アイコン 韓国 出生率0.81人の現実に少子化対策どうする 女性の意識しだい


2021年の韓国の合計特殊出生率(15~49歳までの女性がその間に出産する人数)は0.81人、経済協力開発機構(OECD)加盟38ヶ国で合計特殊出生率が1未満の国は韓国が唯一となっている。
日本は2005年の1.26人から少し増えて1.3人台を維持している。
出生率が最低だった日本よりも、最近では韓国の出生率が急激に低下した理由は何だろうか。

韓国統計庁の発表では22年7~9月期の合計特殊出生率は0.79人、さらに落ちこんでいる。ただ、日韓ともに新コロナ事態が出生率を減らした可能性もある。

茨城大の笹野美佐恵現代社会学科教授は日大卒業後、ソウル大で修・博士学位取得。韓国で15年間暮らしながら両国の状況を比較した。
昨年、ソウル大日本研究所で「韓国と日本の少子化の原因はどのように違うのか」をテーマに研究結果を発表した。

 

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それによると、
★日本の出生率は徐々に低下した半面、韓国は急落した。
韓国と日本は1980年から2000年の間、出生数が▲25%ほど減少したが、両国は似た水準だった。
しかし、2000年から2020年の間、韓国は▲57.2%の下落幅となったのに対し、日本は▲29.5%の下落にとどまった。

笹野教授によると、
韓国は日本に比べて少子化対策予算を投入したが、効果はなかったという。
★笹野教授は若い女性の「圧縮的高学歴化」と関係があると分析している。
韓国では、女性が大卒以上の教育を受けた比率が親の世代と子の世代の間に大きな差がある。
2020年基準で韓国の55~64歳の女性が高等教育を受けた比率は18%水準だが、25~34歳の女性は77%にのぼる。

韓国の男性は親の世代と子の世代の差が30%ポイント程度である半面、女性は60%近い。世界で類例がないほど若い女性の世代の高学歴化が進んだ。

笹野教授は「韓国の若い女性の価値観の変化を把握してこそ出生率の急減などを理解することができる」と強調している。

★「価値観の相違」
笹野教授は、日本内閣府が5年ごとに日本、韓国、米国、英国、ドイツ、フランス、スウェーデンの13~29歳の若者の価値観を比較調査してきた資料を分析。

7ヶ国の若者の価値観を調査すると…
★韓国の若い女性は非常に独特。
2018年の調査で「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきか」という質問に対し、韓国の若い女性は90%以上が反対した。男女平等指向的として知られる西欧の国より断然高い。
「子どもが幼い時は母が子どもの世話をすべき」という項目でも、米国と英国の若い女性は半分ほどが「そうだ」と回答した半面、韓国の若い女性は、調査対象国のうち反対意見が最多だった。

結婚に対する価値の比較でも韓国の女性は差があった。
★「結婚すべきだ」という回答は韓国の女性が最も少なかった。
さらに特異な点は「結婚しないのがよい」という回答が韓国の若い女性に相対的に多かった。
笹野教授は「子どもの価値の項目ではより大きな変化があった。若い韓国女性の間では『子どもは必ずしも必要でない』という集団が増えた半面、日本の若い女性の間では子どもを望む傾向が表れた」としている。

★人生で何が重要かという質問では、
他国の場合、家族を選択する比率が高かったが、韓国では家族よりも仕事と社会、自分自身を選ぶ比率が以前の調査と比べて大幅に上昇した。

★経済危機で男女ともに雇用に不安
笹野教授はその原因に、1997年のアジア通貨危機での韓国経済の危機以降の労働市場の変化を挙げた。
韓国は男性と女性が同時に不安を感じたのに対し、日本は相対的に女性が雇用に不安を感じた。
日本の経済団体が男性の正社員を保護する方向を選択したことによるもの。
韓国の労働市場では、男女が共に不安を感じ、ジェンダー間の競争が深まったと分析している。

女性の高学歴化で韓国では、男女の大学進学率に差がなくなった一方、日本では依然として男性の大学進学率が女性に比べてはるかに高い。

笹野教授は「韓国は国会議員選挙で女性割当制を導入するなど、女性の専門職進出や女性政策の樹立などが活発になっている」とし、「韓国の女性は若い世代を中心に革命的な変化があった」と説明している。

