アイコン 550世帯入居のオフィステルの駐車場棟で火災 韓国 安価な外壁工法が災い


9日午前6時32分、韓国・釜山鎮区釜田洞で550世帯が入居する大規模オフィステルで火災が発生、周辺住民が一時避難する事態となった。
ビルは地下3階、地上23階建で、主に駐車タワー棟が燃え、近隣の商店街も一部燃え、発生から6時間半後の午後3時前に鎮火した。
火災を目撃した人は「燃え始めて、真っ赤になった。一瞬で上まで燃え広がった」と話している。

燃えた駐車タワーは170台駐車が可能で実際どれほどの車輌が被害にあったのかは現在のところ警察が調査中。
オフィステルと駐車タワーは連結されているが、一体ではなくオフィステル側への延焼は食い止められた。
駐車タワーには内部にスプリンクラーも設置されていたが、機能したかどうかは定かになっていない。

 

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駐車タワービルの基本構造は、鉄筋コンクリートだが、外壁はドライビット工法で仕上げられたと消防はみている。

ドライビット工法は建築施工法の一つで、発泡スチロールにセメントを塗った断熱材を外装用に使う方式。
不燃性外装材仕上げ工法よりコストが安く、工事時間も短縮され、多く使用される。しかし、可燃性で火災に脆弱であり、これまでにいくつもの住居ビル火災でドライビット工法により、火の回りが速く、多数の人命を奪っている。

現在は法律により3階以上の建物の外壁材には不燃材を使用することになっているが、当建物は2000年代に建築され、適用外となっていた。
釜山市ではこうしたドライビット工法の建物が無数あり、30階以上の高層住居ビルを対象に調査をスタートさせていたが、予算の都合上、ほとんど調査せず中断、そのままとなっているという。当ビルも23階建である。
以上、釜山地元紙の国際新聞参照

韓国では、2000年代まで30階建以上の住居ビルの外壁が不燃材ではなく、ドライビット工法で建築されているという。
1990年代、日本でも発砲スチロールにタイルを接着させた外壁材用パネルが輸入され低層住宅や低層賃貸住宅の外壁材として使用されていた。安上がりで断熱効果も高く、タイルで見栄えもよく、外壁材として住宅設計専門会社兼建築コンサルなどが輸入し、提携工務店へ卸していた。しかし、2000年までにこうした製品は使用禁止となっていた。
日本では現在、高層ビルにも対応した防火性能(防火性能試験合格)を持つドライビット工法用パネルがいくらでも販売されている。

今回の火災、燃え方がひどく低層階で激しい火災が発生したものと見られる。ひょっとしたらEVが火災を発生させ、ガソリン車に燃え移り、火災が一気に外壁伝いに上層階へ燃え広がった可能性もある。

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[ 2023年1月10日 ]

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