アイコン 中国の政府開発投資大幅減少、外貨・ドル不足で進展せず、借金の漬物国化頓挫 


中国は経済問題を抱え、米バイデンから今や台湾侵攻どころではないと発言されている。
2008年来の水準まで元安が進んでおり、すでに当局は元安をもたらすことから5000万ドル以上(73億円以上)のドル買いは、事前に当局の承認が必要と発表している。

中国の東南アジアへの政府開発融資(ODF)は、データが入手できる直近の年である2021年に再び減少している。
同年のODFは39億ドル(約5630億円)相当で、最も多かった2015年の76億ドル(約1兆970億円)の半分強の水準まで落ちている。
2010年以降の年平均額である55億3000万ドル(約7940億円)をも下回っている。

東南アジアでは中国に代わって他の国や国際機関の存在感が増している。
2015年以降、中国はこの地域最大の単独投資国として全体の25%を占めていたのが、最近では14%にまで落ち込んでいる。
実際、中国の投資はピーク時から急減し、今ではアジア開発銀行と世界銀行にトップの座を譲っている。

 

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日本は継続的に投資しており、2015年からの累計額は中国にほぼ追いついた。
中国の累計投資額は379億ドル(約5.5兆円)、そのほとんどが期間の前半に行われた。日本は地道な取り組みにより累計投資額は280億ドル(約4兆円)、
韓国も200億ドル(約2.9兆円)。

以下、ドイツ、米国、オーストラリア、フランスの順に多く、各国の累計投資額はそれぞれ85億ドル〜54億ドル(約1.2兆円〜0.8兆円)となっている。

現在では中国が各国へ投資・融資した資金の元利返済が、新コロナ問題や物価上昇・インフレ退治の金利高、為替安から多くの国がデフォルトに陥っており、その元利返済を猶予している関係で資金が固定化、アジアやアフリカの諸国に対して新規投融資どころではなくなっている。

中国の相手国に対する融資金は金利が高いことで知られている。スリランカのようにIMF主導で債権カットともなれば、金利が高い中国が日本より有利になる(未払利息が元金に組み込まれカットされる。中国がカットに応じない限り、日本も債権カットに応じるべきではない)。

これは、2015年夏場発生した中国での証券バブル崩壊、外貨・ドル不足を含めたシャドーバンキング問題、多岐にわたる金融政策の欠陥問題が浮き彫りになった。
2017年までに中国の巨大不動産会社の大連万達、安邦、海南の3財閥グループが、海外不動産を買占め、外貨準備高に悪影響を与えたとして血祭りにあげられ、安邦も海南も実質潰された。万達も再度危機に瀕している。仮想通過投資も外貨不足の一因になるとしてこの時期に禁止された。

当時から、外貨準備高に見られるドルは減少傾向をたどっており、サウジなどと元での取引を推進しているが、サウジも原油代と製品輸入代の相殺の範囲内で元での取引を了承している。根本的な元の信用はまだ確立されていない。それどころか、足元では経済不振から、対ドル元は2008年のリーマンショック直前の相場まで元安となっており、中国経済の動向しだいではさらに元安になる可能性もある。

当然、中国政府の政府間投資も国際決済機関を通じてドルでの支払いともなれば、元安を誘導することになる。
中国のドル不足は米国債保有残高にも見て取れ、習氏が2012年秋国家主席に就任来、一貫して減少している。米国以外の国の通貨の国債や預金を大量に保有していることになるが、為替の安定性からすれば、ドル不足は禁じ手となる。
中国の外貨準備高も2014年をピークに減少しており、2015年の証券バブル崩壊から、一帯一路借金の漬物国化政策も減少に転じている。
そうした中で中国の一帯一路覇権戦略で奢り昂ぶりもあり、米国から貿易戦争を仕掛けられ、2020年になると、禁断の3期目を目指すため、新コロナで経済が疲弊している中、国民向けに「共同富裕論」を掲げ、住宅価格は高すぎるとして、短絡的に不動産開発会社に対する融資を自己資本率で規制させ、多くの民間デベロッパーが破綻の危機に陥っている。また、多くの開発現場の建設がストップしている(ほぼ完売している完成度半分以上の物件は別の不動産会社に強制して売却させ、購入した別会社が完成させる動きに入っている。しかし、完成度半分未満は手付かずだが、購入者は全額すでに支払っている)。

国民は、そうしたデベのマンションを購入(中国では完成前に全額支払う)して、完成せず大被害を受けており、また、シャドーバンキング=国民から資金を集めた信託投資⇒デベの高金利社債購入⇒出資者の国民が被害、不動産業界に対する国民の不信感は最大化しており、購入者に対する各種規制を多くの大都市が撤廃しても、なかなか回復には至っていない。
肝心なのは、デベロッパーに開発資金を金融機関が融資することにあるが、それについては政府は金融機関に対して許可していない。

もしも、「起用同富裕論」に基づき、住宅価格が習主席の考えどおり、大幅に下落すれば、それは暴落を意味し、今度は購入者に融資している多くの金融機関が危うくなってくる。

それもこれも3期目で始めてチャイナセブン(中央常任政治局員7人衆)が習派一色になり、誰も反論する者、修正を進言する者などおらず、現在の習政権は野壷にはまり、3期目の独裁化がこうした災いをもたらしている。
開発途上国と中国との関係は、銭の切れ目が縁の切れ目に通じている。


スクロール→

中国

米国債保有

外貨準備高

米国債

 

億ドル

億ドル

比率

2011

13,000

28,000

46.4%

2014

12,800

40,000

32.0%

2016

12,000

35,000

34.3%

2022/6.

9,388

31,000

30.3%

2022/12.

8,670

31,300

27.7%

2023/6.

8,354

32,040

26.1%

 

↓対ドル元で元が安なれば輸出企業に恩恵が生じ、経済回復にもなるが、一方で輸入品は高くなり内需を冷やすリスクがある。外貨準備高・ドル過不足問題もあり、単純にはいかない。

日本のように超円安は日本経済のためになると政策を変えなかった岸田政権と黒田・植田日銀総裁、結果、物価を高騰させ、国民を泣かせている。どこの国の政府も物価上昇に対する国民の反発を恐れている。日本は世界とは異なり異次元の島国。

2015年7月、中国証券バブル崩壊、その後、株価は当時をクリアできず、低迷したままとなっている。

 


スクロール→

年末

対ドル元

2007

7.304

2008

6.822

2009

6.825

2010

6.570

2011

6.343

2012

6.222

2013

6.056

2014

6.215

2015

6.568

2016

6.972

2017

6.512

2018

6.869

2019

6.964

2020

6.502

2021

6.363

2022

7.044

23/8.

7.227

9/11

7.303

 

 

 

[ 2023年9月12日 ]

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