帥のイーロン・マスクは買収したツイッターに執心し、首切り左衛門に化かし、政治にもちょっかいを出し、言いたい放題・やりたい放題となり、テスラでの動きも見えなくなってきている。

 それでも総じてテスラ車が売れていないのではなく、法螺貝計画に対して低迷しているもの(2030年、年間販売台数2000万台に基づく計画)。しかし、こうした計画倒れは投資家の不信を買い、22年年初399.9ドルから1年で1/3以上下落した123ドルで2022年を締めくくった。まるで、仮想通貨のような株価の動きとなっている。9月19日の309ドルからしても大暴落となっている。
(テスラ車の米国での販売台数は11月までの累計で前年同期間比56.4%増の47.7万台)

 

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ロイターは次のように伝えている。
テスラが独占していたEV市場も、欧米大手が矢継ぎ早にEVを販売し出し、テスラの優位性も損なわれ続けている。 
これまで、何ヶ月も待たされた末、ついにテスラの新車を手に入れたオーナーには、この2年間の大半を通じて、めったにない選択肢が与えられていた。真新しい電気自動車(EV)をそのまま保有するか、待ちきれない誰かに購入価格以上で売って売却益を得るかだった。
しかし、今や「テスラ転がし」の期限は迫っている。
すでに値引きが行われている新車価格にとっても潜在的な脅威となっている。

ロイターが入手した業界データによれば、テスラの中古車価格は他メーカーよりも急速に下落している。
クリーンエネルギーの象徴でもあるテスラ製EVが、売れないままディーラーの駐車場で眠っている期間も長くなっている。
テスラ製中古車の平均価格は、2022年11月時点で5万5754ドル(約748万円)。ピークだった7月の6万7297ドルに比べると17%の下落している。
自動車関連調査会社エドマンズのデータによれば、この期間の中古車市場全体の下落幅は4%にとどまっている。

さらに、11月時点でのテスラ製中古車のディーラー在庫期間は平均50日。これに対し、中古車市場全体では38日となっており、他車よりテスラ中古車は売れず、中古業者にとっても大きな負担となってきている。

ロシアによるウクライナ侵攻の影響によるガソリン価格の高騰は、市場では数少ない長距離EVであるテスラ車への需要を加速させてきた。テスラ自身も他社より早いペースで価格を引き上げ、利益率を高めていった。
テスラの一部車種を新たに入手した顧客は、好調な市場のおかげで、まだ新しい自分のテスラ車を売却して利益を確保し、また新車を注文する機会を得た。これがさらにテスラ製新車の需要を押し上げてきていた。

だが、今やガソリン価格は安定し、購入ローンの金利は上昇。テスラ自身の生産拡大やEV市場の競争激化も相まって、テスラ製中古車の価格は市場全体よりも早いペースで下落し、同社製の新車価格にも急激に波及してきている。

テスラは12月、年内に納車される「モデルY」と「モデル3」について、米国市場における値下げ幅をこれまでの2倍の7500ドルに増やし、需要減に対する投資家の不安を煽っている。

アナリストらは、8月に販売されたテスラ製中古車の3分の1近くは2022年モデルであり、元々の購入者が転売益を狙っていたことが窺われると話している。他社ブランドの中古車のうち2022年モデルの中古比率は約5%だという。

中古車販売サイトのアイシーカーズ・ドット・コムも「この2年間は多くの場合、購入時よりも高い金額でテスラを売ることができたが、今は無理だ」と指摘し、「それが、テスラ製新車の需要減につながっている」という。

テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は12月22日、「(新コロナ下)急激な利下げで新・中古車の価格が上昇したものの、(急激な利上げで)販売台数の伸びを維持するため価格を引き下げ、結果として利益率が低下する可能性がある」と述べた。

 2022年12月27日、ロイターが入手した業界データによれば、テスラの中古車価格は他のメーカーよりも急速に下落している。実際には、問題を抱えているのはテスラだけではない。
新コロナ下、半導体不足やサプライチェーン問題が発生し、グローバル規模で自動車生産が苦境を迎えたことで、米国の中古車市場は活況を呈したものの、今や「中古車不況」に直面している。
先週、中古車販売企業カーマックスは第3四半期について▲86%の減益を発表している。とはいえ、不調が目立つのはやはりテスラ。

エドマンズ・ドット・コムによると「これまで長いこと、基本的には中古EVと言えばテスラしかなかったため、他社のブランドと比べて価格が高騰した要因が強く働いた」という。
だが、EV専門の調査会社リカレントは、「米フォードの電動ピックアップトラック「F─150ライトニング」など各社からEVが市場に登場し、大きな話題を呼んでいる」と指摘している。