★ジェネレーションギャップ
しかし、こうした急激な変化は特定の女性世代に目立ち、上の世代や社会および職場システムは、これに追いつかず、摩擦が生じているとみている。
こうした差が狭まらず、韓国の若い女性は結婚や出産を先に延ばすという見方をしている。
少子化関連の予算を投入しても、「男女の育児分担」や「職場内のジェンダー平等文化」などが進まなければ出生率を高めるのは難しい。

★「結婚・出産? キャリアの次に考慮」
実際、若い女性の間ではこのような声があった。
「結婚を必ずすべきだという考えではないが、よい人と出会えば結婚をすると思う。しかし今ではない」、
「子どもがいる女性は職場で『時間を奪われる』と考えるはずであり、男女が同等に養育する文化が定着しなければいけないが、すぐにはそのようにならないようだ」、
「子どもを育てるには、それなりの家がなければいけないし、私教育費(塾代)もかかるので簡単な問題ではない」
「就職もできないのに子どもは産めないという考えから、女性の結婚年齢が高まるようだ」と語った。

★別の女子大学生は、
「結婚する考えがあっても、キャリアを築いてからするべきだという思いが強い」
「出産、子育ての文化やシステムが整っていないため、男性より女性の負担が大きい」
「家庭で母が苦労するのを見て、娘が結婚と出産に積極的でないケースもある」
「出産後に問題なく復帰できる職場の文化も定着しなければいけない」
とした。

こうしたことを裏付けるように2021年の女性の平均出産年齢は33.1歳、前年比で0.1歳上昇した。また、35歳以上の高齢出産の割合は33.8%で、前年から0.5ポイント上がっている。

笹野教授は、
「脱物質主義が進行しながら出生率が低下した西欧とは違い、韓国では物質主義が続く中で、出産を避ける現象が表れている」と指摘。
「SNSなどの影響で自分のための消費傾向が表れるのも出生率低下の背景」にあると見ている。
「娘に専門職を勧め、嫁には夫への内助を期待、韓国社会は依然として保守的」

笹野教授は
「日本の若い女性は『母のように生きたい』と考える半面、韓国の若い女性は『母のようには生きたくはない』と考えるようだ」と話した。

★1997年のアジア通貨危機=経済危機以降、韓国で男女とも雇用不安を感じたのが少子化に影響を及ぼしたというが、日本とは何が違うのか。
「日本では、男性の正社員を保護しようとし、非正規職の女性が増えた。日本は伝統的に父親がお金を稼いで母親は家事をするという形態だ。今は共働きが多いが、女性の雇用はパートタイムが多い。家庭の経済で不足する部分を補う程度で働くことを娘の世代も受け入れる傾向だ」

★韓国の若い女性が大学に行ってキャリアを築くのはよいことでは。
「日本の女性界も韓国に注目している。ところが、韓国は一部の女性で変化が速く、従来の社会制度や上の世代の考えなどは依然として保守的。母親の世代が娘に専門職に就くよう勧めながらも、息子の妻には婚家に来て食事を用意し、夫に内助することを期待する」

★住宅価格の暴騰など経済的な環境も原因ではないのか。
「シンガポールは住宅を国が与えても出生率が低い。儒教文化圏の香港、台湾も出生率が低いのをみると、経済的な要因だけでは説明しにくい」

★韓国は短い期間で出生率の回復は可能だろうか。
「難しい。大企業に就職しなくても、アパートに暮らしてもよいという考えもしてみればいい。他人と比較せず、自分の幸せを追求することも重要」
以上、

男性たちの盗撮問題や芸能人のレイプ事件など、女性が怒ることばかりする韓国男性陣。韓国では学生運動が、当時、即軍事政権との対峙であり、日本や欧米とはまったく異なる環境にあり、女性解放運動が過去なかったことに起因している。
#MeTo.運動も文政権が介入した沈黙・終了したが、その間、その内容は、性暴力・セクハラ・盗撮問題に集約され、女性の権利向上などへは向かわなかった。

革命的な国会議員の女性割り当て制でも、朴元淳ソウル元市長のセクハラ自殺事件では、当時の与党の女性国会議員たちは、自殺した朴市長を擁護し、女性被害者を糾弾するという革命の現実は異常なものとなっている。民主主義の定着が多くの部分で定着しないまま、革命を導入し、こうした事態に至ったものと推察される。

韓流ドラマのすごさは視聴者を感化すること、没入度が高い。結婚願望が強くなるような恋愛物の韓流ドラマを再び増加させれば、少子化対策になること間違いなしだろう。

現代の韓国の人たちの性格も関係しているのではなかろうか。

 

↓国の人口維持には2.0以上が必要。

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[ 2023年1月26日 ]

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