バッテリー価格は車両販売価格の25~40%(航続距離が長ければ搭載量が増加しバッテリーの占めるウェイトも高まる)。
バッテリー原価を100とした場合、材料費が75%前後を占め、うちリチウム価格が40%を占める。その為、バッテリーメーカーは自動車メーカーと長期契約をする場合、材料費の価格により変動する契約手法をとっている。3元系バッテリーのも一つの高額材料であるコバルトは、コバルトフリーのバッテリーも登場しているが、馬力や長距離走行には不向きとなっている()。それでもリチウムは正極(陽極)に使用され、必須アイテムは変わらない。
この2つの希少金属は生産国が限られ、生産量も限られ、20121年バイデン政権による1.9兆ドルの新コロナ経済対策資金投入により資源高を招き、2021年にはEVも各社から急激に販売され普及期に入り、こうしたレアアースを高騰させ、インフレ退治の金利高による資源価格の下落にかかわらず、最高値圏を続けている。

当然、今年1月から米国で導入されたIRA法によるEV補助金政策がEV販売の後押しをする。
しかし、バッテリー価格の高騰で内燃機車との価格差は広がるばかり、充電の必要がないHVは燃費効率も上昇し、ガソリンスタンドもどこにでもあり、ガソリン価格も低下し、購入費用・維持費のコストパフォーマンス、車両購入ローンの高騰もあり、また米経済も陰りが出ている中で、米バイデン政権のIRA法の1年目はうまくいくかはわからない。

国連・欧米政権・欧米報道機関はEVを地球温暖化の救世主に位置づけているが、中国の石炭使用量は増産しても電力不足に陥るほど増加し続けている。
希少金属の殆どは中国で,その含有鉱石を電力の電炉で溶融し抽出していることから、石炭発電が60%以上を占める中国の発電量は経済不振であるにもかかわらず増加し続けている(一昨年に続き、昨年も需要閑散期に入る9月に電力不足に陥っていた)。

リチウムは豪州から鉱石を輸入(新鉱区開発会社も中国とすでに契約している)し、中国で抽出され生産されている分が世界の使用量の1/2を占めている。中国は世界最大の石炭生産国、それでも足りず輸入している。石炭燃焼における二酸化炭素や硫黄酸化物が地球環境を汚染させ続け、総合的な見識のない先進国の政権者らが選挙のためEV化をゴリ押ししている。報道機関と一緒になり、壮大なマインドコントロールで

米バイデン政権下、本来、癌などの激痛用の鎮痛剤として使用するオピオイド系「フェンタニル」の中毒での米国の死者数が昨年10万人を突破したという(トランプ大統領が正規の医薬品会社に対しても販売規制を強化し一時死亡者は減少していたが、密売が横行し新コロナで需要拡大)。密輸ルートも確立し、使用者は数千万人に上るという。
その原料を生産する中国は医薬品材料としてメキシコに大量輸出、メキシコの麻薬カルテルで「フェンタニル」として商品化され、米国へ密輸、バイデン政権下で緩和された国境で昨年(12月22日までに)摘発された分だけでも4.5トンに達し、致死量からすれば、3億7千万人分に達するという。

EVも似たようなものだろう。近い将来、リサイクルが可能となるが、世界の車両台数は15億台、年間生産量1億台、平行して産業用(電力用蓄電池等)も増加することから、その間にスバル諸島は沈没してしまうことになる。21年のEV販売台数660万台、今年は1000万台、世界の自動車台数の半分の7.5億台になるには・・・。
それまで地球は持つのだろうか。すでに異常気象が荒れ狂い、風力発電のメッカの北海やバルト海では昨年風が吹かず、石油や石炭発電で不足分を補っている。人類はまだ原子力さえコントロールできないレベルだ。


スクロール→

バッテリー主要材料価格推移と個別ピーク

月末価格

リチウム

コバルト

ニッケル

単位

CNY/T

USD/T

USD/T

201812

133,000

55,000

10,647

201912

49,500

32,750

14,237

202012

46,500

32,190

16,719

20216

89,000

49,680

18,212

202112

268,500

70,500

20,880

22/3/11

 

 

48,226

22/4/15

 

82,000

 

20226

475,500

70,460

22,643

20229

510,500

51,955

21,012

22/11/14

597,500

 

 

202212

532,500

51955

29,886

 

[ 2023年1月 3日 ]

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